小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
全日本、終わりました。年内のフィギュア、見納め。世界選手権の出場選手も決まりました。みんな、頑張れ。
コヅ、おめ。でもやっぱり猫ジャッジのせいで、本人不満そうでしたね。点数出たとき、喜んでいいのか、「やりすぎだろ、オイ・・・」って顔してたもんなぁ・・・可哀想に。点出しすぎだよ。150行くかどうかでしょ。殿がまだだからか、爆上げしやがって。160出しておけば、SPの貯金がある分、他の選手は170以上必要になるからね。出せねーよ(笑)
150でも暫定1位になるんだからさぁ・・・そういう、かなたんみたいに「アイドル作りましょ」みたいなのやめたら? コヅはすごく真面目で、自分の力をよく分かってるから、爆上げされた点数を喜んだりはしませんが、本人が納得できない勝ち方って意味あるの? 本人にまったく責任のないドーピングと変わらんよなぁ・・・可哀想に。
よく見たら昨日の真央たんのアクセルは、DG取られるのを気にして回りすぎたのか、前向きで跳んで前向き着氷という意味で4回転近く跳んでますね・・・いやいや、男子でも跳ばんよ(笑)だから着氷時にフリーレッグが氷に触ったのか。ループのアンダーローテの意味が分かりませんが・・・まぁ、男子のテクニカルパネルにアマノがいたという時点で、やるかとは思ったけどな。さすがにあの跳びすぎ3AはDG出来ねーもんなぁ(笑)そして、ビールマン回りすぎね(笑)その分ツイズル復活させられそうだなぁ。わくわく。
でも、昨日のはみき様のSPのが良かったとは思うけど、真央たんのジャンプ構成は、完璧に入るとジャンプだけで24点とかいうよく分からない点数になります。みき様は3Lz-3Loを跳んで19.5。かなたんは16.6。あはは、笑える点差だな。男子と同じプログラム構成だもんな。SPにルッツ入れたらまるっきり男子だ。さすがにみき様が真央たんのことを「彼女は別格。ミスなく滑れば誰も勝てない」と仰るわけです。
まぁ、真央たんもみき様も、ふたりとも神だからな。天才が挑戦をやめないと神になる、という良い例ですね。そこから『重力無視』のアビリティが入ると、宇宙人になれます。たとえば、真央たんが3A-3T跳んだり、みき様が4S跳んだり。そういうの。たぶん、宇宙人になる日も近いと思う。
そして、女子FS。
あっこちゃん、調子が良くない中、よく転倒せずに纏めたね。素晴らしい。世界選手権は行けなかったけど、私はあっこちゃんとみき様と真央たんに行って欲しかったなぁ。四大陸には行ってくれるかな? また見たい!! あっこちゃんの演技は、何度でも見たいと思わせてくれる素敵な演技です。魂入った演技って、何度でも見たいと思えるんだよね。しかし、世界ランク2位の選手を代表から落とす意味が分からん。ファイナルだって、誰が表彰台に乗るべきだったか、見てりゃ分かるだろうが・・・。スケ連もテレビ局も、ほんと最悪。
大庭さんが凄過ぎて目が離せなかった。2A-3Loですか? ちょっとレヴェルが高いですよ、これは! セカンドに3Loってナンデスカ? ジュニアすげー(笑)何より、跳ぶ前に構えないのね。身体が沈み込んだり、跳ぶぞ、という前動作がないから本当に美しい。スケーティング自体も綺麗。体操をやっていたらしいので、重心の取り方が巧いんだろうな。これは、4年後が楽しみ過ぎる。100点あげたっていいじゃん。
かなたんすごー。ジャンプノーミスですか。最初の3T、ファーストの軸がズレたけど、よく着氷したね。セカンドに繋げたのがすごいわ。跳ぶんだ、という気迫がありました。素晴らしい演技でした。フリップ上手くいって良かったなぁ~。いつもフリップかアクセルで不安があるからね。すごい、すごい。その勢いでスケート楽しんで下さい。
真央たん、3A決めた!! ルッツも決めた!! 素晴らしい!! 最初に3A決めた時点で2個目は2Aにしてくるだろうと思いましたが、そんなこたどーでもいいんですよ。落ち着いて演技できれば、それでいいんです。サルコウがちょっと惜しかったけど、美しかったー。あー、神がいた!! 神が降りた!! 泣けた!! あぁ、なんて素晴らしい演技!! こんなに強くて美しいなんて、あーーーー、嬉しい! 演技後の笑顔がまた嬉しい。フィニッシュのポーズしてるときの「えへへ」って感じの笑顔が。あー、出来たぁー、って感じの笑顔が、良かったです。
