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街中で手を繋いで歩いているというのに、隣の彼氏はさっきからチラチラチラチラ、すれ違う女性の姿ばかりを追っている。
端正な容貌に長身の彼氏なので、女性の方もチラチラこちらを見てくる。

──むか。

自分は間違ってない。
デート中に他の女に目を遣るという最悪な男がいけないのだ。

「そんなに可愛い女の子がいるの？」

なので、頬を膨らませて睨んでやった。
きょとん、とした顔で新緑色の瞳が見下ろしてくるが、そんな純粋そのものの瞳で騙されてなんてやらないんだ、とカノンは目に力を入れた。

「何してんの？」
「え？　何って？」
「さっきから、チラチラチラチラ」
「え、何が？」

目をぱちくりさせている彼氏の自覚のなさに、余計に腹が立ってきた。

「さっきから女の子ばっかり見てる」
「女の子・・・？──あぁ、やきもち？」
「違う！　馬鹿！」
「じゃあ何？」
「何はこっちの台詞だよ！」
「別に何でもないけど」
「何でもなくてあっちこっちの女の子に色目使うわけ」

あーそうなんだ、アリスってそういう人なんだ、とそっぽを向けば、「使えないし」という呟きが落ちてきた。

「使えたらとっくに使ってるよ、そんなもん・・・」

誰に、なんて確認するまでもない。

「今使ってんじゃん」
「はぁ？　どこがだよ」
「だったら何で、ずっと女の子ばっかり見てるの？！」

公衆の面前でブチ切れそうになっているカノンに、キニアンはしみじみと言ったものだ。

「いや、やっぱりお前可愛いなぁ、と思って」
「・・・・・・・・・は？」
「ん～。確かに見てたかも知れない。だって、誰見てもお前が一番可愛いからさ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

とても真面目な青年なので、非常に真面目な様子で話をしている。
きっと、彼は思ったまま、感じたままを口にしただけで、まったくこれっぽっちも他意はないのだ。
菫色の瞳を真ん丸にしているカノンに、キニアンは目に入るところを歩いている女性に視線を向けて、「うん」と頷いた。

「同じ服着たら、絶対お前の方が似合うと思うんだ」
「・・・・・・」
「ワンピースは見たことあるけど、フリルのついたブラウスにAラインのスカートだって、お前ならたぶん似合うよ」
「・・・・・・」
「あー、いや、でも、ゴスロリはピンクより黒派だな、俺は」

何派とか聞いてないし、と思ったカノンだったけれど、とりあえず感じたことを言ってみた。

「──何で全部女装なわけ？」
「嫌いだっけ？」

即座に返されて、言葉に詰まる。

「・・・き、嫌いじゃないけど」
「好きだろう？　可愛い格好」
「好きだけど・・・」
「じゃあいいじゃん」
「・・・・・・」

何なんだ、アリスのくせに、と眉を寄せたカノンである。
何でアリスが主導権を握ってるみたいなことになってるんだ、と唇を尖らせ、ツン、と顎を逸らしてみた。

「着て欲しいわけ？」
「そういうわけじゃないけど、着たらたぶん似合うよって話」
「当たり前じゃん。そりゃ似合うよ、ぼく可愛いんだから」
「うん。だからそう言ってる」
「・・・・・・」

何だろうか、この敗北感は。
アリスごときに敗北するなんて許せない。
胸まで反らしてふんぞり返ったカノンは、女王が家臣に命じるように告げた。

「買い物つきあって」
「そのつもりだけど」
「荷物持ちだからね」
「何を今更・・・」

呆れた口調になった彼氏に、カノンは闘志を燃やした。

──アリスなんか、めろめろにしてやる！！



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うん。それこそ今更だけどね。
ん～。自覚しないキニアンは、もしかすると最強なのかも知れません。大学生くらいかな。これくらいデキるキニアンだと、もう少し成長しているかも知れませんが・・・。

１９：５１　ファロット一家+αの夏休み、楽しく読みました。みんなラブラブで(今時言わないかしら)、ハッピーで、少しお裾分けして欲しいくらいでした ・・・と書いて下さった方。

