小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
開いてしまっていますね、ごめんなさい(^^;)まぁ、最近いつものことではあるのですが、今チョット仕事が忙しく。土日も結構家を空けることが多いので、なかなか更新出来なくてごめんなさい。今週中か、遅くとも週末には更新したいなぁ、と思っています。
やふのニュースで錦織君がジョコビッチに勝ったのを見て何だか嬉しくなりました。以前にも勝ったことのある選手ですが、世界ランク1位ですからね。それも、2試合連続4時間超の試合をしたあとのジョコビッチ・・・しかも4セット目で決めてくれましたからね。もう、本当にすごいのひと言です。決勝はフェデラーとの試合が見たかったけれど、そのフェデラーをストレートで破った選手との試合ですから、なかなか手強いのではないでしょうか。
日本人初のグランドスラム制覇に向けて、怪我のないように戦って欲しいものです。
さて、なんか思いついたので突発的に小ネタ。いや、小ネタというほどの分量もないかも。
学生時代のヴァンシェラでお願いします。
やふのニュースで錦織君がジョコビッチに勝ったのを見て何だか嬉しくなりました。以前にも勝ったことのある選手ですが、世界ランク1位ですからね。それも、2試合連続4時間超の試合をしたあとのジョコビッチ・・・しかも4セット目で決めてくれましたからね。もう、本当にすごいのひと言です。決勝はフェデラーとの試合が見たかったけれど、そのフェデラーをストレートで破った選手との試合ですから、なかなか手強いのではないでしょうか。
日本人初のグランドスラム制覇に向けて、怪我のないように戦って欲しいものです。
さて、なんか思いついたので突発的に小ネタ。いや、小ネタというほどの分量もないかも。
学生時代のヴァンシェラでお願いします。
**********
──自分で自分がよく分からない。
シェラは、最近ふとそんなことを思うようになった。
原因は、何となく分かっている。
目の前の男がいけない。
だが、なぜこの男がいけないのかと言うと、途端に分からなくなってしまうのだ。
休日の午後、優雅なティータイムとばかりに珈琲カップを傾けている非常に見目の良い男は、周囲の女性たちの無遠慮なまでの視線を綺麗さっぱり意識の外に追いやっているような涼しい顔をしている。
そして自分はその向かいで、紅茶のカップを傾けているのだ。
──・・・何の罰ゲームだ、これは・・・。
思わず舌打ちをしたくなるのも仕方のないこと。
自分たちは、こんな風に呑気のお茶を飲むような関係ではないのだ。
「・・・どうして私なんだ」
ボソッと呟いた言葉は、耳の良い男にしっかり届いてしまったらしい。
「俺とお前が友達だからだろう」
「──は?」
何だか信じられないような台詞を聞いた気がして、シェラは目を丸くした。
「『何だかちょっとめんどくさい男どうしのアレがあるみたいだけど、友達なんでしょう?』と言われた」
「・・・」
『アレ』というのが何を指すのか見当もつかないシェラだったけれど、目の前の男──ヴァンツァーが話題にしているのは彼の女友達(!)のひとりであるビアンカのことだ。
「・・・それでお前は頷いたのか」
「殺しあった仲です、と言えば良かったか?」
「・・・」
思い切り顔を顰めたシェラだった。
この男がどんなつもりでそれを口にしたのかは分からないが、少なくともシェラはあまり思い出して気分の良い内容ではなかった。
さらっと口にしているところを見ると、この男はこれっぽっちも気にしていないらしい。
それがどういうわけか、酷く胸を刺した。
「それで。引き受けるのか、受けないのか」
「受ける」
即答したシェラだった。
ヴァンツァーの話はこうだ。
ビアンカは手芸が趣味で、好意を寄せている男性に贈り物をしたいのだけれど、今の自分の技術をもう少し磨きたい。
だから、シェラに教えを請いたい、ということらしい。
『男性への贈り物』というのを聞いて、この男が彼女から手編みの手袋をもらっていたのを思い出した。
それはシェラの目から見てもとても出来の良いもので、複雑な模様を編むというのでもなければ特に教えることもない。
けれど、正直にそう言うのも何だか憚られた。
──・・・本当に、よく分からない。
「そうか、伝えておく」
「・・・」
そうして、この男は彼女に自分の言葉を伝えるのだ。