また、リサたんが綺麗ね。顔も美人さんですが、演技が美しい。昨日のSPはびびったね。3S-3Tって、3T-3Tより難しいのよねー。今季からトゥループと0.1しか点数変わらなくなってしまいましたが、去年までは0.5点違った。14歳で跳んでくる、という。アナウンサーがインタビューで「私ってオバサンですか?」とか馬鹿なこと訊いてたのがホント頭悪くてびっくりしたけど。さすが蛆テレビ。
さすがにかなたんと真央たんのほぼノーミス演技のあとでは滑りづらかろうが、2A-3Tはよく決めたね。この子は着氷後にも流れがあるのよね。すごく滑りが丁寧で、そこが見ていて気持ちが良い。元気があるのと粗いのは違うのよ。氷ガツガツ言わせちゃいけないんです。これからが楽しみです。また妖精さんを見つけました。
そして、みき様・・・みき様、神でした・・・泣いた、泣いたよ。そう。130なんて軽く超えていい演技ですよ。なんでファイナルであの点数が出ないんだよ。おかしいだろ。あぁ、なんて強いひとなんでしょう。本当に強くて、美しくて、日本は八百万の神様がいる国なので、フィギュアスケートのリンクにそのうちの数名降臨されても全然おかしくないですよ。あー、すげー。今季のプログラムは、ちょっとモロゾフを見直してやってもいいかな(何様)と思うくらい、良いプログラムですね。選手に幅を与えるプロです。モロってデキる子だったんじゃん。あー、それにしても、すごかった。女性の強さと、美しさと、しなやかさと、そういうのが全部入ったプログラム。当然の結果でございました。あー、すごい。
コヅ、おめ。でもやっぱり猫ジャッジのせいで、本人不満そうでしたね。点数出たとき、喜んでいいのか、「やりすぎだろ、オイ・・・」って顔してたもんなぁ・・・可哀想に。点出しすぎだよ。150行くかどうかでしょ。殿がまだだからか、爆上げしやがって。160出しておけば、SPの貯金がある分、他の選手は170以上必要になるからね。出せねーよ(笑)
150でも暫定1位になるんだからさぁ・・・そういう、かなたんみたいに「アイドル作りましょ」みたいなのやめたら? コヅはすごく真面目で、自分の力をよく分かってるから、爆上げされた点数を喜んだりはしませんが、本人が納得できない勝ち方って意味あるの? 本人にまったく責任のないドーピングと変わらんよなぁ・・・可哀想に。
よく見たら昨日の真央たんのアクセルは、DG取られるのを気にして回りすぎたのか、前向きで跳んで前向き着氷という意味で4回転近く跳んでますね・・・いやいや、男子でも跳ばんよ(笑)だから着氷時にフリーレッグが氷に触ったのか。ループのアンダーローテの意味が分かりませんが・・・まぁ、男子のテクニカルパネルにアマノがいたという時点で、やるかとは思ったけどな。さすがにあの跳びすぎ3AはDG出来ねーもんなぁ(笑)そして、ビールマン回りすぎね(笑)その分ツイズル復活させられそうだなぁ。わくわく。
でも、昨日のはみき様のSPのが良かったとは思うけど、真央たんのジャンプ構成は、完璧に入るとジャンプだけで24点とかいうよく分からない点数になります。みき様は3Lz-3Loを跳んで19.5。かなたんは16.6。あはは、笑える点差だな。男子と同じプログラム構成だもんな。SPにルッツ入れたらまるっきり男子だ。さすがにみき様が真央たんのことを「彼女は別格。ミスなく滑れば誰も勝てない」と仰るわけです。
まぁ、真央たんもみき様も、ふたりとも神だからな。天才が挑戦をやめないと神になる、という良い例ですね。そこから『重力無視』のアビリティが入ると、宇宙人になれます。たとえば、真央たんが3A-3T跳んだり、みき様が4S跳んだり。そういうの。たぶん、宇宙人になる日も近いと思う。
そして、女子FS。
あっこちゃん、調子が良くない中、よく転倒せずに纏めたね。素晴らしい。世界選手権は行けなかったけど、私はあっこちゃんとみき様と真央たんに行って欲しかったなぁ。四大陸には行ってくれるかな? また見たい!! あっこちゃんの演技は、何度でも見たいと思わせてくれる素敵な演技です。魂入った演技って、何度でも見たいと思えるんだよね。しかし、世界ランク2位の選手を代表から落とす意味が分からん。ファイナルだって、誰が表彰台に乗るべきだったか、見てりゃ分かるだろうが・・・。スケ連もテレビ局も、ほんと最悪。
