小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
まだまだ拍手をいただいているんです。うわー、ありがとうございます。更新して良かったー(笑)
もう更新してから1週間経つのでちょっと語りますと・・・あの話は、色々裏設定があるんです。ヴァンツァーは一応No.1なんですが、No.2がオーナーでもあるナシアス様だったり(笑)「まったく。不甲斐ないね、きみたちは」というナシアス様の嘆きが聞こえてきます(笑)No.3は順当にレティーだったり。黒服にキニアンがいたり(笑)そして、ヴァンツァーの客のひとりが、銀座のクラブの女帝・ジンジャー様だったり(笑)
キニアン書きたい気分なので、ほんのちょっと書いてみましょう。カテゴリは、キニアン出るのでファロット一家ですが、一応ホスクラ話かなぁ。どっちでもいいです(笑)
もう更新してから1週間経つのでちょっと語りますと・・・あの話は、色々裏設定があるんです。ヴァンツァーは一応No.1なんですが、No.2がオーナーでもあるナシアス様だったり(笑)「まったく。不甲斐ないね、きみたちは」というナシアス様の嘆きが聞こえてきます(笑)No.3は順当にレティーだったり。黒服にキニアンがいたり(笑)そして、ヴァンツァーの客のひとりが、銀座のクラブの女帝・ジンジャー様だったり(笑)
キニアン書きたい気分なので、ほんのちょっと書いてみましょう。カテゴリは、キニアン出るのでファロット一家ですが、一応ホスクラ話かなぁ。どっちでもいいです(笑)
**********
「──アル」
ちょっと来い、と。
店のNo.1であるヴァンツァーに控え室へと呼ばれたキニアンは、若干身を硬くして部屋に入った。
「失礼します・・・あの・・・俺、何か」
まずいことやりましたか? と、心配そうな顔になる青年。
雇われて半年。
最近はようやくシェイカーを振るのにも慣れたし、オーナーにも及第点をもらえる程度の酒とサービスは提供出来ているはずなのだけれど。
それでも、何か目につくところがあったのかも知れない。
不安で長身をちいさくしている青年に、ヴァンツァーは「何の話だ」と言って近寄った。
「この前、時計なくしたって言ってただろう?」
「──え? あ、はい」
それが何か? と首を傾げると、ヴァンツァーは持っていた腕時計をキニアンに渡した。
「やるよ、それ。この前まで俺が使ってたやつ」
新しいの買ったから、と言うヴァンツァーに、キニアンは目を瞠った。
「あ、ありがとうござ・・・」
います、と言おうとして時計に目を落とし、サァァァァっと頭から血の気が引いていくのを感じたキニアン。
ふらり、と倒れそうになるのを何とか堪えると、渡された時計をそのままヴァンツァーに押し付けるようにして返したのだった。
「何だ? 気に入らなかったか?」
「・・・そういう問題じゃありません」
「あぁ、まぁ、おさがりじゃ気分は良くないかも」
「そういうことでもありません」
「じゃあ何だ」
些かむっとした顔になる男に若干怯んだものの、キニアンは頑張って目に力を入れてこう言ったのだった。
「──オメガの時計なんて、もらえるわけないじゃないですか!」
そう。
ヴァンツァーがキニアンに渡したのは、NA○Aが過酷な宇宙空間で使う時計を選定する中で、市販品として唯一基準をクリアしてしまったほど高品質な時計だった。
その品質と性能は世界的に評価が高く──また、値段も高い。
しかし、ヴァンツァーはあろうことか、「何だそんなことか」と言い放ったのだった。
「いいよ、別に。もう使わないし」
「使わないって・・・」
「新しいの買ったから」
言われてヴァンツァーの腕に目を落としたキニアンは、「あっ」と緑の目を見開いた。
「そ、それドルガバのSANDPIPER!」
「よく知ってるな」
「かっこいいですよね!」
うわー、いいなぁ、と瞳をきらきらさせている青年に、ヴァンツァーは「こっちがいいのか?」と訊ねた。
「──は?! い、いえ、そういうことじゃなくて!」
「オメガは嫌いか?」
「いや、だからそういうことじゃ・・・」
「まぁいい。いらないなら、処分しておいてくれ」
「──は?!」
またもやキニアンに腕時計を渡すと、話はそれだけだ、と言ってフロアに戻ろうとするヴァンツァー。
「ちょっ、ヴァンツァー!」
慌てて追い縋るキニアンに、ヴァンツァーはため息を零して「だから何だ」と言った。
「も、もらうのも、捨てるのも出来ません!」
「は?」
「こんな高価なもの、俺がもらったり捨てたりなんて・・・」
「いいよ。もう使わないから」
「・・・・・・」
この人どんな金銭感覚してるんだろう・・・と胃が痛くなる思いのしたキニアン。
「・・・新しいのって、そのドルガバのですか?」
「あぁ」
「ドルガバの時計、俺もすごくかっこいいと思いますけど・・・でも、それ買ったらオメガの時計いらないって・・・」
「飽きっぽいのは自覚してる」
「・・・また、使いたくなるかも知れないじゃないですか」
「そうしたらまた買う」
「・・・・・・」
No.1ともなると、みんなこうなんだろうか・・・と胃を摩るキニアン。
「だって、オメガの時計って、ドルガバ5、6本買えるじゃないですか」
「それは10本くらいだな」
「──っ!」
余計もらえるわけない! と、いやに煽る心臓をどうしたらいいのか分からなくなった青年に、ヴァンツァーは軽く首を傾げたあと、ふ、と目元を緩めた。
