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「追えと言われれば、素直に追ってくるのだな」

かつて『英雄』と呼ばれた男は、凍てついた瞳で目の前の青年を見つめ、形の良い唇を歪めた。

「何？」

クラウドは眉を寄せた。
仲間であるフリオニールが大切にしている『のばら』を奪い、「追ってこい」と言って姿を消したセフィロス。
意味のない戦いはしたくない、戦うことに納得出来る理由が欲しい。
クラウドは、切にそう願っていた。
流されるまま、意味もなく誰かを傷つけるのはもうたくさんだった。

「流されまいとして戦う理由を求めているようだが」

クラウドの思考を読んだかのような、セフィロスの言葉。

「お前は求めているだけで、自分から見つけようとしていない。だから、ひとから与えられた理由に喜んで飛びつくのだ」
「何が言いたい」
「あの連中は、傷つけられてもクリスタルを求める意志がある。だが、お前はどうだ？　自分では何も決められない、流されるだけの人形だ」
「違う！」
「これからも、私が理由を与えてやろう──お前の、望むままに」
「黙れ！」

クラウドは吠えた。

「与えられるだけの理由は、もういらない。ここに来たのは、俺自身の意志だ！」
「思い出に縋るだけのお前が、何を言う」
「──縋っているのはどっちだ！」

バスターソードを構え、斬りかかるクラウド。
この剣は、彼の『友達』が扱っていたものを同じ。
クラウドを守り、命を落とした大事な友達。
その友達の恋人だった少女は、目の前の男が殺した。
憧れていた。
尊敬していた。
強くやさしかった英雄が、星を滅ぼそうとしていた。
それを止めようとした少女が、邪魔になったのだ。
クラウドの目の前で、今も左手に下げている正宗が、エアリスを──。
巨大な剣から繰り出される攻撃に、セフィロスは弾き飛ばされた。

「セフィロス！　あんたはここで──眠ってくれ」

魔晄の海に漂う足場に落ちていくセフィロスを、空中から構えた剣を手に超高速で相手に突進していくクラウド。
『ブレイバー』と呼ばれるその一撃は、当たれば確実に相手のHPを奪っていく。

しかし。

弾き飛ばされ、地面に叩きつけられるか、というところでセフィロスは重力を操作したのかふわり、と足場に着地した。
はっとするクラウド。
『ブレイバー』の威力は絶大だが、発動中は回避行動が疎かになるのが欠点だった。
迫ってくるクラウドを見上げ、微笑むセフィロス。

「受け入れろ。お前を導くのは──私だ」

長身のセフィロスよりも長い刀身から繰り出される、神速の剣戟。
それは、剣圧だけで相手を斬り殺すことも出来る凄まじい威力を持っている。
空中でどうにか体勢を立て直したクラウドだったが回避が間に合わず、ガードをするがそれすらも吹き飛ばす剣圧。
地面に倒れこんだクラウドだったが、どうにか膝をついて起き上がろうとした。

「絶望を望むならば──贈ろうか、クラウド？」

見下ろしてくるセフィロスに、クラウドはもともと鋭いまなざしを更にきつくした。

「俺の願いは、自分で見つける」
「人形だな、お前は」

それからは、どう戦ったのかよく覚えていない。
攻撃をしかけ、剣戟をかわし、空中で、地上で、傷つき、傷つけ、それでも向かっていった。
戦いの最中生まれるEXコアを奪い合い、引いては仕掛け、隙を見つければ攻撃を叩き込んだ。

──力が、満ちる。

「──限界を、超える！」

リミットブレイク。
クラウド最大の奥義『超究武神覇斬』の発動。
１３もの剣戟を打ち込むこの技は敵に大ダメージを与えるが、セフィロスは身につけたアクセサリの効果でHPを１残していた。
すかさず、攻撃を繰り出すクラウド。

──負けるわけにはいかない！

辛くも勝利を手にしたクラウドの前に、マテリアのような輝きが生まれた。

「これが・・・クリスタル」
「お前がみつけた絶望でもある」

あれだけの攻撃を受けておきながら、何でもない顔をして立ち上がるセフィロス。

「手にすれば、これから更なる戦いに巻き込まれるだろう」
「それが、俺の宿命なら」

クリスタルに手を伸ばす。
クラウドの体内に溶け込むように、クリスタルは消えた。

「俺は、俺の現実を生きる」

決意したクラウドに、セフィロスは口端を吊り上げた。

「いいだろう。輝きを見るたび思い出せ。私の導きで手に入れたことを」

クラウドは、何も答えない。

「私は、何度でもお前を導こう」

そして、セフィロスは姿を消した。

「道は・・・俺が決める」

仲間と約束した、自分自身の答えを見つけるまで。
戦い続けることを、クラウドは誓った。



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セフィロスが変態なのか、いい人なのか、すごく判断に迷います。

