ぼくのため。

みんな、みんな、ぼくのため。

きみを、とてもだいじにするのも、
ないているきみをわらわせるのも、
みんな、みんな、ぼくのため。

きみのえがおがみたい、ぼくのため。

きみがにこにこわらっていると、
ぼくもすなおにわらえるから。
きみがにこにこわらっていると、
ぼくがわらっているみたいだから。


だから、みんな、みんな、ぼくのため。


ぼくがきみにやさしいのは、
みんな、みんな、ぼくのため。

きみにやさしくすることで、
やさしくなりたい、ぼくのため。



・・・きみに、やさしくしてもらいたい、
ぼくのため。



ぼくがきみをだきしめるのも、
みんな、みんな、ぼくのため。

きみをだきしめると、あたたかい。
だから、きみをだきしめる。
ぽっかりあいた、むねのあな。
きみにうめて、ほしいから。
だから、きみをだきしめる。



きみがわらってくれるなら、
ぼくはだれよりつよくなれる。

きみがそばにいてくれるなら、
ぼくはだれよりやさしくなれる。



ぼくがきみのそばにいるのは、
みんな、みんな、ぼくのため。

きみにやさしくすることで、
そばにいてほしい、ぼくのため。

きみがそばにいることで、
『ひと』でありたい、ぼくのため。



みんな、みんな、ぼくのため。

だから、ぼくはどこへもいかない。

ぼくが、ぼくでいたいから。




きみをだいじにすることで、

じぶんをだいじに、したいから・・・

きみにだいじに、

してほしいから・・・






＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ファロット一家の男ども──ちなみにヴァンツァーとカノン（笑）──の、考えていそうなことをポエム風に。


・・・あー、吐きそう。