小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
拍手をいただいているのですが、もしかしてみなさんもう拍手SSがアップされていると思われているのでしょうか・・・? だとしたらごめんなさい、まだです(笑)普通に拍手いただけているのなら嬉しいのですが、期待して拍手して古いままって申し訳ないので、一応注意書きとして。アップしたら、これでもか! というくらいここでアピりますので(笑)
事務所の移転準備でだいぶ疲れました・・・不安しかないんですが、まぁ、今更言っても仕方ないし。キニアン、頑張って私を癒しなさい(コラ)
事務所の移転準備でだいぶ疲れました・・・不安しかないんですが、まぁ、今更言っても仕方ないし。キニアン、頑張って私を癒しなさい(コラ)
**********
「──触ってもいいか?」
と、若干きつめながら端正な容貌の青年に言われたら。
女の子であれば舞い上がってしまっても仕方ない。
麗らかな日差しが入り込むリビングは明るく、時折吹く風がカーテンを揺らす。
青年は細身の長身、陽光に透ける茶色の髪と若葉の色をした瞳の、美青年というよりはハンサムな部類に入る容貌。
青年の前には、光沢のある金髪をベリーショートにした褐色の美女。
紺碧の海を思わせる瞳を真ん丸にして、青年の翡翠色の瞳を見つめ返している。
「・・・アー君・・・ごめん、おれにはソナタちゃんという可愛い奥さんが」
「──何の話だ」
がっくりと項垂れて頭を抱えた青年・キニアンに、金髪美女──にしか見えない美青年・ライアンは、「え、だって」と目をぱちくりさせた。
「おれといちゃいちゃ」
「するか!」
怖いこと言うな! と鳥肌を立てたキニアンに、ライアンはきょとん、とした顔になった。
「え、そうなの? お互いの身体触っていちゃいちゃ」
「なんであんたまで触るんだ! 俺が触りたいんだよ!」
言ってしまってから、はっとする。
「や、ち、ちがっ・・・そうじゃなくて・・・っ」
象牙色の肌を紅く染めて狼狽している姿があまりにも可愛くて、ライアンは碧眼を細めてくすくすと笑った。
「分かってるよ。アー君って、遊び甲斐あるよね~」
「・・・あんた結構性格悪いよな」
「心外だなぁ。おれはアー君のこと大好きなだけなのに」
「はいはい」
ため息を零す青年に、ライアンが悪戯っぽい瞳になって訊ねた。
「で、どこ触りたいの? 脚? 胸? お尻? 前はちょっと・・・」
恥らって股間を押さえる美人な青年に、
「腹だよ、腹!」
と声を荒げるキニアン。
普段の寡黙な青年はどこへやら。
また、心やさしく気の長い青年を怒らせるのは、実はとてもとても大変なことだった。
ただし、今も怒っているというよりは、驚きと呆れと恥ずかしさが一緒になって爆発してしまっただけなのだけれど。
「なぁ~んだ」と残念がった美人は、ちょっと唇を尖らせて青年を軽く睨んだ。
「アー君って、おれにだけ風当たり強くない?」
「・・・あんたが妙なことばかり言うからだろうが」
「あ、やっぱりおれだけ特別なんだ!」
「特別あんたがおかしいんだよ」
気づけよ、とばかりにぼやいた青年に、ライアンはにっこりにこにこと満面の笑みを浮かべた。
「・・・何で笑ってんだよ。褒めてないぞ」
「うん。いいんじゃない? アー君いい子だから、たまにはそうやって爆発させる相手がいたってさ」
「──あんた・・・」
まさかそこまで考えて、と目を瞠ったキニアンに。
「おれもデカい犬飼ったみたいで楽しいし」
「犬言うな・・・」
「わんちゃん?」
「言い方変えろって言ってるわけじゃないんだよ!」
あぁ、もう、疲れる・・・と肩を落とすキニアン。
そんな青年を見て、ライアンは実に愉快そうに笑った。
「あ~、やっぱり弟って可愛いんだろうなぁ」
「え?」
「おれ、上しかいないからさ。弟か妹がいたら、『お兄ちゃんウザい!』って言われるくらい構っちゃうだろうなぁ、と思ってさ」
「・・・・・・」