大庭さんが凄過ぎて目が離せなかった。2A-3Loですか? ちょっとレヴェルが高いですよ、これは! セカンドに3Loってナンデスカ? ジュニアすげー(笑)何より、跳ぶ前に構えないのね。身体が沈み込んだり、跳ぶぞ、という前動作がないから本当に美しい。スケーティング自体も綺麗。体操をやっていたらしいので、重心の取り方が巧いんだろうな。これは、4年後が楽しみ過ぎる。100点あげたっていいじゃん。
かなたんすごー。ジャンプノーミスですか。最初の3T、ファーストの軸がズレたけど、よく着氷したね。セカンドに繋げたのがすごいわ。跳ぶんだ、という気迫がありました。素晴らしい演技でした。フリップ上手くいって良かったなぁ~。いつもフリップかアクセルで不安があるからね。すごい、すごい。その勢いでスケート楽しんで下さい。
真央たん、3A決めた!! ルッツも決めた!! 素晴らしい!! 最初に3A決めた時点で2個目は2Aにしてくるだろうと思いましたが、そんなこたどーでもいいんですよ。落ち着いて演技できれば、それでいいんです。サルコウがちょっと惜しかったけど、美しかったー。あー、神がいた!! 神が降りた!! 泣けた!! あぁ、なんて素晴らしい演技!! こんなに強くて美しいなんて、あーーーー、嬉しい! 演技後の笑顔がまた嬉しい。フィニッシュのポーズしてるときの「えへへ」って感じの笑顔が。あー、出来たぁー、って感じの笑顔が、良かったです。
また、リサたんが綺麗ね。顔も美人さんですが、演技が美しい。昨日のSPはびびったね。3S-3Tって、3T-3Tより難しいのよねー。今季からトゥループと0.1しか点数変わらなくなってしまいましたが、去年までは0.5点違った。14歳で跳んでくる、という。アナウンサーがインタビューで「私ってオバサンですか?」とか馬鹿なこと訊いてたのがホント頭悪くてびっくりしたけど。さすが蛆テレビ。
さすがにかなたんと真央たんのほぼノーミス演技のあとでは滑りづらかろうが、2A-3Tはよく決めたね。この子は着氷後にも流れがあるのよね。すごく滑りが丁寧で、そこが見ていて気持ちが良い。元気があるのと粗いのは違うのよ。氷ガツガツ言わせちゃいけないんです。これからが楽しみです。また妖精さんを見つけました。
そして、みき様・・・みき様、神でした・・・泣いた、泣いたよ。そう。130なんて軽く超えていい演技ですよ。なんでファイナルであの点数が出ないんだよ。おかしいだろ。あぁ、なんて強いひとなんでしょう。本当に強くて、美しくて、日本は八百万の神様がいる国なので、フィギュアスケートのリンクにそのうちの数名降臨されても全然おかしくないですよ。あー、すげー。今季のプログラムは、ちょっとモロゾフを見直してやってもいいかな(何様)と思うくらい、良いプログラムですね。選手に幅を与えるプロです。モロってデキる子だったんじゃん。あー、それにしても、すごかった。女性の強さと、美しさと、しなやかさと、そういうのが全部入ったプログラム。当然の結果でございました。あー、すごい。
**********
「跳びたい!」
国内選手権の試合前、シェラはコーチにそう訴えた。
ミスの許されないショートプログラム。
定石から言えば、世界選手権の切符がかかったこの試合、確実に獲りに行かなくてはいけない。
練習では跳べているジャンプだから、あとは気持ちの問題。
試合で跳べるかも知れない。
だが、ここで失敗すれば世界選手権はほぼ絶望的。
ジャンプの修正には通常2~3年かかる。
それを、この半年間で練習では跳べるようになってきている超速度はさすがだが、早く終わればいいというものでもない。
頭で考えているものが身体に馴染むようになるまではまだまだ時間がかかるし、直すべきところは山積だ。
出来るだけ多くの舞台で実戦経験を積ませてやりたい思いもあるが、無理して世界選手権に出る必要もない。
それでも、本人が出たいと思っている以上、出来れば出してやりたい。
その切符を勝ち取るのは本人の力だが、それを後押しするのは自分の仕事だ、とヴァンツァーは考えていた。
