小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
見られないけど、みんな頑張れ~!!
キニアンも頑張れ~、ということで(笑)
キニアンも頑張れ~、ということで(笑)
**********
朝の冷え込みも厳しくなり、起きるのが辛くなる季節。
休日でもアラームを設定して寝ているキニアンだったが、『どうせ休みだし』と二度寝を決め込むことにした。
──もそ。
時計のアラームを止めて上掛けを引き上げようとし、何かが動く気配に『あぁ、カノンか』と納得してまた目を閉じた。
拾ってきた白猫は、昨夜寝るときになって自分もそこに入れてくれ、と訴えるように鳴いていた。
猫が寒がりというのは何となく知っていたので、キニアンは仔猫を潰さないよう、懐に抱いて寝ていたのだ。
──もそ。もそもそもそ。
はいはい、と布団の上からあやすように叩いてやろうとし、その異様な膨らみの大きさに跳ね起きた。
「──は?!」
起きた拍子に布団は捲れ、そこにいたモノに、キニアンは頭が真っ白になった。
銀色の髪に、抜けるように白い肌の──人間。
すやすやと健やかな寝息を立てて眠っている少年は、大層綺麗な顔立ちをしていた。
きめ細かい肌は惜しげもなく晒されていて、一糸纏わぬ少年の姿に、キニアンは思わず「え? 裸? 男? え? 俺???!!!」と自分の身体を見下ろした。
幸いというか何というか、彼自身は寝間着を身につけていたわけだが、『思い当たるフシ』があるかどうか、必死に頭を巡らせる。
──いやいや、待て待て、昨日は酒飲んでないし、ってかこいつどうやって人のベッドの中にいやいやそれより誰なんだこいつ??????
頭を掻き毟りながらバクバクおかしな拍動を刻んでいる心臓の音を耳元で聴き、手と脚が震えているのを摩って落ち着かせようとしている。
まずは状況を把握しよう、とじっと少年を見下ろしたキニアン。
カーテンの隙間から入り込んできた朝日にきらきらと輝く銀髪に、長い睫毛、通った鼻梁、ふっくらとした唇、薔薇色の頬。
見れば見るほど、素晴らしい美少年だ。
天使かも知れない。
しみも傷もひとつもない白い肌にふわふわの銀髪が触れているのがくすぐったそうだな、と指を伸ばしかけて、待て待て、と手を引っ込めた。
やましいところは何もないが、寝起きだし、健康な若者だし、やましい気持ちになってしまうかも知れない。
元来やさしい青年であるキニアンは、裸じゃ寒かろう、と布団をかけ直してやろうとし、呼吸に合わせて上下する胸から目が離せなくなってしまった。
自分が今まで付き合ってきたのは女の子ばかりだったが、男の裸を綺麗だと思い、しかも欲望らしきものを覚えている自分にびっくりしてしまった。
──だから待て待て!
こいつは誰なんだ、ということを確認しなければいけない。
しかし、すやすや眠っているから起こすのは忍びない。
──あれ、そういえばカノンは・・・?
白猫の姿が見当たらず、きょろきょろと室内を見回すが、やはりいない。
仔猫はいないし、知らない男は裸で寝ているし、何なんだこれは、と痛む頭を押さえたキニアンははっとした。
──そうか、分かった。
そういうことなら説明がつく。
万事解決だ。
何だそうだったのか、とほっと息を吐いたキニアンだった。
「何だ・・・────ただの夢か」
それならいいんだ、と寒そうな格好で寝ている少年に布団をかけてやるため、自分も再度ベッドに横になる。
「──アル~、ただいま~」
と、何の前触れもなく部屋のドアが開いて、キニアンは跳ね起きた。
「マリ──っ!!」
ばっ、と反射的に少年を布団で覆った。
「ちょ、なんっ、ノックくらいしろよ!」
「何言ってるのよ、あなた足音で気づくじゃない」
「聴こえなかったよ!」