キニアンはひとりっ子なので、ライアンの気持ちが分からないではない。
ヴァンツァーは兄のようだし、シェラは姉のよう、ソナタは妹というよりはしっかりした弟といった感じかも知れない。
「だから、おれのカラダで良ければ好きなようにつか」
「腹でいいって言ってるだろうがっ」
何だよみんなして、俺が経験不足だからってからかいやがって、と。
ふてくされ気味な青年を見て、やはりライアンは愉しそうに笑った。
「なに? 腹筋割りたいの?」
「──どうして・・・」
「いや、分かるよ。アー君全部顔に出るし」
「・・・・・・」
「簡単だよ?」
「そ、そうなのか?!」
だって全然割れないんだ! と掴みかからんばかりの勢いになる青年。
「アー君、体脂肪率15%くらい?」
「・・・あんたまさか、そんなことまで見れば分かるのか?」
「まぁ、だいたい」
一瞬『こいつといたら健康診断いらないんじゃないか』と考えたキニアン。
直後、「よく言われる」と返ってきたので、やはり自分の考えていることは顔に出るらしい、と頬を押さえた。
「12%以下にすれば、誰でも腹筋割れるよ」
「──ほ、ほんとか?!」
「ほんと、ほんと」
「やっぱり運動だろう? ジョギングはしてるんだけど、これ以上落ちていかないんだよなぁ・・・」
しょんぼりするキニアンを横目に、ライアンの脳裏には公園の中で大型犬と並走したり、フリスビーで遊んだりしている自分の姿が思い浮かんで思わず吹き出してしまった。
当然、不思議そうな顔をされる。
「何だよ」
「あ、いや、うん、かわ・・・」
「かわ?」
「かわ・・・代わりに、泳ぐといいんじゃないかな?」
「泳ぐ?」
「うん。アー君、ジョギングってどれくらいしてるの?」
「10キロ」
「──10キロ?!」
思わず碧眼を瞠ったライアンだ。
「毎日?」
「週に半分以上は」
「結構頑張ってるねぇ・・・」
「身体動かすのは好きだからなぁ。でも、長距離ってちょっと苦手でさ」
「じゃあ、やっぱり水泳がいいんじゃないかな」
「水泳?」
「水泳の消費カロリーってすごく高いし、全身運動だから偏りなく綺麗にシェイプアップ出来るよ」
「プールか・・・」
近くに遊泳施設があったかな、と思案顔になるキニアンに、
「うちにあるじゃない」
とライアンはにっこり笑った。
「え?」
「ファロット邸には、競泳も出来る施設があるよ」
「あぁ、そういえば」
「おれもたまに使わせてもらってるし。──お兄ちゃんといちゃいちゃしながら泳げば?」
「──なっ!」
俺は断じてそんなこと考えてないぞ! と、真っ赤な顔になるキニアン。
「あぁ、えっちして消費するっていう手もあるなぁ」
「はぁ?!」
「結構消費カロリー高いんだよ? 1回で1時間ウォーキングするのと同じくらい」
「・・・・・・」
「本番より前戯に時間をかけるとなお良し」
「・・・・・・」
それなら頑張れるかも、とこっそり思っていたはずなのに、全部顔に出てしまう可愛くて可哀想な青年。
「まぁ、あとでトレーニングメニュー考えてあげるよ」
「ほんとか?!」
「うん。可愛い弟分のためだからね」
お兄さんに任せなさい! と胸を叩いた男に、キニアンはちょっと照れた様子でこう言った。
「あ・・・ありがとう・・・・・・お・・・」
お兄ちゃん、と。
『兄さん』でも『兄貴』でもなく、『お兄ちゃん』を選んだ理由を2時間くらいかけて聞き出したいところだが、とりあえず。
──・・・ムラッ。
どストレートなことを自覚しているライアンではあったけれど。
「うん、よし、じゃあ早速行こうか」
「え?」
「プール、プール」
「え、今から?」
「大丈夫だよ。ファロット邸のは温水だから」
「あぁ、うん」
「よし。さぁ行こう、今行こう、気が変わらないうちに行こう!」
そう言って、すごい力でぐいぐいキニアンの引っ張っていくライアン。
「え、あ、ちょっと!」
身長は自分の方がずっと高いのに、力では全然敵わなくて。