「私は、土壇場に強いから。だから、大丈夫」
直前まで、アクセルは2回転にしろ、と言うつもりだった。
ダブルでも表彰台は十分に狙える。
だが、力強く輝く菫色の瞳を見つめ返し、ヴァンツァーは頷いた。
シェラは、とても嬉しそうな顔をした。
その、同じ笑顔を演技後にも見ることが出来た。
きっと、ダブルにしていたら、ノーミスの演技でもあの笑顔を見ることは出来なかったのだろう。
「よく跳ばせたな」
レティシアにそう言われ、ヴァンツァーは「まぁな」と返した。
「けど、あの笑顔、やっぱりイイな。本人が満足するのが一番だ」
「着氷が乱れたとはいえ、成功したから言えることだ」
「でも、お前は頷いた。お前も、それが一番だって思ってたんだろう?」
「あいつは単純だからな。ハイリスクだが、もし成功すれば波に乗る。誰も追いつけないほど高い場所に行く、大波に」
「成功したな」
「あぁ。だから、明日も跳ぶ」
「アクセル?」
「さすがに、後半のアクセルは2回転にさせる。トゥループは、つけられると思った方につければいい。それでも、あいつは勝てる」
誰に、というのではなく、彼女自身の戦いに、勝つことが出来る。
ヴァンツァーは、ちいさく笑った。
「──ほんと、あいつには毎回ヒヤヒヤさせられるよ」
「でも、期待を裏切られたことはない」
「ここぞ、というところでは、絶対にない」
言い切った男に、親友を自認する男は明るい笑顔を向けた。
「たぶん、不信感の塊のお前にそうやって信用させちまうのが、あのお嬢ちゃんの一番すごいところなんだろうな」
***
そして、世界選手権の出場者が決まるフリースケーティング。
最終グループの2番滑走だった、シェラは、1番滑走者がノーミスの演技をしたあとでも落ち着いていた。
冒頭の3アクセルを決めてから、一気に波に乗った。
本来ここをコンビネーションにする予定だったが、それは後半の2アクセルにつけることに決めた。
ルッツが入った時点で、もう勝利を確信したヴァンツァーだ。
サルコウは2回転になったが、そんなことはどうでもいい。
どのジャンプを見ても、練習通り歪みがなくなってきている。
やはりルッツのエッジはまだ完璧とはいかないが、それでも驚異的なスピードでジャンプの修正が進んでいる。
フランス杯からの成長が著しい。
正直、この短期間でここまで滑れるようになるとは思っていなかった。
どこまで伸びるのか、と背中が寒くなるような感覚に、ヴァンツァーは、フィニッシュのポーズを決めたシェラを見てちいさくガッツポーズをしたほどだ。
えへへ、と笑いながらリンクサイドに戻ってきたシェラ。
自然と労うように背中を叩いている自分に驚いたヴァンツァーだったが、シェラもびっくりしていた。
「ちゃんと出来てた、ってことだよね?」
そう首を傾げるシェラに、「あぁ」と返す。
「サルコウ抜けたけど・・・」
「だが、他は全部入った」
「──うん!」
嬉しそうに笑うシェラに、やはりつられるようにして唇を持ち上げた。
調子が狂うことには違いないが、それがそんなに嫌ではないらしい。
Kiss&Cryで得点を待つ間も、グランプリシリーズのように俯くばかりではない。
表示された得点に、ひとつ頷くシェラ。
今までの試合からすれば、飛躍的に伸びた得点。
暫定1位の結果は、残りの選手を見る限りほぼ確実に表彰台を狙える位置だ。
──これで、またひとつ前に進めた。
試合で結果を残せたという安心感もさることながら、その思いが強かった。
まだ、止まらない。
次へ進める。
それが、点数や結果より、何よりも良かった。
──もっと高く、もっと強く。
まだまだ、行ける。
そう、改めて心に刻んだシェラだった。
**********
シリル様も書きたいです。はい。
「跳びたい!」
国内選手権の試合前、シェラはコーチにそう訴えた。
ミスの許されないショートプログラム。
定石から言えば、世界選手権の切符がかかったこの試合、確実に獲りに行かなくてはいけない。
練習では跳べているジャンプだから、あとは気持ちの問題。
試合で跳べるかも知れない。
だが、ここで失敗すれば世界選手権はほぼ絶望的。
ジャンプの修正には通常2~3年かかる。
それを、この半年間で練習では跳べるようになってきている超速度はさすがだが、早く終わればいいというものでもない。