普段全然表情が動かない男の微笑に、どきり、と先ほどとは違った意味で煽る心臓。
「他の奴だったら、やろうなんて思わない」
お前だからやるんだ、と。
女の客にすら見せない笑顔でそんなことを言うものだから。
「いらなかったら、処分してくれ。別に、お前の手から誰かにやっても」
「お、俺! 大事にします!!」
ぎゅっと腕時計を握りしめて必死な様子でそう言ってくる青年に、ヴァンツァーは「そうか」と返すと、軽く相手の肩を叩いて部屋を出ていった。
**********
ヴァンツァーは、気に入った相手には、無自覚でフェロモンばら撒いてればいい。
あー、キニアンは相変わらずくそ可愛いなー。
「──アル」
ちょっと来い、と。
店のNo.1であるヴァンツァーに控え室へと呼ばれたキニアンは、若干身を硬くして部屋に入った。
「失礼します・・・あの・・・俺、何か」
まずいことやりましたか? と、心配そうな顔になる青年。
雇われて半年。
最近はようやくシェイカーを振るのにも慣れたし、オーナーにも及第点をもらえる程度の酒とサービスは提供出来ているはずなのだけれど。
それでも、何か目につくところがあったのかも知れない。
不安で長身をちいさくしている青年に、ヴァンツァーは「何の話だ」と言って近寄った。
「この前、時計なくしたって言ってただろう?」
「──え? あ、はい」
それが何か? と首を傾げると、ヴァンツァーは持っていた腕時計をキニアンに渡した。
「やるよ、それ。この前まで俺が使ってたやつ」
新しいの買ったから、と言うヴァンツァーに、キニアンは目を瞠った。
「あ、ありがとうござ・・・」
います、と言おうとして時計に目を落とし、サァァァァっと頭から血の気が引いていくのを感じたキニアン。
ふらり、と倒れそうになるのを何とか堪えると、渡された時計をそのままヴァンツァーに押し付けるようにして返したのだった。
「何だ? 気に入らなかったか?」
「・・・そういう問題じゃありません」
「あぁ、まぁ、おさがりじゃ気分は良くないかも」
「そういうことでもありません」
「じゃあ何だ」
些かむっとした顔になる男に若干怯んだものの、キニアンは頑張って目に力を入れてこう言ったのだった。
「──オメガの時計なんて、もらえるわけないじゃないですか!」
そう。
ヴァンツァーがキニアンに渡したのは、NA○Aが過酷な宇宙空間で使う時計を選定する中で、市販品として唯一基準をクリアしてしまったほど高品質な時計だった。
その品質と性能は世界的に評価が高く──また、値段も高い。
しかし、ヴァンツァーはあろうことか、「何だそんなことか」と言い放ったのだった。
「いいよ、別に。もう使わないし」
「使わないって・・・」
「新しいの買ったから」
言われてヴァンツァーの腕に目を落としたキニアンは、「あっ」と緑の目を見開いた。
「そ、それドルガバのSANDPIPER!」
「よく知ってるな」
「かっこいいですよね!」
うわー、いいなぁ、と瞳をきらきらさせている青年に、ヴァンツァーは「こっちがいいのか?」と訊ねた。
「──は?! い、いえ、そういうことじゃなくて!」
「オメガは嫌いか?」
「いや、だからそういうことじゃ・・・」
「まぁいい。いらないなら、処分しておいてくれ」
「──は?!」
またもやキニアンに腕時計を渡すと、話はそれだけだ、と言ってフロアに戻ろうとするヴァンツァー。
「ちょっ、ヴァンツァー!」
慌てて追い縋るキニアンに、ヴァンツァーはため息を零して「だから何だ」と言った。
「も、もらうのも、捨てるのも出来ません!」
「は?」
「こんな高価なもの、俺がもらったり捨てたりなんて・・・」
「いいよ。もう使わないから」
「・・・・・・」
この人どんな金銭感覚してるんだろう・・・と胃が痛くなる思いのしたキニアン。
「・・・新しいのって、そのドルガバのですか?」
「あぁ」
「ドルガバの時計、俺もすごくかっこいいと思いますけど・・・でも、それ買ったらオメガの時計いらないって・・・」
「飽きっぽいのは自覚してる」
「・・・また、使いたくなるかも知れないじゃないですか」
「そうしたらまた買う」
「・・・・・・」
No.1ともなると、みんなこうなんだろうか・・・と胃を摩るキニアン。
「だって、オメガの時計って、ドルガバ5、6本買えるじゃないですか」
「それは10本くらいだな」
「──っ!」
余計もらえるわけない! と、いやに煽る心臓をどうしたらいいのか分からなくなった青年に、ヴァンツァーは軽く首を傾げたあと、ふ、と目元を緩めた。
普段全然表情が動かない男の微笑に、どきり、と先ほどとは違った意味で煽る心臓。
「他の奴だったら、やろうなんて思わない」
お前だからやるんだ、と。
女の客にすら見せない笑顔でそんなことを言うものだから。
「いらなかったら、処分してくれ。別に、お前の手から誰かにやっても」
「お、俺! 大事にします!!」
ぎゅっと腕時計を握りしめて必死な様子でそう言ってくる青年に、ヴァンツァーは「そうか」と返すと、軽く相手の肩を叩いて部屋を出ていった。
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ヴァンツァーは、気に入った相手には、無自覚でフェロモンばら撒いてればいい。
あー、キニアンは相変わらずくそ可愛いなー。
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