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「あー、アリスまた真っ直ぐじゃーん」
「真ん中はダメだってばー」

双子の言葉に「ボーリングってそういうものだろう？！」と言いたくなったものの、確かに自分の球がレーンのほぼど真ん中にしか行かないというのは、何かの呪いかも知れない、と思ったキニアンだ。
だって、右端とか、左端を狙って投げても、なぜだか球が吸い込まれるのは真ん中なのだ。
おかしいではないか。
それなら、ガーターになるべきだ。

「アー君は気性が真っ直ぐだからねぇ」
「間違ってもカーブとか、かけられないだろうし」
「じゃあ、次はアル用に『冬の大三角残し』にしよう」

正直なところ、これが普通のボーリングのゲームだったら今のところ一番スコアが良いのはキニアンなのだが、

──ストライク取ったら罰ゲーム

という、ルールそのものが罰ゲームみたいな決まりになってしまったため、１ゲーム目を１６０近いスコアで戦ったキニアンはつまり最下位で。
また、そのフレームによって倒すピンをあらかじめ決めておいて、いかにその指令に近い倒し方が出来るかで勝敗が決まるので、『１ピンと５ピン残して』とかいう無茶ぶりには、応えられないのが普通なのだ。

「ほら、アル。シリウスを狙って、弾いたピンでプロキオンを倒して、最後はプロキオンでベテルギウスを倒すんだ。スピードが命だぞ」
「・・・・・・」

にっこり笑って１、７、１０ピン以外を倒した男に、キニアンはひどい頭痛を覚えた。

「・・・ヴァンツァー」
「うん？」
「あれ、１ピン立ってますけど、『スネークアイ』ですよね」
「そうだな」
「まず取れませんよね・・・？」
「アルは、１ピン得意だから。頑張れば、７か１０も一緒に倒れるかも知れない」
「・・・・・・」

嘆息したキニアンは、「ちなみに」と兄貴分に訊ねてみた。

「ヴァンツァーは、あれ取れますか？」
「５回に１回くらいは」
「・・・・・・」

じゃあ俺は１０年かかっても無理ですね、とは思ったものの。

「取ったらシェラがキスしてくれる、って言ったら？」
「──死んでも取る」

やけに真剣な顔をして答えた男に、「死んでもしない」と呟くシェラ。
まぁ、ゲームだし、と割り切ったキニアンは、「とりあえず１ピンを倒そう」と自分に言い聞かせて投球した。
結果、１ピンと７ピンは倒れたものの、１０ピンはそのまま。
普通倒れないので別に悔しいも何もないのだが、『５回に１回かぁ』と考えてしまう。
そして、変則ゲームが終わったあとは、通常のルールでゲームを楽しむこととなった。
けれど、ゲームが終わってみてキニアンはまた思ったのだ。

──スペアとストライクしか出してないのに、俺最下位ってなに・・・？

本気で泣いても、きっと許されると思ったキニアンだった。


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スペアとストライクが並ぶと、２００。
ちなみに、ヴァンツァーは当然のようにパーフェクトゲームを達成してドヤ顔をしたらしいです。
スコア３００って、どうやったら出るんだよ・・・１００超えるのがやっとだっつーの。

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──ただただ、あなたのいる毎日に感謝を。


婿入り道具は、チェロとピアノとヴァイオリン。
音楽家である彼らしい、とファロット一家は笑みを浮かべた。

ある日のこと、カノンはリビングに居並ぶその楽器たちを見て訊ねた。

「あのヴァイオリンも、マリアさんのみたいに高価なものなの？」
「いや、全然。安物」

無二の相棒はチェロだけれど、ピアノとヴァイオリンも彼の友人だ。
どの楽器だってとても綺麗な音を生み出す魔法の手が、カノンは大好きだった。

「ヴァンツァーの持ってるヴァイオリンの方が、ずっといいやつだよ」
「そうなの？　だって、アリスが弾くと、どっちも綺麗な音するよ？　楽器って、よく分かんないなぁ・・・」
「俺のチェロ１本と、あのヴァイオリン２千本くらいが、同じ値段かな」
「にせ──？！」