テンパッてて、とは心の中で付け加えたキニアンに、彼の母であるマリアは「───耳、どうかしたの?」と可愛らしく首を傾げた。
「・・・どうもしない。早く出て行ってくれ」
「何それひどーい。ひと月ぶりなのに」
ぷんぷん頬を膨らませている少女のような母親に、キニアンは酷い頭痛を覚えた。
「あー、ごめんなさい。何でもいいから、とりあえず出て行って下さいお願いします」
頭を下げた息子に、マリアは訊いた。
「その前に、さっき何隠したの?」
「──か、隠してない!!」
「隠したわよ、布団で」
「隠してない、誰もいない!!」
「誰かいるのね?」
「い、いない!」
「だってあなた、『何もない』じゃなくて、『誰もいない』って言ったもの」
正直過ぎるのも損だということを体現したキニアン。
「っ、もう、頼むから出て──」
夢じゃないのかよ! と狼狽しているキニアンの横で、布団がもぞもぞと動いた。
──ぷはっ。
顔を出したのは絶世の美少年。
見上げてくる宝石のような瞳に、キニアンは息を止めた。
「なー?」
こてん、と首を傾げた少年は、次いでにっこり微笑むとキニアンの腰に抱きついた。
「──ちょっ!!」
ごろごろと頬を摺り寄せてくる少年を引き剥がそうと細い肩に手を置き、そのあたたかさにはっとする。
「あらー、可愛い男の子ね」
こういう子欲しかったわぁ、と頬を押さえるマリアに、キニアンは絶望的な顔になった。
「お、俺じゃない! 俺は潔白だ!!」
「何も言ってないけど」
「俺は何もしてない!!」
「いいわよ、別に男の子だって。この子可愛いもの~」
ふわふわの銀髪に手を伸ばすと、一瞬首を引っ込めた少年はじっとマリアの顔を見つめてきた。
そして、ほんの少し怯えた表情になると、ぐいっ、とマリアの手を押し退けたのである。
代わりに、きゅっ、とキニアンの腰に抱きつく。
「あらあら、ごめんなさいね。びっくりさせちゃったわね」
コロコロと鈴が鳴るような声で笑ったマリアに、キニアンは「だから」と言い訳を続けようとした。
「まぁ、あなたも年頃なんだし、別に相手が男の子でも構わないけど、自分だけ服を着てるっていうのは感心しないわよ?」
寒そうじゃないの、と顎に手を添えたマリアの前で、少年は「くしっ」とひとつくしゃみをした。
──少年は、真っ白な仔猫になった。
***********
まぁ、お約束ですけど。
ひたすらベタベタして甘え倒すカノンたん。何だこれは、キニアン救済か?
朝の冷え込みも厳しくなり、起きるのが辛くなる季節。
休日でもアラームを設定して寝ているキニアンだったが、『どうせ休みだし』と二度寝を決め込むことにした。
──もそ。
時計のアラームを止めて上掛けを引き上げようとし、何かが動く気配に『あぁ、カノンか』と納得してまた目を閉じた。
拾ってきた白猫は、昨夜寝るときになって自分もそこに入れてくれ、と訴えるように鳴いていた。
猫が寒がりというのは何となく知っていたので、キニアンは仔猫を潰さないよう、懐に抱いて寝ていたのだ。
──もそ。もそもそもそ。
はいはい、と布団の上からあやすように叩いてやろうとし、その異様な膨らみの大きさに跳ね起きた。
「──は?!」
起きた拍子に布団は捲れ、そこにいたモノに、キニアンは頭が真っ白になった。
銀色の髪に、抜けるように白い肌の──人間。
すやすやと健やかな寝息を立てて眠っている少年は、大層綺麗な顔立ちをしていた。
きめ細かい肌は惜しげもなく晒されていて、一糸纏わぬ少年の姿に、キニアンは思わず「え? 裸? 男? え? 俺???!!!」と自分の身体を見下ろした。
幸いというか何というか、彼自身は寝間着を身につけていたわけだが、『思い当たるフシ』があるかどうか、必死に頭を巡らせる。
──いやいや、待て待て、昨日は酒飲んでないし、ってかこいつどうやって人のベッドの中にいやいやそれより誰なんだこいつ??????