こんばんは。ありがとうございます。楽しんでいただけるのが一番嬉しいです（＾＾）そう、らぶらぶではっぴーなんです♪（笑）書いている私も、読んでいる人も、みんな幸せになれるお話を書こうと思って、楽しんで書かせていただきました。みんな可愛くて、幸せそうで、元気を分けてもらいました。・・・って、私の話ばかりですが・・・（＾＾；）
幸せな気持ちになったら、誰かにちょこっとお裾分けすると、それがめぐりめぐって自分のところに帰ってくると思っているので、元気があるうちに誰かに分けようと思います（笑）


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。──お前らみんな、俺が幸せにしてやる！！（笑）言ってみたかっただけ（コラ）楽しんでいただけておりますでしょうか・・・？
なんかもう最近、ここまではっちゃけた子たちを書いていると、人に気に入られるとかどーでも良くなってきてます。まずは自分が楽しくなきゃ、人を楽しませることなんてできねーぜ。あとは、自分が楽しく書いたもので、楽しんでもらえるかどうか。それだけ。愛せないなら通り過ぎろ、ってニーチェが言ってたもん。

でも、みんなが幸せになれたら、それが一番いいな～（＾＾）

００：４０　とっても楽しい夏休みをおくっているファロット一家。読んでいるこちらも思わず楽しくなってしまいます。いいなぁ。 ・・・と書いて下さった方。

こんばんは。楽しんでいただけているようで、良かったです（＾＾）私が海に行ったのはもう何年も前なので、あまり記憶がありませんが・・・（笑）彼らの楽しそうな雰囲気に、私も楽しくなりました。長いお話を書くのも良いのですが、こういうさらっと読めるのもいいなぁ、と自分で思っています（笑）暑い夏ですが、どうぞ熱中症に気をつけてお過ごし下さい（＾＾）


２３：３０　５周年おめでとうございます♪
随分、遅くなってしまいました・・・m(_　_)m
５年っていう時間の厚みは、すごいなぁって思います。継続するのは大変ですが、これからもよろしくお願いします！
『ファロット一家＋αーの夏休み』では、海で、水着で、シェラがツインテールで！シェラのツインテールは犯罪級です♪そして、ヴァンツァーがカッコいいセリフを！でも、ピーマンが(笑)罰ゲームも(笑)とても楽しんで読ませていただきました。
私は海とか行かなかったのですが、とても夏気分になりましたよ(*^^)v
暑さはまだ続きそうですね・・・。御身体に気をつけてお過ごしくださいませ。それでは。 by フィア

フィア様
こんばんは。お祝いのお言葉、ありがとうございます。ね～。５年もお馬鹿な話書いてるんですよ、私（笑）いや、昔はもうちょっと真面目なこと書いてた気がしますが・・・でも、書けば書くほど楽しくなっていって・・・立派な中毒です（笑）病気なので、しばらくやめられないと思います（笑）
ふふふ。シェラのツインテール、絶対可愛いですよね！　ボンボンのついたゴムとかで留めてるとなお良し！（笑）ヴァンツァーは、めちゃくちゃかっこいいと思わせた次の瞬間、「おいぃぃぃ！！」って突っ込みが入るようなのがいいなぁ～、と思って、ああなりました（笑）かっこいいだけでいられないところが、彼の魅力だと思うことにしました（笑）
私も海にはここ数年行ってませんが、確かに書いているだけで夏気分になりました。あの一行が海に行ったら騒がしくて大変だと思うので、プライヴェートビーチでいちゃいちゃしてる彼らを岩場の影から覗くのもいいなぁ～、なんて思ったり（コラ）
台風が過ぎたら、また暑さが戻ってきてしまいました・・・昼間のクーラーは送風機です・・・フィア様も、どうぞご自愛下さいませ～（＾＾）


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。ちなみに、今回のビーチバレー対決、書いてて一番楽しかったです。だってキニアンが可愛いから（笑）あの子ほんっとに可愛くて、どうしてくれようかと思っています（←どうもするな）ライソナもいつもよりたくさん書けてるし、ソナタの笑顔と元気さに癒されてます。完全に俺得で書いてる話ですが、皆様にも楽しんでいただけているようで何よりです（＾＾）

休みもミニ企画もあとちょっとですが、暑さに負けないように頑張りま～す。