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「──・・・はい？」

シェラはたっぷり１０秒は考えたあと、ぽかん、とした顔で首を傾げた。

「コスプレだよ、聞こえなかったかい？」

惜しげもなくその美貌に微笑みを浮かべ、ハンガーに掛けられた衣装の山に目を戻す男。
その長身と撫で付けられた銀髪に縁取られた比類なき美貌、肩は広く、腰は細く・・・といったおよそ男として人が羨む外見的特長はすべて持っている人間が真剣に吟味しているもの──ナース服やらメイド服やらに目を遣って、シェラは眩暈を感じた。

「・・・・・・」

いや、コスプレはいい。
そんなものは慣れている。
着ろ、と言われれば、どんな女物の服でも着こなす自信もある。

「・・・・・・おい」

低く、呻くような声が届いているのか、届いていないのか、シェラのためのコスプレ衣装を漁る男『ふたり』は、真剣そのものの表情だ。

「──ふむ。やはりここはブラックナースか？」
「馬鹿を言うな。あえての白衣だろうが」
「そうかい？」
「間違いない」
「お前が言うなら、きっとそれがいいのだろうな」

当然だな、という顔をして頷くヴァンツァーに、ファロット監督は分からない程度口許に笑みを浮かべた。

「・・・・・・おい、コラ」

拳を固めるシェラ。

「では、あとはレースクイーンと婦警辺りか」
「──違う」

きらり、と藍色の瞳が光る。
どこまでも真面目な──痛いほどに真剣な顔でヴァンツァーは言った。

「『婦警』ではなく、『ミニスカポリス』だ」
「うん？」
「言葉の響きがまるで違うだろうが」
「そうなのか？」
「脚本を書いている人間がそんなことでどうする」
「そうか。それはすまなかった」
「分かればいい」

そうして、またいそいそとコスプレ衣装選びに意識を戻したヴァンツァーに、「おいコラ貴様！」という怒号が飛んだ。
ツカツカ、と早足に歩み寄ってきたシェラは、キッ、と鋭い視線で長身の男を睨みつけた。
その瞳が潤んでいて、頬が紅潮しているのは、間違いなく羞恥のためだろう。

「何だ？」

それなのにこの男はどこまでも平静で冷静で、シェラは固めた拳を戦慄かせた。

「──お前はどうしてそう、見た目と言動が噛み合わないんだ！！」
「何の話だ？」
「その顔で！　その仏頂面で！　何で『あえて白衣』だの、ミ・・・『ミニスカポリス』だの！！」

憤死しそうになっているシェラに、ヴァンツァーはよく分からない、といった顔で首を傾げた。
そうして──。

目にした女性をことごとく虜にするような笑みを浮かべて、

「ミニスカポリス？」

と可愛らしく言ってのけたのだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

本当に血の気が引いた。
あまりの眩暈に足元がふらついたが、元凶である男に背中を支えられた。
ぺいっ、とばかりにその手を払いのけ、首まで真っ赤に染めたシェラは胸いっぱいに息を吸い込んで叫んだ。


「～～～～～～～っ、このっ、馬鹿！！！！」


それだけ言って、大股でその場を去っていったのである。
残された男ふたりはその後姿を見送っていたわけだが、ヴァンツァーは二、三度瞬きしたあとポツリ、と呟いた。


「・・・・・・何がいけないんだ・・・・・・？」


幸か不幸か、ファロット監督が笑いを噛み殺して「──全部だろうな」とささやいたのは、彼の耳には入らなかった。



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素に戻った坊やはやっぱりただの坊やだった・・・・・・。

０：５９　いいです.楽しいです. でも既にぼうやのかっこよさが危ない気がするのは気のせいですか??? おっと途中でまた送ってしまいました….　とにかく，シェラが幸せなら勿論それでいいんですけど.　続きも楽しみなんですけど.　うんうん.　あまり無理をなさらず，頑張ってください.　橘さんにもらうこの活力に助けられています.　橘さんも自分を大事になさってください.　from みしゃ