小走りになりながら遊泳施設へと引っ張っていかれたキニアンは、それから2時間あまり、何だか必要以上に熱い視線で熱心に指導してくれるライアンを、
──何だかんだ言って、いい奴だよなぁ。
と評価したのだった。
**********
いつか取って喰われるぞ、キニアン。
ライアンが鑑賞スキーでなかったら、たぶん10回くらい喰われてると思う。
・・・朝から何書いてんだ、おれ。
「──触ってもいいか?」
と、若干きつめながら端正な容貌の青年に言われたら。
女の子であれば舞い上がってしまっても仕方ない。
麗らかな日差しが入り込むリビングは明るく、時折吹く風がカーテンを揺らす。
青年は細身の長身、陽光に透ける茶色の髪と若葉の色をした瞳の、美青年というよりはハンサムな部類に入る容貌。
青年の前には、光沢のある金髪をベリーショートにした褐色の美女。
紺碧の海を思わせる瞳を真ん丸にして、青年の翡翠色の瞳を見つめ返している。
「・・・アー君・・・ごめん、おれにはソナタちゃんという可愛い奥さんが」
「──何の話だ」
がっくりと項垂れて頭を抱えた青年・キニアンに、金髪美女──にしか見えない美青年・ライアンは、「え、だって」と目をぱちくりさせた。
「おれといちゃいちゃ」
「するか!」
怖いこと言うな! と鳥肌を立てたキニアンに、ライアンはきょとん、とした顔になった。
「え、そうなの? お互いの身体触っていちゃいちゃ」
「なんであんたまで触るんだ! 俺が触りたいんだよ!」
言ってしまってから、はっとする。
「や、ち、ちがっ・・・そうじゃなくて・・・っ」
象牙色の肌を紅く染めて狼狽している姿があまりにも可愛くて、ライアンは碧眼を細めてくすくすと笑った。
「分かってるよ。アー君って、遊び甲斐あるよね~」
「・・・あんた結構性格悪いよな」
「心外だなぁ。おれはアー君のこと大好きなだけなのに」
「はいはい」
ため息を零す青年に、ライアンが悪戯っぽい瞳になって訊ねた。
「で、どこ触りたいの? 脚? 胸? お尻? 前はちょっと・・・」
恥らって股間を押さえる美人な青年に、
「腹だよ、腹!」
と声を荒げるキニアン。
普段の寡黙な青年はどこへやら。
また、心やさしく気の長い青年を怒らせるのは、実はとてもとても大変なことだった。
ただし、今も怒っているというよりは、驚きと呆れと恥ずかしさが一緒になって爆発してしまっただけなのだけれど。
「なぁ~んだ」と残念がった美人は、ちょっと唇を尖らせて青年を軽く睨んだ。
「アー君って、おれにだけ風当たり強くない?」
「・・・あんたが妙なことばかり言うからだろうが」
「あ、やっぱりおれだけ特別なんだ!」
「特別あんたがおかしいんだよ」
気づけよ、とばかりにぼやいた青年に、ライアンはにっこりにこにこと満面の笑みを浮かべた。
「・・・何で笑ってんだよ。褒めてないぞ」
「うん。いいんじゃない? アー君いい子だから、たまにはそうやって爆発させる相手がいたってさ」
「──あんた・・・」
まさかそこまで考えて、と目を瞠ったキニアンに。
「おれもデカい犬飼ったみたいで楽しいし」
「犬言うな・・・」
「わんちゃん?」
「言い方変えろって言ってるわけじゃないんだよ!」
あぁ、もう、疲れる・・・と肩を落とすキニアン。
そんな青年を見て、ライアンは実に愉快そうに笑った。
「あ~、やっぱり弟って可愛いんだろうなぁ」
「え?」
「おれ、上しかいないからさ。弟か妹がいたら、『お兄ちゃんウザい!』って言われるくらい構っちゃうだろうなぁ、と思ってさ」
「・・・・・・」
キニアンはひとりっ子なので、ライアンの気持ちが分からないではない。
ヴァンツァーは兄のようだし、シェラは姉のよう、ソナタは妹というよりはしっかりした弟といった感じかも知れない。
「だから、おれのカラダで良ければ好きなようにつか」
「腹でいいって言ってるだろうがっ」
何だよみんなして、俺が経験不足だからってからかいやがって、と。
ふてくされ気味な青年を見て、やはりライアンは愉しそうに笑った。
「なに? 腹筋割りたいの?」
