小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
うちの妹がふたりめの子を産みました。ふたりめも女の子です。うちは3姉妹、女系の血でもあるんですかねぇ?
帝王切開なので、予定日より2週間ほど早く取り出したんですが、すでに3200g・・・予定日までお腹に入ってたら、3500は超えてたかも知れません。なかなか大きなお子さんです。元気にすくすく育ってくれるといいな。
そんなわけで、ちょっと久々にベビちゃんネタでも。
帝王切開なので、予定日より2週間ほど早く取り出したんですが、すでに3200g・・・予定日までお腹に入ってたら、3500は超えてたかも知れません。なかなか大きなお子さんです。元気にすくすく育ってくれるといいな。
そんなわけで、ちょっと久々にベビちゃんネタでも。
**********
「──可愛い~~~~~!」
悲鳴のような声に、シェラは内心『ふふんっ』と鼻を鳴らし、顎をツンと突き出さんばかりの得意げな顔になった。
休日の午後、ちょっと日差しは強くなってきたけれど天気も良く、風が心地良い公園の芝生の上。
1歳になる四つ子の子どもたちがお座りしているのを眺めているシェラとヴァンツァーの周りには、ちょっとした人だかりが出来ていた。
「四つ子ちゃんですか?」
「えぇ、そうなんです」
「可愛いですねぇ~」
「えぇ、そうなんです」
ついうっかり本音で頷いてしまったシェラ母さん。
謙遜なんて、子どもたちが絡むと頭から吹き飛んでしまうシェラ母さんだった。
話にはまったく入って来ないけれど、ヴァンツァーは微笑を浮かべながら子どもたちに手を握らせて遊ばせている。
超絶美形のヴァンツァーが笑顔を浮かべているというだけで女性なら誰もが飛びつくのが普通なのだが、今ばかりはヴァンツァーよりも子どもたちの愛らしさの方が勝っているらしい。
「このベビーリュック! お名前入りで可愛いですねぇ~」
「ええっと・・・ピンクの水玉が、アリアちゃんと・・・リチェルカーレちゃん?」
「ベージュのボーダーが、フーガちゃんとロンドちゃん、ですか?」
座ると、背負ったリュックと同じくらいしか座高のない子どもたち。
背中側を見るとリュックに埋もれているようでもあるが、その姿が大層可愛らしい。
女の子ふたりは、ふわふわとしたピンクの生地に、ちいさめの白いドットが可愛らしいリュックを。
男の子ふたりは、男女どちらでも使えそうなベージュと白の太めのボーダーのリュックをそれぞれ背負っている。
リュックの蓋の部分に、天使の羽根と子どもたちの名前が刺繍してあるので、見る人見る人が子どもたちの名前を口にする、というわけだ。
「どちらのブランドですか? 友達の出産祝いとかに良さそう!」
口々にそんなことを話している女性たちに、シェラはにっこりと微笑んだ。
「夫がデザイナーで。彼の作ったものなんですよ」
そんな風に言って控えめにヴァンツァーを紹介する。
紹介された男は、目元にほんの少しだけあるかないかの笑みを浮かべて目礼をする。
それだけでも顔を赤らめる女性がいないわけではないが、どちらかといえば「素敵なご家族~」という印象を抱く女性の方が多いようである。
「──あ! この天使の羽根って、もしかして【Lu:na】のエンジェルですか?!」
「あら、ご存じですか?」
嬉しい、とはにかんだような笑みを浮かべるシェラは、とても四十代の『男』には見えない。
まだまだ、少女のような初々しさがある。
「もちろん知ってますよ! うわぁ、やっぱり【Lu:na】の製品って可愛いですねぇ」
「ありがとうございます」
話をするのは専らシェラで、ヴァンツァーは相変わらず子どもたちと戯れている。
彼らの中では、そういう役割分担が出来ているのである。
どんな大店でも、表に立ってお客様の相手をするのは大抵女将の仕事だ。
「【Lu:na】って、通販はしないんでしたっけ?」
「えぇ。お客様のお顔を見て、好みを伺って、双方納得のいくものを作りたいですからね。このリュックも、たまたま2種類の布で作っていますけど、お客様のご要望によってどんな生地でもお作りいたしますよ」
「オーダーメイドって贅沢ですね~」
「わたくしどもにとって、お客様はたくさんおりますが、目の前にいらっしゃるお客様と、そのお客様のお子様はたったひとりですから。そういう意味では、オーダーメイドというのは決して特別なものではなくて、自然なものだと思うんです」
「オーダーメイドでも、【Lu:na】の製品はあんまり高くないって聞いたことあります」
これには苦笑したシェラである。
「さすがにお取り扱いする製品にもよりますが・・・このリュックなら、家族四人でランチに行くくらいの値段でしょうかね」
「それくらいなら、出産祝いにちょうどいいかも」
「今度絶対伺います!」
「お待ちしております」
如才なく挨拶をするシェラの様子を見て、ヴァンツァーはくすっと笑みを浮かべた。