さすがに仰天して、ソファの上で飛び上がったカノンだった。
何でもないような顔で、キニアンは珈琲片手に楽譜を捲っている。

「・・・練習用、とかなの・・・？」
「んー、っていうか、マリアのお下がりなんだ」
「──マリアさん？」

あれれ、と首を捻ったカノンだった。
天才の誉れ高いヴァイオリニストの使う楽器など、それこそ億単位のものだとばかり思っていた。

「マリアがヴァイオリンを始めたきっかけ。修道院のシスターからもらったんだって」
「修道院？」
「事故で両親亡くしてね」
「え・・・」
「あんまり詳しいことは聞いてないけど、１０歳くらいとか言ってたかな。親戚も、なかなか引き取り手がなくて」
「あ、あの・・・」

そんな話を自分が聞いてしまってもいいのか、とおろおろし始めるカノンに気づいているのか否か、キニアンは構わず言葉を続ける。

「今じゃあんなに笑ったり怒ったり忙しい人だけど、誰とも口もきかなきゃ、部屋からも出ない日があったらしくて。見かねたシスターが気晴らしになれば、って渡したらしい」
「・・・・・・」
「楽器を『弾く』んじゃなくて、楽器と『お喋り』するんだって、マリアが教えてくれたんだけど。きっと、昔のマリアにとっては、数少ない話し相手だったんだろうな」
「・・・・・・」

俯いてしまったカノンにくすっと笑ったキニアンは、楽譜をテーブルの上に置くとソファに座っているカノンの隣にちょっと乱暴に腰掛けた。
びっくりして顔を上げたカノンをひょい、と抱き上げると、そのまま膝の上に乗せる。

「ぁ・・・ちょ、なに」
「俺、お前がいなかったら、こんなに真剣に楽器と向き合ってなかったかも知れない」
「アリス・・・？」
「今だから言うけど。初めてお前を見たとき、真っ先に【ラファエル】と話したんだ。あの子は誰だろう、また逢えるかな、って」
「・・・・・・」
「それからも、お前を見かけたり、話したりするたびに報告してさ」

ちいさく笑って、「おかしいだろ？」と言う青年に、カノンはふるふると首を振った。

「お前が俺のチェロ聴きたいって言い出さなきゃ、真剣に練習しなかったかもな」
「・・・そんなこと」
「いや、ほんとに。楽器に触ってる時間は落ち着くから好きだったけど、でも、『もっといい音にしたい』とか、『俺の演奏を聴いて喜んだ顔が見たい』とか。お前じゃなきゃ、きっと思わなかった」

こつん、と額を合わせられて、カノンの肩はちいさく震えた。

「ありがとう、カノン」
「・・・・・・」
「俺なんかでいいのか？」
「え？」
「自分で言うのもなんだけど、音楽以外なんにも取り柄ないし。ヴァンツァーとかライアンみたいに、気の利いたことも言えない」
「・・・・・・」
「しょっちゅう怒らせてるし」

くすくす、と。
最近とてもよく笑うようになった男の顔を、カノンはじっと見つめた。

「ぼくだって・・・」
「ん？」
「アリスがいなきゃ、もっと、ずっと・・・ずっと、いい子でいられたのに・・・」
「──カノン？」
「ぼく、最近シェラにまで我が儘言っちゃうし、父さんにもツンツンしちゃうんだからね」

ツンツンしてる自覚はあったのか、と妙なところで感慨深気な顔になるキニアン。
『自分だけ』から卒業してしまったのはちょっと寂しいけれど、でも、それが嫌なわけがない。

「いいじゃん。シェラも喜ぶだろうし、ヴァンツァーは『可愛いな』って思ってるよ」
「・・・だ、だから・・・あ、アリスの・・・」

『おかげ』なんだからね、と。
ぼそっ、とごくごくちいさな声で呟くのがあんまり可愛くて。

「あーもー。お前、最っ高に可愛いな！」
「なっ！！」

滅多に言われない台詞ときついくらいの抱擁に、カノンは頬を真っ赤に染めた。

「あ、あああ、あったり前じゃん！」

ふんっ！　と悪態をついているようでいて、逆に抱きついてくる細い身体を思い切り抱き返し。

「──どうぞ、よろしくお願いします」

と呟いたキニアンに。

「・・・こちらこそ」

と、どこかぶっきらぼうな返事が返ったのだった。


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おー。何か書けた。マリアさんの話くらいまでが、消えた下書きです。たぶん。
俺の脳みそという名のハードをハイスペックにしたい・・・。

