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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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昨日は用事があって昼過ぎから出掛けておりましたが、そうでなければここ最近の休日は昼過ぎまで寝ていることが多いです。わかいなー(笑)寝られるというだけで若いらしいですが、寝てるんじゃないんですよ、目が覚めないだけなんですよ。
頭が働かないので、これから書く小ネタがいつも以上のアホさでも気にしない方向で。



**********

──ちゅっ。ちゅっ。

頬に触れる感触がくすぐったくて、目が覚めた。
自分でも驚くほど覚醒までが遠いというのに、焦燥感がまるでない。
平和だな、とかつての己に聞かれたら頭のおかしい人間を見るような目をされること請け合いの感想を抱き、ゆっくり目を開ける。

──ちゅっ。

今度は、開けたばかりの瞼に。
目を閉じるとまた寝たくなってしまうからダメだというのに・・・。
緩慢な動作で、右手を顔の前に翳そうとすれば、その手を取られて枕に押し付けられた。

──ちゅっ。

今度は唇に。
何の遊びだろう、と目を開けて頭を傾ければ、やけに嬉しそうな顔。

「・・・なんだ?」
「私の方が早く目覚めた」

むっふん、と誇らしげに笑うのが可愛くて、「そうか」と言って銀色の頭をポンポンと叩いた。
日向の猫のように目を細めて撫でられている様子に安心して、また寝そうになる。

──ちゅっ。

今度は、首に。
長い髪が肌を滑って──・・・それは、あまり良くない。
いや、嫌なわけではないのだが、良くない。

「・・・シェラ、だめだ」
「はーい」

いいお返事をしつつ、喉元、鎖骨に落ちる唇。

「・・・こら」
「動脈は狙わない」

狙っていたのか。
まぁ、自分でもどうかと思うほど無防備なのは分かっているので、狙われても文句は言えないのだが。

「おしまい」

悪戯が出来ないように懐に抱き込めば、「えー」と不満そうな声。
サラリとした肌が温かくて、勝手に手が動く。

「おやおや。お手々が不埒な動きをしておりますぞ?」
「・・・さらさらもちもち」
「──プッ、バカっぽい!」

失礼なことを言われているが、まだ眠気が勝る。
肌を撫でていた手が止まり、意識がまた落ちていく。

「ま、いいけど」

諦めたような声に不穏さを感じ取った直後。
ゾクッ、と背筋に電流が走った。
ただ、背中に手を添えられただけ。

「・・・っ、シェラ」
「抱きしめてきたのはお前じゃないか。私は抱き返しただけだ」

涙が出るほど正論だ。
けれど、何かおかしい。

「・・・お前、また余計なことを覚えたな」
「失礼な。私は夫婦円満の秘訣を」
「ライアンか」

無視されたところを見ると、当たっているのだろう。
下手をするとファロットの行者以上に人体に精通した青年から、『夫婦円満のツボ』でも聞き出したに違いない。

「眠いなら寝ててもいいぞ」
「そういうのは良くない」
「夫を満足させるのも、妻の役目だ」
「十分満足している」
「長年連れ添うとマンネリ化するからな。新しい扉を」
「開かない」

むぅ、と尖らせた唇を、宥めるように啄む。

「夜まで我慢」

そう言えば、菫色の瞳が丸くなる。

「夜になったら新しい扉を」
「開かない」

なぜそんなに刺激を求めるのか。
自分のやり方に何かおかしいところがあっただろうか、と思い返してみるが、たぶん『まとも過ぎる』のだろうことに思い至り、考えるのをやめた。

「だって、だってな?」

おねだりの視線を向けて来るが、取り合うと痛い目に遭う気がする。
それでも無視は出来ないので、頭を撫でて先を促す。

「だって、お前がアンアン言うのを見た──」
「──却下だ」

えーーーー! と抗議の声が上がるが、聞こえぬフリで起き上がり、脱ぎ捨てたローブを拾って羽織る。

「超強力な媚薬とか盛ってやる!」
「・・・」

ちなみに、『普通の』媚薬なら何度か盛られている。
精神力で抑え込んでそこから一ヶ月一切手を出さなかったら、病気を疑われて病院に引っ張って行かれそうになったことがある。
ポロポロ泣いて「大丈夫か?」と心配されたが、そういえば終ぞ「ごめんなさい」は出てこなかった。
たぶん、いや、確実に嘘泣きだ。
時々、なんで惚れてるんだか分からなくなるが、これも考えたらダメなやつだと思う。
きっと向こうもそう思っている。

「うちの山、温泉が出るそうだ」
「──へ?」

唐突に何を、と菫色の瞳が丸くなる。

「地質調査の結果。でも、お前がいらないと言うな」
「いる!」

布団を蹴飛ばし、タックルの勢いで飛びつかれた。

「いい子に出来る?」
「私はいつでもいい子だ!」

キリッ、とした表情に吹き出しそうになるのを堪え、ゆったりと微笑んでやった。

「期待しているよ」

これで、半年くらいはおとなしくしていてくれるかな。


**********

頭の緩い感じの話が書きたくて。
温泉いいよねぇ・・・。
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