小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
話が書きたくて・・・・・・。
**********
目の前で展開される映像に、双子は色違いの瞳を同じように真ん丸にした。
「──すごい・・・」
「すごーい!!」
感嘆と歓声という声の違いはあったが、ふたりはともに画面に釘付けだ。
「どうしたの?」
それでも、背後からかけられた声が大好きな人のものだったから、双子はくるっと振り返った。
そうして、声を揃える。
「──父さんがかっこいいんだけど、どんな魔法?!」
「──パパがかっこいいんだけど、どんな魔法?!」
やっぱりルウなのか、ルウに頼んだのか、やっぱりルウの魔法はすごいんだ人格矯正まで出来ちゃうんだ、と大興奮の双子に、シェラは苦笑した。
「魔法じゃないよ──あれが、ヴァンツァーの『仕事』っぷりだよ」
「「仕事?」」
こてん、と首を傾げる可愛い双子に、シェラは微笑んで教えてやった。
「そう。ファロットの、仕事」
「昔のパパの仕事ってこと?」
「うん、そう」
「昔はあんなにかっこ良かったのに、今じゃあんななの?」
「うん、残念なことに」
本気で残念そうな顔をしているシェラだったので、双子は顔を見合わせてため息を吐いた。
「「・・・もったいない」」
「私も心底そう思うよ・・・」
落ち込むシェラの頭をよしよし、と撫でてやれば、くすくすと笑う気配がして双子はそちらに意識を向けた。
「──おじいちゃま!」
「──グランパ!」
ぱっと顔色を輝かせると、双子は貫禄のある美貌の男に飛びついた。
高校生ふたり分の体重を受け止めても揺るぎもしない素晴らしいバランス感覚の持ち主だが、伝説の暗殺集団ファロットの長まで勤めた男なのだからそれは当然と言えた。
両側からぎゅっと抱きついたまま、双子は瞳をきらきらさせて話かけた。
「すごいわ、おじいちゃま! シェラがかっこ可愛くてパパがかっこいいの!!」
「すごいよ、グランパ! シェラがかっこ可愛いのは当然としても、父さんがかっこいいんだよ!!」
興奮気味に話す双子の紅くなった頬を、指先で撫でてやる。
その金属のような銀色の瞳はいくらでも冷たくなるというのに、今は穏やかなあたたかさを浮かべている。
「気に入ったかい?」
「「うん、とっても!!」」
ぎゅーっと抱きつき、むしろゴロゴロと喉を鳴らしている双子に、シェラですら感心したような顔になった。
「・・・さすが、長・・・」
ぽつりと漏らせば、いつからそこにいたのか、ルウが「それは違うんじゃないかなぁ?」と顎に手を添えた。
「え?」
「ファロットの長とか、誑し込んでる、とかそういうことじゃないと思うなぁ」
「・・・じゃあ、何です?」
自慢ではないが、双子の子どもたちは大抵の人間には愛想が良いが、ここまで手放しに懐く相手というのは限られている。
父親であるヴァンツァーにすら、こんな子猫のような態度は見せない。
もっと言えば、あんな風に懐かれるのは自分だけの専売特許だと思っていたシェラだから、少し寂しい思いをしていた。
「それも違うと思うなぁ」
くすくす、とこちらの思考を読んだように微笑むルウに、シェラは首を傾げて訊ねた。
そんなシェラに、ルウは丁寧に解説してくれたものだ。
以下、ルウの解説。
おじいちゃま・グランパ=シェラの父
↓
シェラの父=シェラを作った人むしろ種
↓
シェラを作った人むしろ種=すごい人
↓
おじいちゃま・グランパ=シェラを作った人むしろ種=既に神
「ね?」
にっこり笑って図式を指差す黒髪の天使に、シェラはしばらく呆然としたあと、苦笑したものである。
「──・・・私は、愛されているんですね」
言ったシェラに、ルウは呆れ返って「何を今更」と肩をすくめた。