美春ちゃん。３つ目のジャンプに４回転を持ってくるってすごいよね。惜しかったなぁ。しかし、得点が伸びないな。プロトコル見てないですけど、フェンスにぶつかって謎の高得点が出る選手もいれば、伸びない選手もいるという。解せぬ。

ちょっ、デー！（笑）スタオベ（笑）自然と沸き起こる歓声（笑）４回転で手をついたのがどうした、って感じですよ。だから何？　みたいな。あの単調な音で、なぜ飽きないかという。本人と、その滑りに魅力があるからですよね。曲そのものにドラマを求めないという点では、真央たんの『鐘』もすごかったですけどね。本人に力がないと滑れない音です。
シンプルな衣装ですし、あのストイックな色気がたまらんね。プログラム自体も、そうそう緩急のあるものではないんですが、たとえば腕や首を振る仕草でバシッ、バシッ、と音を取って、かと思ったらわざと外して、緩やかなターンでメリハリをつける。カメレンゴ、グッジョブ。おっさんすげー（コラ）
また、ほんとスピン上手くなったなー。「ランビエールのスピンが欲しい！」と言ってただけのことはあります。ジャンプの助走も短いわー。デーちゃんのジャンプは、ふわっと跳んでから回転を始めるので、ほんと綺麗。後半のジャンプで加速する感じがまたたまらん！　あのコレオステップは、もう、なんかずっと見ていたいわ。やっぱかっこいいよな、デーは。オリンピックのときも思ったけど、絶対彼はいくつか手にするべきメダルを逃してると思う。まぁ、今回はプラチナメダルということで、おめ！！

ゆづは、打って変わってドラマティック。素晴らしい４回転でした。美しい３Aといい、彼のジャンプは質が高いね。３A-３Tもきっちり決めて、ほんと素晴らしいわ。最後のサルコウだけちょっと惜しかったけど・・・んー、素晴らしい！！　そりゃ観客立つわ。デー輔の作ったあの空気の後で、また違う空気を作って人を惹きつける演技をするという。いやー、もー、素晴らしい！！　ごめん、デーとゆづに関しては素晴らしいしか言えない（笑）
柔軟性高いし、演技そのものも、力強さとやわらかさがあり。コレオステップの気迫がすごいよね。あれぞ魂の滑りだよ。フィニッシュのポーズも、心臓に剣が突き刺さるのすら見える気がする。「本望だ！」って言って死んでいくロミオ。若さゆえの過ちというか、彼の年齢だからこその演技。いや、そう思ってるかどうかは知らんけど（笑）んー、かっこ可愛い。
デー輔の空気を殺すとか、対抗するとかじゃなくて、「いい流れ♪」と思って滑れる素直さがあるからいいんだろうな。自己ベスト、素晴らしい！！　おめ！！　４回転２回決めたフェルナンデス君とほぼ同じ点数というのがまたすごいね。正直、デーが優勝で、ゆづが銅メダルだと思う。観客はカナダの人が多いと思うから分からないけど・・・んー、私はそう思う（笑）

フェルナンデス君は、まー、ポンポン４回転を（笑）むしろ３回転の方が苦手なんじゃねーかという（笑）演技というか、表情はちょっとコミカルで可愛いよね。結構ジャンプの軸がブレやすいんですが、だからどうした、って感じで力で降りてくるんですよね。グランプリシリーズでもそうでしたが、後半の３連続ジャンプが抜けたり２回転になったりでメタメタなのが残念だなぁ。ステップみたいになってるよね。４回転２回跳べば、後半なんて気力で滑るようなものでしょうけどね。

アボたん。素晴らしい４回転でございました。あれは素晴らしく美しい４回転でした。前半のジャンプが全体的に良かっただけに、後半の転倒がもったいない！！　手足が長いから、ジャンプ低いと着氷出来ないし、高すぎても着氷乱れるし、難しいよな。ライサチェックも、手足が長すぎてジャンプ苦手だったんだよ。アボたんも、点数がなかなか伸びていかないね。ジャンプでの転倒の減点は、やっぱり痛いよなぁ・・・。

