小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
出来心なんだってば。
**********
間もなく陽が沈もうかという海岸。
気温は真昼のそれとさして変わりなかったが、人の姿はだいぶ減った。
まだちらほらとパラソルが見えるが、あと1時間もしないうちに太陽は水平線の彼方に沈み、リゾート客もホテルへ帰り着くだろう。
その客たちが、帰り際必ずといっていいほど目を向けるビーチの一角があった。
天使と美女とモデルの集団という、何とも無節操でありながら大層目立つ6人組。
その中で、天使と美女の4人はゴムボールでビーチバレーごっこをしてはしゃいでいる。
球技は得意でないといっていた金髪美人もいたが、お遊び程度ならば出来るらしい。
そーれ、いったよー、え~い、と、周りで観ている男どもが「ここが楽園かっ!!」と叫ぶほどの眼福。
ちょっと離れたところでは、モデル体型の男ふたりがパラソルを片付けているところである。
頼めば宿泊先であるすぐ目の前のホテルの従業員がやってくれるのだが、男ふたりは共通の趣味である音楽の話題に花を咲かせながら楽しそうに片付けている。
連れはまだ遊んでいるようだし、先に戻るか、と年上の男が促せば、はい、と笑みを返す青年。
肩を並べて歩きながらもまだ話は尽きないのか、ほとんど周囲が気にならないほど夢中になっている。
──と、そこへ『たたたっ』と駆け寄る影ふたつ。
「「──すきっ」」
どん、と背中に結構な衝撃を感じたわけだが、それよりも言われた台詞への驚きの方が余程強く。
え? と目を瞠って立ち止まった男ふたりに、今度は
「「ありっ」」
と声を揃えて頬にキスをする銀髪母子。
「へへ~」
「やったね~」
ぱちん! と得意気な顔をして手を合わせたシェラとカノンは、きゃっきゃ言いながら手を繋いで逃げていった。
それを見送る夫と彼氏とカップルひと組。
しばらくして、はぁぁぁぁ、とヴァンツァーが深いため息を吐いた。
やがて顔を上げると、思わず取り落としていたパラソルを拾った。
「────説教だな」
「まったく」
「公衆の面前で押し倒すかと思った」
「ほんとですよ」
「「──可愛いにも程があるだろ」」
と、至極真面目な顔でぶつぶつ言っている男たちではあったが、足取りがまさしく『うきうき』と地についていないのでは何の説得力もない。
それを見ていたソナタは、ぷっ、と吹き出した。
「んもう、何やってんだか」
「みんな可愛いなぁ~」
ふふふ、と笑みを浮かべて歩いている彼氏の袖をちょっと引き、
──ちゅっ。
「ライアンも、隙ありっ」
えへへ、とはにかんだように笑って家族のあとを小走りに追いかけるソナタ。
その後姿に、ライアンは大輪の花がゆっくりと開くような笑みを浮かべた。
「隙はね、『ある』んじゃなくて────『作る』んだよ」
呟くと、のんびりみんなのあとを追いかけたのだった。
**********
隙しかないキニアンと、シェラの前だけでは隙だらけなヴァンツァーと、隙を作れるライアンと。
三者三様を書いてみたかっただけ。
もう、お前らみんな纏めて嫁に来い(笑)
間もなく陽が沈もうかという海岸。
気温は真昼のそれとさして変わりなかったが、人の姿はだいぶ減った。
まだちらほらとパラソルが見えるが、あと1時間もしないうちに太陽は水平線の彼方に沈み、リゾート客もホテルへ帰り着くだろう。
その客たちが、帰り際必ずといっていいほど目を向けるビーチの一角があった。
天使と美女とモデルの集団という、何とも無節操でありながら大層目立つ6人組。
その中で、天使と美女の4人はゴムボールでビーチバレーごっこをしてはしゃいでいる。
球技は得意でないといっていた金髪美人もいたが、お遊び程度ならば出来るらしい。
そーれ、いったよー、え~い、と、周りで観ている男どもが「ここが楽園かっ!!」と叫ぶほどの眼福。
ちょっと離れたところでは、モデル体型の男ふたりがパラソルを片付けているところである。
頼めば宿泊先であるすぐ目の前のホテルの従業員がやってくれるのだが、男ふたりは共通の趣味である音楽の話題に花を咲かせながら楽しそうに片付けている。
連れはまだ遊んでいるようだし、先に戻るか、と年上の男が促せば、はい、と笑みを返す青年。
肩を並べて歩きながらもまだ話は尽きないのか、ほとんど周囲が気にならないほど夢中になっている。
──と、そこへ『たたたっ』と駆け寄る影ふたつ。
「「──すきっ」」
どん、と背中に結構な衝撃を感じたわけだが、それよりも言われた台詞への驚きの方が余程強く。
え? と目を瞠って立ち止まった男ふたりに、今度は
「「ありっ」」
と声を揃えて頬にキスをする銀髪母子。
「へへ~」
「やったね~」
ぱちん! と得意気な顔をして手を合わせたシェラとカノンは、きゃっきゃ言いながら手を繋いで逃げていった。
それを見送る夫と彼氏とカップルひと組。
しばらくして、はぁぁぁぁ、とヴァンツァーが深いため息を吐いた。
やがて顔を上げると、思わず取り落としていたパラソルを拾った。
「────説教だな」
「まったく」
「公衆の面前で押し倒すかと思った」
「ほんとですよ」
「「──可愛いにも程があるだろ」」
と、至極真面目な顔でぶつぶつ言っている男たちではあったが、足取りがまさしく『うきうき』と地についていないのでは何の説得力もない。
それを見ていたソナタは、ぷっ、と吹き出した。
「んもう、何やってんだか」
「みんな可愛いなぁ~」
ふふふ、と笑みを浮かべて歩いている彼氏の袖をちょっと引き、
──ちゅっ。
「ライアンも、隙ありっ」
えへへ、とはにかんだように笑って家族のあとを小走りに追いかけるソナタ。
その後姿に、ライアンは大輪の花がゆっくりと開くような笑みを浮かべた。
「隙はね、『ある』んじゃなくて────『作る』んだよ」
呟くと、のんびりみんなのあとを追いかけたのだった。
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隙しかないキニアンと、シェラの前だけでは隙だらけなヴァンツァーと、隙を作れるライアンと。
三者三様を書いてみたかっただけ。
もう、お前らみんな纏めて嫁に来い(笑)
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