頭を掻き毟りながらバクバクおかしな拍動を刻んでいる心臓の音を耳元で聴き、手と脚が震えているのを摩って落ち着かせようとしている。
まずは状況を把握しよう、とじっと少年を見下ろしたキニアン。
カーテンの隙間から入り込んできた朝日にきらきらと輝く銀髪に、長い睫毛、通った鼻梁、ふっくらとした唇、薔薇色の頬。
見れば見るほど、素晴らしい美少年だ。
天使かも知れない。
しみも傷もひとつもない白い肌にふわふわの銀髪が触れているのがくすぐったそうだな、と指を伸ばしかけて、待て待て、と手を引っ込めた。
やましいところは何もないが、寝起きだし、健康な若者だし、やましい気持ちになってしまうかも知れない。
元来やさしい青年であるキニアンは、裸じゃ寒かろう、と布団をかけ直してやろうとし、呼吸に合わせて上下する胸から目が離せなくなってしまった。
自分が今まで付き合ってきたのは女の子ばかりだったが、男の裸を綺麗だと思い、しかも欲望らしきものを覚えている自分にびっくりしてしまった。
──だから待て待て!
こいつは誰なんだ、ということを確認しなければいけない。
しかし、すやすや眠っているから起こすのは忍びない。
──あれ、そういえばカノンは・・・?
白猫の姿が見当たらず、きょろきょろと室内を見回すが、やはりいない。
仔猫はいないし、知らない男は裸で寝ているし、何なんだこれは、と痛む頭を押さえたキニアンははっとした。
──そうか、分かった。
そういうことなら説明がつく。
万事解決だ。
何だそうだったのか、とほっと息を吐いたキニアンだった。
「何だ・・・────ただの夢か」
それならいいんだ、と寒そうな格好で寝ている少年に布団をかけてやるため、自分も再度ベッドに横になる。
「──アル~、ただいま~」
と、何の前触れもなく部屋のドアが開いて、キニアンは跳ね起きた。
「マリ──っ!!」
ばっ、と反射的に少年を布団で覆った。
「ちょ、なんっ、ノックくらいしろよ!」
「何言ってるのよ、あなた足音で気づくじゃない」
「聴こえなかったよ!」
テンパッてて、とは心の中で付け加えたキニアンに、彼の母であるマリアは「───耳、どうかしたの?」と可愛らしく首を傾げた。
「・・・どうもしない。早く出て行ってくれ」
「何それひどーい。ひと月ぶりなのに」
ぷんぷん頬を膨らませている少女のような母親に、キニアンは酷い頭痛を覚えた。
「あー、ごめんなさい。何でもいいから、とりあえず出て行って下さいお願いします」
頭を下げた息子に、マリアは訊いた。
「その前に、さっき何隠したの?」
「──か、隠してない!!」
「隠したわよ、布団で」
「隠してない、誰もいない!!」
「誰かいるのね?」
「い、いない!」
「だってあなた、『何もない』じゃなくて、『誰もいない』って言ったもの」
正直過ぎるのも損だということを体現したキニアン。
「っ、もう、頼むから出て──」
夢じゃないのかよ! と狼狽しているキニアンの横で、布団がもぞもぞと動いた。
──ぷはっ。
顔を出したのは絶世の美少年。
見上げてくる宝石のような瞳に、キニアンは息を止めた。
「なー?」
こてん、と首を傾げた少年は、次いでにっこり微笑むとキニアンの腰に抱きついた。
「──ちょっ!!」
ごろごろと頬を摺り寄せてくる少年を引き剥がそうと細い肩に手を置き、そのあたたかさにはっとする。
「あらー、可愛い男の子ね」
こういう子欲しかったわぁ、と頬を押さえるマリアに、キニアンは絶望的な顔になった。
「お、俺じゃない! 俺は潔白だ!!」
「何も言ってないけど」
「俺は何もしてない!!」
「いいわよ、別に男の子だって。この子可愛いもの~」
ふわふわの銀髪に手を伸ばすと、一瞬首を引っ込めた少年はじっとマリアの顔を見つめてきた。
そして、ほんの少し怯えた表情になると、ぐいっ、とマリアの手を押し退けたのである。
代わりに、きゅっ、とキニアンの腰に抱きつく。
「あらあら、ごめんなさいね。びっくりさせちゃったわね」
コロコロと鈴が鳴るような声で笑ったマリアに、キニアンは「だから」と言い訳を続けようとした。
「まぁ、あなたも年頃なんだし、別に相手が男の子でも構わないけど、自分だけ服を着てるっていうのは感心しないわよ?」
寒そうじゃないの、と顎に手を添えたマリアの前で、少年は「くしっ」とひとつくしゃみをした。
──少年は、真っ白な仔猫になった。
***********
まぁ、お約束ですけど。
ひたすらベタベタして甘え倒すカノンたん。何だこれは、キニアン救済か?
PR
この記事にコメントする