さ。パトリックちゃん。パトリックちゃんは、トップスピードに乗るのが速いよね。滑り出したらもうトップスピード。スケーティングが綺麗な証拠です。でも、あのメタメタなジャンプの数々と無味乾燥なプログラムに、たとえ地元加点があったとしても優勝させていい演技じゃないでしょうよ・・・別に本人が悪いんじゃないのかも知れないけど、何でそんなあからさまな得点操作するのかな？　SPでの１０点差があったとしても、間違いなくデー輔の優勝でしょう、これ。あとでプロトコル見よう。
しかし、１７３点って、馬鹿だよね・・・点数出た瞬間吹き出しちゃったよ。デー輔の点数より高いんだよ？　ねぇ、馬鹿でしょ？　どう考えても１６０行かないでしょう。ゆづの演技より良かったか、あれが？　あーもー、ほんと残念すぎる。どこぞの女王様思い出してすげー不愉快。SPの貯金があるんだから、せめてギリギリ１６３点くらいにしておけよ。それでも優勝だろ？　優勝させたいなら、ギリギリ勝つ点数でいいだろ。１７３点とか、誰が見てもおかしいわ。っていうか、ジャッジの頭がおかしいわ。
あの点数、カナダ人本気で喜んでるのかな？　出ると思ってるのかな？　あの歓声の意味を知りたいわ。フランスやロシアでも、あの歓声出たかな？


さ、女子だ。こっちは平和だろうな。

タクタミちゃん。ルッツトゥはさすがですね。１４歳であの度胸もすごいです。でも、たぶん顔には出ないけどプレッシャーはあるんだろうな。いや、そもそも１４歳で顔に出ないことがすごいけど。あと、スピンの精度が上がっていくと素晴らしい選手になるでしょうね。まだまだ、これからどんどん伸びるでしょう。そうかー。世界選手権は年齢制限で出られないのか・・・ソトニコワとレオノワと・・・是非３枠取って欲しいですね。

アリッサたんは、足首を怪我しているのに出ていたようですね。スパイラルとスピンはほんとため息が零れます。足を変えようが、ポジションを変えようが、どんどん加速するスピナーは、他に引退した中野ゆかりさんとランビエール様くらいしか（笑）怪我してて、よく跳ぶなぁ。棄権したっておかしくないだろうに。着氷する足を怪我というのは、苦しいでしょうね。素晴らしい根性でした。

レオノワたんは、ループとルッツ苦手だね。高難度の技が苦手というのは厳しいな・・・３－３のトゥループがほぼ確実なだけにもったいない。スタミナも、大きな課題です。しかし、まぁ、コーチと振付師が一緒だから仕方ないんだが、みきてぃと似たプログラムよね。衣装も似てる。いや、色んなキャラクターを演じられるのはすごいことなんだが、どちらかといえば、SPの方がレオノワカラーがありますかね。

あっこちゃん。２A-３Tが綺麗でございました。あっこちゃんは、オリンピックの年は結構シークエンスを入れてたんですが、最近は普通のコンビネーションジャンプが多くなっていて、まだ成長するというのが素晴らしいですね。ただ、そのコンビネーションが入らないのは辛かったですが。ステップはおさすがでございました。軽やかな男前ステップ（笑）銀メダル、おめ！！　

コス姐さん。姐さんは、ほんとスケーティング速いよなー。ジャンプが決まるととても強い選手ですが、なかなかミスのない演技というのが見られないですね。２A-３Tを決めてきたのはすごいな。２Tの予定だったのを、大きく変更しましたね。でも、全体的に着氷で流れないかな。あのスピードからジャンプが綺麗に決まると、素晴らしく見応えのあるジャンプになるんですけどね。やー、しかし、初優勝おめでとうございます！！