みしゃ様。
ふふっ、楽しいですか、それは良かったです（＾＾）自分が楽しんでいるものを楽しいと言ってもらえるのは嬉しいですね。えぇ、坊やは・・・いや、あれはまだ『可愛い』と言って許してやれる範囲だと思っております思いたいです（＾＾；）大丈夫！　ラストシーンから遡って書いている坊やはカッコイイ！！──・・・はず（オイ）
まぁ、ご心配おかけいたしまして、申し訳ありません。ありがとうございます。活力だなんて、あぁ・・・感涙・・・頑張ります。出来るだけ自分を大事に生かさず殺さずしながらやってきます（コラ）


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。いやぁ、もう冬ですねぇ・・・いい加減ポットを修理に出さないと、冬本番になって困ります・・・１杯分は１分で沸くやつ。ティ○ールではありませんがね。ケトルみたいな形してるの。
・・・いつ出そう・・・？　１月まで保証あるからいいんだけど、早く出さないと・・・。

皆様も、どうぞ温かいものでも飲んで、風邪などひかないように気をつけて下さいね～。あ、コーヒー豆買って来ないとだわ。

２：００　ぶしつけですがたまにはまた暁未来設定のようなシリアスなのやシェラを泣かせるお話を書いてください。 ・・・と書いて下さった方。

あぁ・・・そういえば、最近短編で書くときは専らファロット一家で、暁未来設定は全然書いてないですね（＾＾；）未来設定というか、ヴァンシェラふたりきりのお話を書いていないんでしょうねぇ・・・双子がいると、書きやすいんですよねぇ、あの子たちたくさん動いてくれるから（笑）──かしこまりました！　いつ、とはお約束出来ませんが、記念小説のように暗くない程度にシリアスで、シェラが可愛く泣いてヴァンツァーの理性を吹き飛ばすお話を全力で！！（笑）しばらくお待ち下さいませ～。


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。
現在、鋭意記念小説の続きを執筆中です。えぇ、『鋭意』執筆『中』です。どうぞ、そこのところを汲んでやって下さい・・・（T_T）明日・・・明日私事の山場を越えれば、若干余裕が出来るハズなんです──私の心に。えぇ、大事なことです、心の余裕。

そんな、余裕のない私。昨日はいつものように仕事帰りで疲れている友人を強制的に食事に誘い。うん。「お土産渡したいんだけど」とだけ言ってきた彼女に、「じゃあご飯も食べましょう」と鬼のようなひと言を返しました。
そして一昨日ネズミに会ってきた、という彼女からピンクの耳をもらい。

「それ、次行くときつけてね。──あぁ、家からつけていくのはさすがに恥ずかしいでしょう？　でも中ではつけてね」

と・・・顎の下でピンクのボンボンついた紐で結ぶ耳をもらいました。すーげーメルヘンだよ、これ！！　大丈夫？！　私つけても捕まらない？！　夢の王国なら大丈夫？！（どきどき）
そんなわけで、サイゼで肉サラダとたらスパを、２３時という時間にもかかわらず完食しました。昨日は給料日でしたが、下ろしている時間がなかったので、財布の中身１０００円を全部使ってやりました！！（笑）残高ゼロ、マンセー！！
友人は給料が上がっていたようで、何よりです。私は保険料と年金が上がっていたことにかなりショックを受けました・・・・・・ヘコみました・・・・・・。昇給時に基本給上がった額より、そっちのが大きいということは、結果的に減っている、ということですものね・・・・・・。


そうして今日は、これまたへろへろな友人にいつものように長電話という無茶振りをし。電話の中でも無茶振りをし。映画とネズミの２本立てという夢のようなプランをもぎ取り。

「──ワガママなんて言ってないんだからっ！！」

と、どっかのボカロのような台詞を吐き。ヴァンシェラとバルナシとスザルルとオレンジ君についておおいに語り。・・・あぁ、頑張る、頑張るよ、コスプレ特集・・・現在『鋭意』執筆『中』だよ。バルナシとラスト書けているのに途中が書けてないってどういうこと、私。頑張れ。



そんなこんなで、ありがとう、友人たちよ。拍手を下さった皆様も、本当にありがとうございます。これで明日を乗り切れる気がしてきました・・・たぶん（コラ）