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人間になる猫なのか、猫になる人間なのか、よく分からないがキニアンは拾ってきた仔猫との同居生活を送っていた。
知られたのがアルフレッドであればまた違っただろうが、マリアは

「あら～、いいんじゃないの？　可愛いし。これが『萌え～』ってやつね」

などど、コロコロ笑っていた。
こういうとき、物事に動じない親の存在というものは非常にありがたいところだ。
一度拾ったものを捨てる気なんてさらさらない青年はすっかり仔猫に懐かれていて、仔猫はどこへ行くにも青年のあとをついて回った。
そうすると困ることが１つあって、猫の姿でいるときはいいのだが、人間の姿になったときに着る服がない。
まさか、裸で歩かせるわけにもいかない。

──俺が無理・・・。

二十歳の青年に、すんなりと伸びた四肢や真っ白くやわらかそうな肌というものは、目の毒以外の何ものでもない。
とりあえず自分の服を着させてみたのだが、長身のキニアンの服はぶかぶかすぎて袖も裾も余っていた。
不思議そうな顔をして手が出てこない袖や、肩から落ちる襟を見ているカノンに、キニアンは思わず口許を押さえた。
視覚の暴力とも思える夢のような光景に、鼻血が出そうになっているのだ。

「なー？」

そんなキニアンを、これまた不思議そうな瞳で見つめ、首を傾げるカノン。
やばやばやば、とティッシュを探すキニアン。
ちょっとこれは本格的に無理、と思った彼は、マリアに服を借してくれと頼んだ。

「買ってきてあげたら？」
「買いに行くけど、だってこいつ裸で歩かせられないだろう？」
「──あら、一緒に行くの」

言われて目をぱちくりさせたキニアンだ。

「あらあら、デートね」

そんなことを言って笑うマリアに、「違うっ」ととりあえず否定を返してみた。
けれど、頭の中ではぶかぶかのシャツを１枚だけ羽織ったカノンが、自分の袖を掴みながら隣を歩いているかなり危ない光景が広がっていた。

──・・・俺、ロリコンとかショタコンとかじゃないぞ、絶対・・・。

人間でいえば中学生くらいの外見をしているカノンだから、そう思われても仕方がない。

「ん～、パンツはたぶん丈が合わないから、スカートでもいいかしら？」
「え、こいつ男だぞ？」
「平気よ、可愛いし」
「あのな」
「帽子も貸してあげるわ」
「・・・まぁ、それなら」

そしてマリアがクローゼットから引っ張り出してきたのは、真っ白いワンピースだった。

「あら～、可愛い」
「・・・・・・」

ワンピースとケープ、ラビットファーのついた毛糸の帽子を身につけたカノンは、その辺の女の子よりも余程綺麗で可愛かった。
自分の姿を見て、ちょっと窮屈そうな顔をするカノン。
キニアンに何かを訴える目になるが、それどころではない青年はじっとカノンを見つめるだけ。

「なー」
「・・・・・・──あ、あぁ、可愛いよ」

よしよし、と頭を撫でてやると、やがてカノンは満面の笑みを浮かべてキニアンにぎゅっと抱きついた。


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何がしたい、俺。

１５：１２　え、「いっそ全部再掲載とかしてもいいんですけどね」なんて。そんな夢のようなことが。。。。ゆっくり、大事に読ませて
頂いていますので、お待ちしています！！ by みみこ

みみこ様
こんばんは（＾＾）あはは。夢のようですか。ほんとに夢かも知れません（コラ）実際全部載せると量が多すぎるので、クリスマスと来年の６周年で２～３個ずつが妥当かなぁ、と。リンク張るのが面倒というのは内緒の話です（コラ）楽しみにしていただけているのはとても嬉しいです。ご期待に沿えるものが書ければいいのですが・・・。


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。そんなわけで、ゲーマー橘、禁断のゲームに手を出してしまいました・・・いや、だってこれ、クリアしてからが本番っていうか・・・やり込みゲーだから、どこまでも遊べるっていうか・・・小説も書くよ。でも、仕事帰りの電車の中は、これで決まりだね！！　マキァベリの『君主論』を読もうと思って鞄に入れてるんですけど、いつもゲームしちゃうんだよね。仕方ないさ、ゲーマーだもの。