そうして、子どもたちのやわらかな頬を撫でながら呟いたのだ。
「お前たちの母親は、俺よりずっと商売上手だな」
**********
商売なんてものはだな、細々としたことは女将の采配ですべてが決まるのさ。
旦那はどっしり構えて、大局を見るというのが仕事さね。
・・・たぶんな。
「──可愛い~~~~~!」
悲鳴のような声に、シェラは内心『ふふんっ』と鼻を鳴らし、顎をツンと突き出さんばかりの得意げな顔になった。
休日の午後、ちょっと日差しは強くなってきたけれど天気も良く、風が心地良い公園の芝生の上。
1歳になる四つ子の子どもたちがお座りしているのを眺めているシェラとヴァンツァーの周りには、ちょっとした人だかりが出来ていた。
「四つ子ちゃんですか?」
「えぇ、そうなんです」
「可愛いですねぇ~」
「えぇ、そうなんです」
ついうっかり本音で頷いてしまったシェラ母さん。
謙遜なんて、子どもたちが絡むと頭から吹き飛んでしまうシェラ母さんだった。
話にはまったく入って来ないけれど、ヴァンツァーは微笑を浮かべながら子どもたちに手を握らせて遊ばせている。
超絶美形のヴァンツァーが笑顔を浮かべているというだけで女性なら誰もが飛びつくのが普通なのだが、今ばかりはヴァンツァーよりも子どもたちの愛らしさの方が勝っているらしい。
「このベビーリュック! お名前入りで可愛いですねぇ~」
「ええっと・・・ピンクの水玉が、アリアちゃんと・・・リチェルカーレちゃん?」
「ベージュのボーダーが、フーガちゃんとロンドちゃん、ですか?」
座ると、背負ったリュックと同じくらいしか座高のない子どもたち。
背中側を見るとリュックに埋もれているようでもあるが、その姿が大層可愛らしい。
女の子ふたりは、ふわふわとしたピンクの生地に、ちいさめの白いドットが可愛らしいリュックを。
男の子ふたりは、男女どちらでも使えそうなベージュと白の太めのボーダーのリュックをそれぞれ背負っている。
リュックの蓋の部分に、天使の羽根と子どもたちの名前が刺繍してあるので、見る人見る人が子どもたちの名前を口にする、というわけだ。
「どちらのブランドですか? 友達の出産祝いとかに良さそう!」
口々にそんなことを話している女性たちに、シェラはにっこりと微笑んだ。
「夫がデザイナーで。彼の作ったものなんですよ」
そんな風に言って控えめにヴァンツァーを紹介する。
紹介された男は、目元にほんの少しだけあるかないかの笑みを浮かべて目礼をする。
それだけでも顔を赤らめる女性がいないわけではないが、どちらかといえば「素敵なご家族~」という印象を抱く女性の方が多いようである。
「──あ! この天使の羽根って、もしかして【Lu:na】のエンジェルですか?!」
「あら、ご存じですか?」
嬉しい、とはにかんだような笑みを浮かべるシェラは、とても四十代の『男』には見えない。
まだまだ、少女のような初々しさがある。
「もちろん知ってますよ! うわぁ、やっぱり【Lu:na】の製品って可愛いですねぇ」
「ありがとうございます」
話をするのは専らシェラで、ヴァンツァーは相変わらず子どもたちと戯れている。
彼らの中では、そういう役割分担が出来ているのである。
どんな大店でも、表に立ってお客様の相手をするのは大抵女将の仕事だ。
「【Lu:na】って、通販はしないんでしたっけ?」
「えぇ。お客様のお顔を見て、好みを伺って、双方納得のいくものを作りたいですからね。このリュックも、たまたま2種類の布で作っていますけど、お客様のご要望によってどんな生地でもお作りいたしますよ」
「オーダーメイドって贅沢ですね~」
「わたくしどもにとって、お客様はたくさんおりますが、目の前にいらっしゃるお客様と、そのお客様のお子様はたったひとりですから。そういう意味では、オーダーメイドというのは決して特別なものではなくて、自然なものだと思うんです」
「オーダーメイドでも、【Lu:na】の製品はあんまり高くないって聞いたことあります」
これには苦笑したシェラである。
「さすがにお取り扱いする製品にもよりますが・・・このリュックなら、家族四人でランチに行くくらいの値段でしょうかね」
「それくらいなら、出産祝いにちょうどいいかも」
「今度絶対伺います!」
「お待ちしております」
如才なく挨拶をするシェラの様子を見て、ヴァンツァーはくすっと笑みを浮かべた。
そうして、子どもたちのやわらかな頬を撫でながら呟いたのだ。
「お前たちの母親は、俺よりずっと商売上手だな」
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商売なんてものはだな、細々としたことは女将の采配ですべてが決まるのさ。
旦那はどっしり構えて、大局を見るというのが仕事さね。
・・・たぶんな。
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