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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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読みましたよ、本家『うっかりシェラたんとデレ期なヴァンツァー』(違)

皆さん、きっともう読んでますよね? 一応続きに隠しますか。



やっぱりデル戦は別格だな。ほんと面白いわ。最強ナシアス様と無自覚に急所を突くアランナ兄妹とか。バルロとロザモンドのツンデレ夫婦とか。ちょっと・・・だいぶズレてる国王と王妃とか。ウォル、大好きだよウォル! ほんと大好きだよ!!

だが、やはりヴァンツァーがデレたことにすべてを持っていかれたな・・・まさか、ナチュラルにそう来るとは思わなかったよ・・・そうか・・・何か、あれだな。私はたぶん、今、デル戦時代のヴァンツァー書けって言われたら書けないんですけど、茅田さんもそうなのかもな。失礼な意味じゃなくてね。月日を経て、馴染んだ感覚と、成長したキャラクターがあるから、あの当時の危うさとか、鋭さとか、悪い意味じゃなくてないんだよね。しかしまさか、あそこまでデレるとは・・・。原作でそれを読めた嬉しさと、やっぱりヘタレなのか、という残念さと。うん、ごめん。ヴァンツァーはヘタレ以外のなにものでもなかったよ。ほんとごめんなさい、うちの子並のヘタレだった。お前、そんなにシェラが好きか。いや、知ってるけど。

きっと、あの言葉は、あの顔で口にしたら殺し文句だと思うんだよ。最強の口説き文句だと思うんだ。なのに、何でヘタレるんだろう・・・? たぶん、その前後のマザコン描写がいけないんだろうなぁ・・・良かったでちゅねー、ママにお弁当作ってもらえてー。美味しくいただくんでちゅよー。

さて。そんな原作からの・・・。


**********

「──俺は、お前と出会うために生きていたんだな」

ふと呟かれた台詞に、周囲の人間はぎょっとして目を瞠った。
5人分の視線を一気に引き受けたヴァンツァーだったが、その端麗なまでの美貌は何だか感慨深げである。
言われた──というか、視線の方向から自分が言われたのだと判断したシェラは、眉を寄せ、何か胡散臭いものでも見るかのような眼つきで男を見た。

「・・・寝言は寝て言え」
「至って正気だ」
「なお悪いわ」

馬鹿かこいつは、とため息を吐いたシェラは、リビングに集まった面々にお茶を振舞っている。

「そう考えれば、すべて辻褄が合うんだ」
「知らん。勝手に思ってろ。口に出すな馬鹿が」
「お前は昔からそんな感じだったな」
「は?」

今にも夫婦喧嘩が勃発するのではないかと身構え──たのはキニアンだけで、他の3人は紅茶にジャムを入れて飲んでみたり、珈琲にはクッキーだろうか、チョコレートだろうか、とテーブルの上に並べられたお菓子にすべての意識を傾けている。

「手負いの獣みたいに、人の顔を見ると毛を逆立てて牙を剥いていた」
「・・・当たり前だろうが」

自分の命を狙うだけならまだしも、格下の相手だとナメてかかられて平気でいられるほど、シェラはプライドの低い行者ではなかった。

「そのくせ、俺の顔は好きでじっと見てきた」
「──はぁ?! どんな自意識過剰だ、貴様!!」
「だって好きなんだろう?」
「客観的に綺麗だと思うのと好ましいかどうかは、まったく別物だ!」
「でも、好きなんだろう?」
「・・・もう、いい・・・お前、喋るな」
「あの頃のお前は、とても可愛かった。ああ、いや、今がそうでないという意味ではなく」
「いいから喋るな!!」

ぶっ飛ばすぞ! と言いたかったのだが、子どもたちの彼氏がいる手前、それは少々憚られた。
けれど、多少の脅しでおとなしくなるような可愛い男なら、まったくもって苦労しないのだ。

「本当にからかい甲斐があって、こう、猫じゃらしで仔猫相手に遊んでいるような・・・」
「・・・喧嘩を売っているなら言い値で買うぞ」
「背後を取られたときの驚いた顔と、その後の悔しそうな顔がたまらなかった」
「・・・OK。分かった。とりあえず表に出ろ」

にこやかに笑みさえ浮かべているヴァンツァーと、対照的に般若のような表情になってしまったシェラを交互に見つめるキニアン。
他の3人は相変わらず「このクッキー美味しい」「それラング・ド・シャだよ」「何か違うの?」「ライアンってさ、甘きゃ何でもいいわけ?」などと、実に平和な会話を展開している。

「本当に、思ったんだ。『あぁ、このまなざしを向けられるために、生きていたんだな』と」
「・・・・・・」
「真っ直ぐに、俺だけを見つめる瞳。俺がなにものか知り、俺を俺として認識している眼・・・その上で、俺という存在を強く意識してくれる・・・お前の瞳に映っている姿こそが『俺』なのだと、そのとき分かった気がする」

今も、昔も、自分の存在は虚構であった。
あまりにも多くの人間を演じすぎ、また己という存在を意識することを許されずにいたから、その境は非常に曖昧であった。
むろん、演じ分けが出来ないだなどということはありえないが、はっきり言えば『すべて他者』だったのだ。
ファロット伯爵やレティシアにとっても、自分はなにものでも良かったはずだ。

「お前だけが、真っ直ぐに俺を見てくれる。──たぶん、それが嬉しかったんだ」

薄く微笑めば、シェラは苦虫を噛み潰したような顔になった。

「・・・あの頃のお前の嬉しそうな様子など、私は知らん」
「俺もよく分からなかった」
「・・・・・・」

大真面目に頷く男に、シェラは深々とため息を零した。

「昔のお前のことはよく分からんが・・・今のお前は、人生を謳歌しているように見える」
「実際している」
「そうか」

ふぅ、と息を吐き出したシェラは、どこか苦さの残る顔で微笑んだ。



**********

んー、何かもの足りないけど、眠いので途中ですが寝ます。加筆は気が向けば。しないと思うけど。
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