１８：３７　こんばんは。
覚えていてくださって嬉しいです。そして、ありがとうございます。今のところは勉強道具に触れたくないですが(笑)
気管支炎ですか、つらいですね・・・
体にまでストレスの影響がでてきてしまうまで、無理しないでくださいね。息抜きも大切です(>_<)
そうかもしれません。実際に勇気を分けてくれる人は、あまりいませんね。困難に直面していても、乗り越えるために努力している姿は素晴らしいものですから、やはりそこに惹かれるのでしょう(*^_^*)
いつでもファロット一家大好きです！
クリスマスと言えばサンタさんですが、最近猫耳つきのサンタさんの帽子が売られているのを発見したので・・・少し気になります。
いつもありがとうございます。新しい環境というのは怖くもありますが、楽しみです♪
それでは、御身体に気をつけてくださいませ。 by フィア

フィア様
こんばんは（＾＾）あー、勉強道具に触れたくない気分、分かります（笑）私は大学入学してから卒業するまで、そんな感じでした（コラ）体調はもう大丈夫です！　加湿器を買ってから、喉を痛めることも少なくなりました（＾＾）湿度って大事なんですね～（笑）
猫耳サンタですって？！　何その萌えコス！！（コラ）だって想像してみて下さい。シェラやソナタやカノンが猫耳サンタですよ？？？！！！　しかもミニスカ（笑）あー、興奮する！！（笑）着せたいな、着せたいな（笑）無表情且つ無言でシェラの太腿をさわさわしている変態ヴァンツァーと、鼻血を堪えている純情青年キニアンと、トナカイコスしてソリ代わりになってソナタを抱き上げるライアン。そんなクリスマス（笑）
こちらこそ、いつも元気を分けていただいて、ありがとうございます。きっと、たくさんの素晴らしい出会いがありますよ！！（＾＾）元気に冬を越えましょう！！


２０：３４　ひやー、Marmaladeとか読みたいですう。だって、題名
から”明るいハッピーエンド”って感じだし！
ぜひぜひ、お願いします！ by みみ

みみ様
こんばんは（＾＾）わー、『Marmalade』ですか（笑）懐かしいけど、あれは他版権作品のキャラが出てくるんですよ。えぇ。『銀河英雄伝説』っていう小説なんですけどね。田中芳樹唯一の完結した名作と言われる作品ですねぇ・・・キャラを使いたかっただけなのでご存知なくても読めないことはないですけど、しかも、あんまりハッピーでもないかも知れません（＾＾；）書いてる時期に橘がちょっぴり病んでたので、カノンもシェラも引きずられていたような記憶がありますあはは（笑って誤魔化す）他版権作品キャラが出るので、ダイジェストも載せてなかったですね。確か。
基本的に橘の書くものは『ハッピーになる予感がするエンド』的なお話なので、途中で痛いことがあってもラストは幸せな感じがしなくもない作品になっています。他版権作品のキャラがいても大丈夫！　ということであれば、再掲載考えてみたいと思います・・・って、そんな出し惜しみするようなご大層なモノでもないですけど（笑）いっそ全部再掲載とかしてもいいんですけどね（笑）


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。忘年会終わったんですけど、もう年忘れていいですかね？（ダメです）だって、あと楽しみなんて全日本フィギュアくらいじゃん。年末はうちの怪獣天使の子守です。可愛いんだけど、泣くと手がつけられないんだな（笑）妹夫婦が３０日まで仕事なのでね。保育園は２８日までだそうです。問題は、寝グズが酷いってことだけなんですけど・・・まぁ、放置しておくと疲れて寝るので（コラ）ちびすけは、寝るときにママのおっぱいを触って安心して寝るみたいなんですけど、私の胸だとちいさくて不満らしいんですよねぇ・・・保育園でも、胸の大きい先生じゃないと嫌がるんだってさ。いや、EとかFとか、普通ねーよ・・・どこのエロオヤジだ、おまい・・・女の子だけど。まぁ、そんなこんなで今年もあと３週間あまり。元気に過ごしましょう！！

２０：１１　気長にお待ちしています！　あと、現在非公開になっている
記念小説はどんな時期に公開されるのでしょうか？
読みたい～。 by みみこ

みみこ様
こんばんは（＾＾）非公開作品についてですが、たとえば○○周年記念やクリスマス記念のプレ企画など、お祭り騒ぎをしたいときや、橘が更新に困ったときに（コラ）１つ選んで公開することがあります。公開作品はランダムですね。ただ、他版権作品キャラが出たり、その他事情があるものについては公開しないこともあります。今のところ、クリスマス記念が書けるか分からないので、何か再掲載するかも知れませんねぇ。何かお読みになりたいものとかありますか？（＾＾）


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。お腹空きました（コラ）ちゃんとフィギュア見ながらパスタ食べたんだけどなぁ・・・日記書くのに頭使ったからかなぁ。とりあえず、今日はちびすけのお遊戯会だったのですが、黒猫になったちびすけが可愛すぎてどうしようかと思いました。耳つき帽子はもちろん、尻尾まであった。やはり、仔猫コスというのは最高の萌えですな（コラ）