小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
4月1日はうちのヴァンツァーの誕生日。今年は忘れなかったけど、小ネタを書いている時間はないのでそれはまた今度ね。
今、頭の中は『ホストと花屋』設定のヴァンシェラで埋め尽くされています。
今、頭の中は『ホストと花屋』設定のヴァンシェラで埋め尽くされています。
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「──お嬢ちゃん、その時計売ってくんない?」
幼馴染の働く店に花を活けに来たシェラは、そんな風に話しかけられた。
金茶色の髪の、シェラの幼馴染に比べると小柄な青年だ。
大きめに開けられたシャツの襟からは、金鎖のネックレス。
3つも4つも開いているピアスが軽薄そうな印象を与えてくる青年ではあるが、意外と後輩の面倒見は良いらしい。
「え? これですか?」
少女のように華奢な手首につけるには、ちょっとゴツめの腕時計だ。
「うん、即金で100万出すぜ」
「──ひゃっ?!」
文字通り飛び上がったシェラは、ガタガタ震えながらつけているのとは反対の手で腕時計を擦った。
「な?」
可愛らしい笑顔を浮かべる青年に、シェラは真っ青な顔でふるふると首を振った。
「えー、じゃあ120出す」
「~~~~~っ!!」
もうほとんど泣いているシェラだった。
軽く編んだ銀の髪がパシパシと頬を叩くくらい、勢いよく頭を横に振っている。
「んー、じゃあひゃくご──」
──パコン。
「いてっ」
軽い音がして、金茶の頭を押さえる青年。
「馬鹿か、お前」
腰にくるような低音の美声。
艷やかな漆黒の髪に、青い瞳、白皙の美貌は女にもないような色気がダダ漏れている。
「何だよヴァッツ」
「おいシェラ、こいつには売るなよ」
長身の幼馴染を見上げたシェラは、慌てて腕時計を外した。
「か、返す!」
「は?」
「返す!」
きっちりと着こなしたスーツに押し付けるようにして時計を渡すと、藍色の瞳が思い切り嫌そうな表情を浮かべた。
「いらん。もう飽きた」
「じゃあヴァンツァーからレットさんにあげればいいでしょう?!」
「こいつにはやらん」
「わ、私そんな高いのもらえない!!」
じわっ、と菫色の瞳に涙を浮かべたシェラを見遣り、ヴァンツァーは幼馴染の天使のような顔の前に腕時計をぶら下げた。
そして。
「──うわわっ!!」
手を放すと、磨かれた床へと真っ逆さま──に落ちる前に、どうにか掴み取ることに成功したシェラだ。
「拾ったなら、責任持って自分で処分しろ」
「なっ! 今のは」
「俺はいらん。レティーにもやるな──いや、売るならさっきの5倍以上にしろ」
「ご──?!」
「まぁ、それでもお得だけどな」
「~~~~~っ!!」
どうすればいいのか分からず、泣きそうな顔で幼馴染を見つめ続けるシェラなのであった。
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ほんとはもっと書きたい。このヴァンツァー好き(笑)
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