「──どうして・・・」
「いや、分かるよ。アー君全部顔に出るし」
「・・・・・・」
「簡単だよ?」
「そ、そうなのか?!」
だって全然割れないんだ! と掴みかからんばかりの勢いになる青年。
「アー君、体脂肪率15%くらい?」
「・・・あんたまさか、そんなことまで見れば分かるのか?」
「まぁ、だいたい」
一瞬『こいつといたら健康診断いらないんじゃないか』と考えたキニアン。
直後、「よく言われる」と返ってきたので、やはり自分の考えていることは顔に出るらしい、と頬を押さえた。
「12%以下にすれば、誰でも腹筋割れるよ」
「──ほ、ほんとか?!」
「ほんと、ほんと」
「やっぱり運動だろう? ジョギングはしてるんだけど、これ以上落ちていかないんだよなぁ・・・」
しょんぼりするキニアンを横目に、ライアンの脳裏には公園の中で大型犬と並走したり、フリスビーで遊んだりしている自分の姿が思い浮かんで思わず吹き出してしまった。
当然、不思議そうな顔をされる。
「何だよ」
「あ、いや、うん、かわ・・・」
「かわ?」
「かわ・・・代わりに、泳ぐといいんじゃないかな?」
「泳ぐ?」
「うん。アー君、ジョギングってどれくらいしてるの?」
「10キロ」
「──10キロ?!」
思わず碧眼を瞠ったライアンだ。
「毎日?」
「週に半分以上は」
「結構頑張ってるねぇ・・・」
「身体動かすのは好きだからなぁ。でも、長距離ってちょっと苦手でさ」
「じゃあ、やっぱり水泳がいいんじゃないかな」
「水泳?」
「水泳の消費カロリーってすごく高いし、全身運動だから偏りなく綺麗にシェイプアップ出来るよ」
「プールか・・・」
近くに遊泳施設があったかな、と思案顔になるキニアンに、
「うちにあるじゃない」
とライアンはにっこり笑った。
「え?」
「ファロット邸には、競泳も出来る施設があるよ」
「あぁ、そういえば」
「おれもたまに使わせてもらってるし。──お兄ちゃんといちゃいちゃしながら泳げば?」
「──なっ!」
俺は断じてそんなこと考えてないぞ! と、真っ赤な顔になるキニアン。
「あぁ、えっちして消費するっていう手もあるなぁ」
「はぁ?!」
「結構消費カロリー高いんだよ? 1回で1時間ウォーキングするのと同じくらい」
「・・・・・・」
「本番より前戯に時間をかけるとなお良し」
「・・・・・・」
それなら頑張れるかも、とこっそり思っていたはずなのに、全部顔に出てしまう可愛くて可哀想な青年。
「まぁ、あとでトレーニングメニュー考えてあげるよ」
「ほんとか?!」
「うん。可愛い弟分のためだからね」
お兄さんに任せなさい! と胸を叩いた男に、キニアンはちょっと照れた様子でこう言った。
「あ・・・ありがとう・・・・・・お・・・」
お兄ちゃん、と。
『兄さん』でも『兄貴』でもなく、『お兄ちゃん』を選んだ理由を2時間くらいかけて聞き出したいところだが、とりあえず。
──・・・ムラッ。
どストレートなことを自覚しているライアンではあったけれど。
「うん、よし、じゃあ早速行こうか」
「え?」
「プール、プール」
「え、今から?」
「大丈夫だよ。ファロット邸のは温水だから」
「あぁ、うん」
「よし。さぁ行こう、今行こう、気が変わらないうちに行こう!」
そう言って、すごい力でぐいぐいキニアンの引っ張っていくライアン。
「え、あ、ちょっと!」
身長は自分の方がずっと高いのに、力では全然敵わなくて。
小走りになりながら遊泳施設へと引っ張っていかれたキニアンは、それから2時間あまり、何だか必要以上に熱い視線で熱心に指導してくれるライアンを、
──何だかんだ言って、いい奴だよなぁ。
と評価したのだった。
**********
いつか取って喰われるぞ、キニアン。
ライアンが鑑賞スキーでなかったら、たぶん10回くらい喰われてると思う。
・・・朝から何書いてんだ、おれ。
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