頭で考えているものが身体に馴染むようになるまではまだまだ時間がかかるし、直すべきところは山積だ。
出来るだけ多くの舞台で実戦経験を積ませてやりたい思いもあるが、無理して世界選手権に出る必要もない。
それでも、本人が出たいと思っている以上、出来れば出してやりたい。
その切符を勝ち取るのは本人の力だが、それを後押しするのは自分の仕事だ、とヴァンツァーは考えていた。
「私は、土壇場に強いから。だから、大丈夫」
直前まで、アクセルは2回転にしろ、と言うつもりだった。
ダブルでも表彰台は十分に狙える。
だが、力強く輝く菫色の瞳を見つめ返し、ヴァンツァーは頷いた。
シェラは、とても嬉しそうな顔をした。
その、同じ笑顔を演技後にも見ることが出来た。
きっと、ダブルにしていたら、ノーミスの演技でもあの笑顔を見ることは出来なかったのだろう。
「よく跳ばせたな」
レティシアにそう言われ、ヴァンツァーは「まぁな」と返した。
「けど、あの笑顔、やっぱりイイな。本人が満足するのが一番だ」
「着氷が乱れたとはいえ、成功したから言えることだ」
「でも、お前は頷いた。お前も、それが一番だって思ってたんだろう?」
「あいつは単純だからな。ハイリスクだが、もし成功すれば波に乗る。誰も追いつけないほど高い場所に行く、大波に」
「成功したな」
「あぁ。だから、明日も跳ぶ」
「アクセル?」
「さすがに、後半のアクセルは2回転にさせる。トゥループは、つけられると思った方につければいい。それでも、あいつは勝てる」
誰に、というのではなく、彼女自身の戦いに、勝つことが出来る。
ヴァンツァーは、ちいさく笑った。
「──ほんと、あいつには毎回ヒヤヒヤさせられるよ」
「でも、期待を裏切られたことはない」
「ここぞ、というところでは、絶対にない」
言い切った男に、親友を自認する男は明るい笑顔を向けた。
「たぶん、不信感の塊のお前にそうやって信用させちまうのが、あのお嬢ちゃんの一番すごいところなんだろうな」
***
そして、世界選手権の出場者が決まるフリースケーティング。
最終グループの2番滑走だった、シェラは、1番滑走者がノーミスの演技をしたあとでも落ち着いていた。
冒頭の3アクセルを決めてから、一気に波に乗った。
本来ここをコンビネーションにする予定だったが、それは後半の2アクセルにつけることに決めた。
ルッツが入った時点で、もう勝利を確信したヴァンツァーだ。
サルコウは2回転になったが、そんなことはどうでもいい。
どのジャンプを見ても、練習通り歪みがなくなってきている。
やはりルッツのエッジはまだ完璧とはいかないが、それでも驚異的なスピードでジャンプの修正が進んでいる。
フランス杯からの成長が著しい。
正直、この短期間でここまで滑れるようになるとは思っていなかった。
どこまで伸びるのか、と背中が寒くなるような感覚に、ヴァンツァーは、フィニッシュのポーズを決めたシェラを見てちいさくガッツポーズをしたほどだ。
えへへ、と笑いながらリンクサイドに戻ってきたシェラ。
自然と労うように背中を叩いている自分に驚いたヴァンツァーだったが、シェラもびっくりしていた。
「ちゃんと出来てた、ってことだよね?」
そう首を傾げるシェラに、「あぁ」と返す。
「サルコウ抜けたけど・・・」
「だが、他は全部入った」
「──うん!」
嬉しそうに笑うシェラに、やはりつられるようにして唇を持ち上げた。
調子が狂うことには違いないが、それがそんなに嫌ではないらしい。
Kiss&Cryで得点を待つ間も、グランプリシリーズのように俯くばかりではない。
表示された得点に、ひとつ頷くシェラ。
今までの試合からすれば、飛躍的に伸びた得点。
暫定1位の結果は、残りの選手を見る限りほぼ確実に表彰台を狙える位置だ。
──これで、またひとつ前に進めた。
試合で結果を残せたという安心感もさることながら、その思いが強かった。
まだ、止まらない。
次へ進める。
それが、点数や結果より、何よりも良かった。
──もっと高く、もっと強く。
まだまだ、行ける。
そう、改めて心に刻んだシェラだった。
**********
シリル様も書きたいです。はい。
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