こういう平和な家族って、いいよなぁ・・・・・・。
目の前で展開される映像に、双子は色違いの瞳を同じように真ん丸にした。
「──すごい・・・」
「すごーい!!」
感嘆と歓声という声の違いはあったが、ふたりはともに画面に釘付けだ。
「どうしたの?」
それでも、背後からかけられた声が大好きな人のものだったから、双子はくるっと振り返った。
そうして、声を揃える。
「──父さんがかっこいいんだけど、どんな魔法?!」
「──パパがかっこいいんだけど、どんな魔法?!」
やっぱりルウなのか、ルウに頼んだのか、やっぱりルウの魔法はすごいんだ人格矯正まで出来ちゃうんだ、と大興奮の双子に、シェラは苦笑した。
「魔法じゃないよ──あれが、ヴァンツァーの『仕事』っぷりだよ」
「「仕事?」」
こてん、と首を傾げる可愛い双子に、シェラは微笑んで教えてやった。
「そう。ファロットの、仕事」
「昔のパパの仕事ってこと?」
「うん、そう」
「昔はあんなにかっこ良かったのに、今じゃあんななの?」
「うん、残念なことに」
本気で残念そうな顔をしているシェラだったので、双子は顔を見合わせてため息を吐いた。
「「・・・もったいない」」
「私も心底そう思うよ・・・」
落ち込むシェラの頭をよしよし、と撫でてやれば、くすくすと笑う気配がして双子はそちらに意識を向けた。
「──おじいちゃま!」
「──グランパ!」
ぱっと顔色を輝かせると、双子は貫禄のある美貌の男に飛びついた。
高校生ふたり分の体重を受け止めても揺るぎもしない素晴らしいバランス感覚の持ち主だが、伝説の暗殺集団ファロットの長まで勤めた男なのだからそれは当然と言えた。
両側からぎゅっと抱きついたまま、双子は瞳をきらきらさせて話かけた。
「すごいわ、おじいちゃま! シェラがかっこ可愛くてパパがかっこいいの!!」
「すごいよ、グランパ! シェラがかっこ可愛いのは当然としても、父さんがかっこいいんだよ!!」
興奮気味に話す双子の紅くなった頬を、指先で撫でてやる。
その金属のような銀色の瞳はいくらでも冷たくなるというのに、今は穏やかなあたたかさを浮かべている。
「気に入ったかい?」
「「うん、とっても!!」」
ぎゅーっと抱きつき、むしろゴロゴロと喉を鳴らしている双子に、シェラですら感心したような顔になった。
「・・・さすが、長・・・」
ぽつりと漏らせば、いつからそこにいたのか、ルウが「それは違うんじゃないかなぁ?」と顎に手を添えた。
「え?」
「ファロットの長とか、誑し込んでる、とかそういうことじゃないと思うなぁ」
「・・・じゃあ、何です?」
自慢ではないが、双子の子どもたちは大抵の人間には愛想が良いが、ここまで手放しに懐く相手というのは限られている。
父親であるヴァンツァーにすら、こんな子猫のような態度は見せない。
もっと言えば、あんな風に懐かれるのは自分だけの専売特許だと思っていたシェラだから、少し寂しい思いをしていた。
「それも違うと思うなぁ」
くすくす、とこちらの思考を読んだように微笑むルウに、シェラは首を傾げて訊ねた。
そんなシェラに、ルウは丁寧に解説してくれたものだ。
以下、ルウの解説。
おじいちゃま・グランパ=シェラの父
↓
シェラの父=シェラを作った人むしろ種
↓
シェラを作った人むしろ種=すごい人
↓
おじいちゃま・グランパ=シェラを作った人むしろ種=既に神
「ね?」
にっこり笑って図式を指差す黒髪の天使に、シェラはしばらく呆然としたあと、苦笑したものである。
「──・・・私は、愛されているんですね」
言ったシェラに、ルウは呆れ返って「何を今更」と肩をすくめた。
こういう平和な家族って、いいよなぁ・・・・・・。
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