「・・・別にこんなこと、わざわざ会って話をしなくても、電話やメールで十分じゃないか」
ぽつり、と呟いた言葉に、ヴァンツァーは軽く首を傾げた。
「人に頼み事をするときは、直に会って話を通すべきだろう?」
まったくもって正論だった。
「だったら、お前でなく彼女が直接言ってくればいい」
「正直、頼まれたわけではないんだ」
「──は?」
顰めていた眉間を開き、目を丸くしたシェラだ。
「話の中で、お前のように裁縫や手芸が得意だったら、もっと良いものが作れるかも知れないとため息を零していたからな」
「・・・」
青天の霹靂だ。
それでは何か。
この男は、特に頼まれたわけでもないのに、彼女の呟きを聞いて、自主的に、自分に連絡を取ってきたということだ。
あまりのことに眩暈がしてきたシェラだった。
「・・・随分と、人がいい」
自分でも驚くほど低い声だった。
この男と話すときの自分に愛想のかけらもないことは自覚しているシェラだったが、今は輪をかけて。
それがなぜなのかもよく分からなかった。
「まぁ、友達だからな」
「・・・・・・」
満更でもなさそうな口調でそんなことを言う。
ちらっと見やった秀麗な美貌には、あるかなしかの笑みが浮かんでいるようにも見えた。
奥歯を噛んで、膝の上で拳を握ったシェラだった。
「銀色?」
訝る声にも、顔を上げられない。
今、自分が酷い顔をしているのが分かっているからだ。
「・・・依頼は引き受ける。それでいいんだろう? 話は」
それだけか、と言おうとしたのだが。
──ぐいっ。
何か強い力に引かれて顔を上げた。
どうやら、自分の顔が目の前の男の手で挟まれて、上を──正確には、目の前の男を向かされているらしい、と気づく。
「──な・・・」
「気に入らないなら受けなくていい」
「は・・・?」
「ビアンカに頼まれたわけではないし、気乗りしないヤツに教わっても仕方ないだろう」
「──っ!」
カチンときたシェラだった。
「誰がそんなこと・・・っていうか、手を離せ!」
パシン、と男の手を叩き落とす。
特に痛がる素振りも見せず、ヴァンツァーは何の感情も見えない顔で言葉を紡いだ。
「何が気に入らないか知らないが、これは俺の独断だ」
「・・・」
「引き受けたところで、誰に感謝されるでもない──まぁ、あいつは喜ぶかも知れないが」
「・・・」
「逆に、断ったところで文句を言われることもない」
だからどちらでもいいのだ、と判断を委ねられる。
だいぶ長いこと考えて、シェラはどうにか言葉を紡いだ。
「・・・お前は」
「何だ?」
「・・・お前は、その・・・嬉しい、のか?」
「何が」
「私が・・・その・・・お前のその『独断』というやつを引き受けて・・・彼女に、裁縫を教えたら・・・」
軽く首を傾げたヴァンツァーは、ゆっくりとその美貌に笑みを浮かべた。
「友達が喜べば、それは嬉しいだろう」
「・・・・・・」
そんなことを言うものだから、シェラはついこう言ってしまったのだ。
「・・・私はお前の・・・──『友達』じゃないのか・・・?」
**********
じれじれ(笑)
たまにこの頃のふたりを書きたくなります。
──自分で自分がよく分からない。
シェラは、最近ふとそんなことを思うようになった。
原因は、何となく分かっている。
目の前の男がいけない。
だが、なぜこの男がいけないのかと言うと、途端に分からなくなってしまうのだ。
休日の午後、優雅なティータイムとばかりに珈琲カップを傾けている非常に見目の良い男は、周囲の女性たちの無遠慮なまでの視線を綺麗さっぱり意識の外に追いやっているような涼しい顔をしている。
そして自分はその向かいで、紅茶のカップを傾けているのだ。
──・・・何の罰ゲームだ、これは・・・。
思わず舌打ちをしたくなるのも仕方のないこと。
自分たちは、こんな風に呑気のお茶を飲むような関係ではないのだ。
「・・・どうして私なんだ」
ボソッと呟いた言葉は、耳の良い男にしっかり届いてしまったらしい。
「俺とお前が友達だからだろう」
「──は?」
何だか信じられないような台詞を聞いた気がして、シェラは目を丸くした。
「『何だかちょっとめんどくさい男どうしのアレがあるみたいだけど、友達なんでしょう?』と言われた」
「・・・」
『アレ』というのが何を指すのか見当もつかないシェラだったけれど、目の前の男──ヴァンツァーが話題にしているのは彼の女友達(!)のひとりであるビアンカのことだ。
「・・・それでお前は頷いたのか」
