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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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気温の低さもさることながら、なんだか背中が寒いんですが大丈夫ですか? 何か憑依してやしませんか?(コラ)

頭の中だけでもあたたかくするため、子ネタいってみよ。

・・・最近カノキニしか書けないぞ、自分・・・。


**********

──何も考えていないように見えたって、結構イロイロ考えているのだ。


「──カノン、ちょっと教えて」

授業の合間に隣の教室へとやってきた長身の少年は、今日も相変わらず人に囲まれている同級生の前に教科書を開いて見せた。
銀髪の天使を取り巻く男どもにはちょっと睨まれたが、愛想の悪さなら負けていない。
さして重要な話もしていなさそうだったから、割って入ることには何ら罪悪感を覚えない。

「アリス、数学苦手だっけ?」
「勉強が苦手です」
「あぁ、努力の人だからね、アリスは」
「・・・成績下げたらバスケやめさせられるんだよ」

だから仕方なく、と顔を顰めた少年は、僅かだが頬を赤くしていた。
くすっと笑ったカノンは、開かれたページに目を通し、「あぁ」と納得の表情を見せた。

「ソナタもここ分からないって言ってた」
「・・・たぶんこの学年はほとんどだと思うぞ」

深くため息を吐くのも無理はない。
この学年の数学担当は、お世辞にも授業が巧いとは言えないのだから。

「・・・で、ここで代入して」
「──あ、そうか」
「分かると簡単なんだけどね」
「助かった。このままだと学年末試験危ないかと思った・・・」

ほっと胸を撫で下ろす少年に、カノンはにっこりと笑った。

「やっぱりお前すごいな」
「そう?」
「すごく分かりやすい」
「じゃあ、父さんの説明が巧いんだよ」

ぼくもよく分からなかったから訊いたんだ、と一度見聞きしたことは忘れない頭脳を持つ少年は微笑んだ。

「・・・・・・」

しかし、目の前にいる少年は、怒りたいような、呆れたような、苦虫を噛み潰したような顔つきになった。
きょとん、と菫の目を丸くしたカノンに、キニアンは諦観のため息を零した。

「なに?」
「何でもありません」
「ちょー嫌そうな顔してるけど」
「もともとこういう顔なの」
「無愛想なのは知ってる。でも、それとは違うもん」
「放っておけよ」

むっ、と口を尖らせるカノンに、これ以上ここにいたら喧嘩になりそうだ、と判断したキニアンは、律儀な性格そのままにきちんと礼を言うと、自分のクラスへと帰っていったのである。

「・・・何だよ、あれ」

ぶすっ、とした表情のカノンは、もしかしたらキニアン以上の鈍感なのかも知れない。


**********

やはり、『恋人の父親はライバル』的なノリって、高校生くらいの男の子には必要だと思うんです。
カノンちゃんってば、何かといえば「父さん、父さん」・・・そりゃあ、かっこつけたがり、見栄張りたがりの高校生としては面白くないですよね(笑)

そんなわけで、今日の子ネタでした。
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