皆さん、本当にお疲れ様でした。これからはそれぞれナショナルの試合で、一部の選手は四大陸と、世界選手権ですね。楽しみです（＾＾）

１４：４１　ライソナ結婚式楽しく楽しく読みました
いや〜結局最後は…ヴァンとシェラにいぢられるキニわんこ(笑)
驚きのイジラレ型でした！
ライアンちも、ドンだけビッグな家族なんでしょう!?その食材に目を輝かせるシェラたんの可愛かった事♪
ホントにいつもワクワクしとぱなしでした！
そんな中、真央ちゃんのお母様の訃報はとても残念です。
浅田姉妹にとってお母さんのサポートや応援は大きかったでしょうから…
なんとか持ち直して欲しい、どうか少しでも！と思っていましたが、真央ちゃんの気持ちを想うとたまりません。空港でも凛とした彼女の態度はスゴいな…と改めて思いました。お母さんを想い、いっぱい涙を流してゆっくり見送って差し上げて欲しいと思います。
私達のそんな寂しい気持ちをまったり暖かくしてくれるシェラさんの風邪編、ほんわかさせてもらいました
ありがとうございます!! by らい

らい様
こんばんは（＾＾）お楽しみいただけたようで何よりです。あと１話が書き上がらないんですけどね・・・年内には書き上げたいところです。キニアン弄りは私の楽しみのひとつなので（笑）彼が可愛がられているのを見ると、何だかとても嬉しくなります。
ハーマインさん家は、色んな意味でビッグです（笑）見てるとせかせかしてるのが馬鹿らしくなってくる人たちを描くと、自分もちょっと落ち着ける気がして。自分で言うのもなんですが、シェラは安心の可愛さですし（笑）
真央ちゃんのお母さんのことは、本当に残念でした。朝、友人からのメールやネットのニュースを見て、涙が止まらなかったです。どんなときでも強く在った真央ちゃんには、今は、思い切り泣いて欲しいです。
風邪は万病の元と言いますしね。シェラもヴァンツァーも、お互いのことはとても心配するのに、自分のことには無頓着なところがあるので、あたたかさとやさしさに、ちょっとした戒めを込めて。自分のことは自分が一番分かってるって、あれ嘘ですからね（笑）
こちらこそ、感想いただけて嬉しかったです。ありがとうございます（＾＾）


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。皆様も、どうぞお身体には気をつけて。私は、来年こそは高熱を出さない年にしたいです。この歳になってから扁桃腺取ったって仕方ないので取りませんが、さすがに３日も４日も３９度前後が続くのはしんどいですからね。３８度台なら普通に動けるんですが、３９度は無理（＾＾；）



それにしても、急遽帰国した真央ちゃんに向かって、「もう少し早く棄権すれば他の選手が出られた」とか言い放ったウジテレビのT中アナとオグラは、他にも山ほど問題発言して『とく○ネ！』が打ち切りになるとかどうとかいう問題もありましたね。なっちゃえばいいのに。誰も困らないよ。人間の言うことか？　ほんと、どうしようもないクズっているんだな。たとえ言えって圧力掛けられたって言えないよ、そんな台詞。

ごめんなさいね。あんまり頭きたので。言葉遣いも悪い上に、多少なりとも人様に影響力のある場で言うことではないんでしょうけど。もう、何か、哀しいわ。

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「・・・ただの風邪に、大袈裟なんだ」

ベッドの上でそう顔を顰めるシェラの口許に、ヴァンツァーはうさぎ型にむいたりんごを差し出した。
ちょっと考えたシェラだったが、あ、と口を開けるとシャクリ、と齧った。
瑞々しいりんごの、甘い果汁が口の中に広がる。
ほわり、と頬が緩みそうになるのを我慢して、難しい顔を続ける。

「仕事まで休むことないじゃないか」
「怒ると、また熱が上がるぞ」
「今日だって商談が」
「仕事はこれからいくらでも出来る。商談ひとつ延期になったからといって、さして痛くもない」

だが、と下がり切らない熱のせいで潤んだ菫色の瞳を見つめる。

「お前の代わりはない」
「・・・・・・」
「俺はずるいから仕事もお前も両方手に入れたいが、どちらかしか選べないなら答えは決まっている」

淡々とした口調でそんなことを言って、またうさぎのりんごを作る男。

「いいから。ゆっくり休め」
「でも」
「俺に仕事をさせたいなら、早く復調しろ」

ちいさく笑う男に、シェラはちょっと唇を尖らせた。


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どこ分類だ、これ。