「殺しあった仲です、と言えば良かったか?」
「・・・」
思い切り顔を顰めたシェラだった。
この男がどんなつもりでそれを口にしたのかは分からないが、少なくともシェラはあまり思い出して気分の良い内容ではなかった。
さらっと口にしているところを見ると、この男はこれっぽっちも気にしていないらしい。
それがどういうわけか、酷く胸を刺した。
「それで。引き受けるのか、受けないのか」
「受ける」
即答したシェラだった。
ヴァンツァーの話はこうだ。
ビアンカは手芸が趣味で、好意を寄せている男性に贈り物をしたいのだけれど、今の自分の技術をもう少し磨きたい。
だから、シェラに教えを請いたい、ということらしい。
『男性への贈り物』というのを聞いて、この男が彼女から手編みの手袋をもらっていたのを思い出した。
それはシェラの目から見てもとても出来の良いもので、複雑な模様を編むというのでもなければ特に教えることもない。
けれど、正直にそう言うのも何だか憚られた。
──・・・本当に、よく分からない。
「そうか、伝えておく」
「・・・」
そうして、この男は彼女に自分の言葉を伝えるのだ。
「・・・別にこんなこと、わざわざ会って話をしなくても、電話やメールで十分じゃないか」
ぽつり、と呟いた言葉に、ヴァンツァーは軽く首を傾げた。
「人に頼み事をするときは、直に会って話を通すべきだろう?」
まったくもって正論だった。
「だったら、お前でなく彼女が直接言ってくればいい」
「正直、頼まれたわけではないんだ」
「──は?」
顰めていた眉間を開き、目を丸くしたシェラだ。
「話の中で、お前のように裁縫や手芸が得意だったら、もっと良いものが作れるかも知れないとため息を零していたからな」
「・・・」
青天の霹靂だ。
それでは何か。
この男は、特に頼まれたわけでもないのに、彼女の呟きを聞いて、自主的に、自分に連絡を取ってきたということだ。
あまりのことに眩暈がしてきたシェラだった。
「・・・随分と、人がいい」
自分でも驚くほど低い声だった。
この男と話すときの自分に愛想のかけらもないことは自覚しているシェラだったが、今は輪をかけて。
それがなぜなのかもよく分からなかった。
「まぁ、友達だからな」
「・・・・・・」
満更でもなさそうな口調でそんなことを言う。
ちらっと見やった秀麗な美貌には、あるかなしかの笑みが浮かんでいるようにも見えた。
奥歯を噛んで、膝の上で拳を握ったシェラだった。
「銀色?」
訝る声にも、顔を上げられない。
今、自分が酷い顔をしているのが分かっているからだ。
「・・・依頼は引き受ける。それでいいんだろう? 話は」
それだけか、と言おうとしたのだが。
──ぐいっ。
何か強い力に引かれて顔を上げた。
どうやら、自分の顔が目の前の男の手で挟まれて、上を──正確には、目の前の男を向かされているらしい、と気づく。
「──な・・・」
「気に入らないなら受けなくていい」
「は・・・?」
「ビアンカに頼まれたわけではないし、気乗りしないヤツに教わっても仕方ないだろう」
「──っ!」
カチンときたシェラだった。
「誰がそんなこと・・・っていうか、手を離せ!」
パシン、と男の手を叩き落とす。
特に痛がる素振りも見せず、ヴァンツァーは何の感情も見えない顔で言葉を紡いだ。
「何が気に入らないか知らないが、これは俺の独断だ」
「・・・」
「引き受けたところで、誰に感謝されるでもない──まぁ、あいつは喜ぶかも知れないが」
「・・・」
「逆に、断ったところで文句を言われることもない」
だからどちらでもいいのだ、と判断を委ねられる。
だいぶ長いこと考えて、シェラはどうにか言葉を紡いだ。
「・・・お前は」
「何だ?」
「・・・お前は、その・・・嬉しい、のか?」
「何が」
「私が・・・その・・・お前のその『独断』というやつを引き受けて・・・彼女に、裁縫を教えたら・・・」
軽く首を傾げたヴァンツァーは、ゆっくりとその美貌に笑みを浮かべた。
「友達が喜べば、それは嬉しいだろう」
「・・・・・・」
そんなことを言うものだから、シェラはついこう言ってしまったのだ。
「・・・私はお前の・・・──『友達』じゃないのか・・・?」
**********
じれじれ(笑)
たまにこの頃のふたりを書きたくなります。
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