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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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ん~、先週から咳が出て器官が苦しいんですが、土曜日に微熱が出まして。元々行くつもりだったんですけど、病院行って薬もらってきました。とりあえず5日分なんですが、まだ効かないので、夜寝るときは咳き込んで苦しいです。早く良くなれ~。

さて。睡眠不足と薬のおかげでとても眠いので、小ネタでも。今日はFEじゃなくて、ちゃんとヴァンシェラですよ(笑)

**********

ソファに隣り合って座り、思い思いに本を読んだり編み物をしたりするのはいつものこと。
テーブルには、それぞれの嗜好に合せて珈琲と紅茶の入ったカップが置かれている。
何気なく──本当に、ほとんど意識せず、ヴァンツァーは傍らのぬくもりを抱き寄せた。
目線は手元の本に落とされたまま、「あぁ、あたたかいな」と。
そんなことが嬉しくて、形の良い唇に、ほんの僅かな微笑が浮かぶ。

「・・・ずっと、こうしていたいな」

するりと出てきた言葉に返事は期待していなかったけれど、シェラがちいさく「うん」と言って頷いたので、彼は驚きと嬉しさに顔を上げた。
見つめたシェラが、照れ隠しのように笑っているのを見て、また胸があたたかくなるのを感じたヴァンツァーだった。
今日は、カノンもソナタも、それぞれの伴侶と一緒に出かけている。
ふたりきりの静かな午後というのも悪くない。
寄り添いあったまま、ヴァンツァーは過去を思い返していた。
初めて触れ合ったのは、いつのことだったか。
あぁ、自分の標的を横取りされたのかも知れないと思って、この銀色を手に掛けようとしたときだった、と思い出し、思わず苦笑が漏れた。
思いがけない反撃に遭い、始末し損ねたのだ。
確かに同族の、腕はさほど悪くない行者なのだろうが、自分が負けるとは微塵も思わなかった。
そのときも、悔しい思いはまったくなかったし、ただ、反撃出来るだけの判断力と力量があることに、ほんの少しだけ興味を持ったのだ。
思えば、どれほど人や同族の人間に囲まれていても孤独でしかなかった自分の心が、初めて動いた瞬間だった。
それ以前にも何かに心惹かれることはあったのかも知れないが、そうと自覚していなかったのだろう。

──きっと、あのときが初めて。

そう思ったら愛しさが込みあげてきて、ヴァンツァーはシェラの肩を抱く腕に力を込めた。
不思議そうな声で名前を呼ばれた男は、返事の代わりにシェラの額に唇を落とした。
この溢れる想いがどうすれば伝わるのか分からなかったから、触れ合った部分すべてから、せめてぬくもりだけでも伝わるように。

どんなときも、どこにいても、──この身が朽ちても、この想いが変わることはないだろう。


**********

まぁ、なんてことない日常。
がくちゃんの歌詞からいただきました。
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