小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
美容師さんのキャッチに遭遇したので。ロバートの馬場ちゃんみたいな顔したキンパのおにーちゃんでした。しつこいので、「同じ人にしか触らせないんで」って言いました(笑)いや、事実なんだけどね。
からの、だいぶ前に書いた、美容師ヴァンツァーと幼馴染シェラ的なお話。
からの、だいぶ前に書いた、美容師ヴァンツァーと幼馴染シェラ的なお話。
**********
やわらかな泡が、髪や頭皮と一緒に心まで包み込んでくれる気がして、シェラはタオルで隠された口許にちいさな笑みを浮かべた。
幼い頃は天使のように可愛かったくせに、図体と態度が異様に大きくなって、最近はにこりともしない年下の幼馴染。
自分に対しては無愛想なくせに、お客さんにはにこにこ笑いかけているというのがどうにも気に入らないシェラだった。
客商売なのだから、と納得しようとしても、だったら自分にも笑いかけてくれればいいじゃないか、と腹が立つのだ。
それなのに、こうして髪に触れる手はとても大きくて、やさしくて、安心するから、何だか変な気持ちになるのだ。
──ヴァンツァーのくせに、生意気だ。
緩んだ頬をきゅっと引き締め、シェラはカット前のシャンプーをしてくれている男に話しかけた。
「ねぇ、ヴァンツァー」
「なんだ」
「あのね、してみたい髪型があるの」
「ふぅん」
全然興味がなさそうな幼馴染に、シェラはちょっと弾んだ声で言ったのだ。
「あのね、パーマかけたいの!」
「──は?」
珍しいことに、髪を洗う手が止まった。
ここぞとばかりに、シェラは「だから」と少し声を大きくした。
「パーマ! ふわふわにしたいの!」
「却下」
「何でよ! 可愛いでしょ、ふわふわ!!」
「ダメだ」
「じゃあ、毛先だけクルクルに」
「しない」
「~~~~じゃあ短く切る!!」
だって、もう何年も長いままなのだ。
背中より短かったのは、中学校に上がる前までだったのではないだろうか。
この幼馴染が、切らせてくれないのだ。
他の美容師に触らせると無言で激怒され、ヘアカタログすら見せてもらえないというのは酷いのではないか、と思うシェラだった。
たまには違う髪型にしてみたいと思うのが乙女心だ、と立派な成人男性であるシェラは真剣に憤っていた。
「ショートカットに──ひゃあ!」
素っ頓狂な声を上げるシェラ。
それも仕方のないこと。
「な、ななな、何か首っ!」
カサッ、ぬるっ、チクッ、といった感触が続けて首筋に触れ、シェラは思わず起き上がりそうになってしまった。
「泡が飛ぶ」
しかし、肩の辺りを、おそらくヴァンツァーの肘であろう部分で押さえつけられ、身動きが取れなくなった。
「ヴァン・・・い、今の、なに?!」
「キスマーク」
「キ──はぁ?! 何してんの?!」
「見せて歩きたいなら、切ってやるよ」
「~~~~~~っ!! ヴァンツァーのばかーーーーーっ!!」
「この髪にパーマをかけたいとか言い出すお前ほど、馬鹿じゃない」
「いいじゃないか! 私の髪なんだから!!」
「俺のだ」
「・・・は?」
思わず固まったシェラだった。
みるみるうちに顔が紅くなっていくのを感じる。
分かっている。
ヴァンツァーは、『俺のカットした髪だ』と言いたいのだろうが、間が抜けてしまったからあんな物言いになっただけなのだ。
しかし、何とも耳に心地の良い低音でそんな台詞を言われた日には、勘違いする女の子の十人くらい、いそうなものである。
「次に切るだのパーマかけるだの言い出したら、今のじゃ済まないと思えよ」
「な、なにそれ!!」
何て自分勝手な男だ、と憤慨しつつも、ドキドキと煩い心臓を宥めることの出来ないシェラなのであった。
**********
ちょっぴりかっこいいヴァンツァー。
一応、閉店後なので、こんなことしてても大丈夫です(笑)
でも、目撃ドキュンをしていたヴァンツァーの同僚であるレティシアさんは呟きました。
「・・・あの位置じゃ、長くても見えるけどな」
頑張れ、シェラ!
やわらかな泡が、髪や頭皮と一緒に心まで包み込んでくれる気がして、シェラはタオルで隠された口許にちいさな笑みを浮かべた。
幼い頃は天使のように可愛かったくせに、図体と態度が異様に大きくなって、最近はにこりともしない年下の幼馴染。
自分に対しては無愛想なくせに、お客さんにはにこにこ笑いかけているというのがどうにも気に入らないシェラだった。
客商売なのだから、と納得しようとしても、だったら自分にも笑いかけてくれればいいじゃないか、と腹が立つのだ。
それなのに、こうして髪に触れる手はとても大きくて、やさしくて、安心するから、何だか変な気持ちになるのだ。
──ヴァンツァーのくせに、生意気だ。
緩んだ頬をきゅっと引き締め、シェラはカット前のシャンプーをしてくれている男に話しかけた。
「ねぇ、ヴァンツァー」
「なんだ」
「あのね、してみたい髪型があるの」
「ふぅん」
全然興味がなさそうな幼馴染に、シェラはちょっと弾んだ声で言ったのだ。
「あのね、パーマかけたいの!」
「──は?」
珍しいことに、髪を洗う手が止まった。
ここぞとばかりに、シェラは「だから」と少し声を大きくした。
「パーマ! ふわふわにしたいの!」
「却下」
「何でよ! 可愛いでしょ、ふわふわ!!」
「ダメだ」
「じゃあ、毛先だけクルクルに」
「しない」
「~~~~じゃあ短く切る!!」
だって、もう何年も長いままなのだ。
背中より短かったのは、中学校に上がる前までだったのではないだろうか。
この幼馴染が、切らせてくれないのだ。
他の美容師に触らせると無言で激怒され、ヘアカタログすら見せてもらえないというのは酷いのではないか、と思うシェラだった。
たまには違う髪型にしてみたいと思うのが乙女心だ、と立派な成人男性であるシェラは真剣に憤っていた。
「ショートカットに──ひゃあ!」
素っ頓狂な声を上げるシェラ。
それも仕方のないこと。
「な、ななな、何か首っ!」
カサッ、ぬるっ、チクッ、といった感触が続けて首筋に触れ、シェラは思わず起き上がりそうになってしまった。
「泡が飛ぶ」
しかし、肩の辺りを、おそらくヴァンツァーの肘であろう部分で押さえつけられ、身動きが取れなくなった。
「ヴァン・・・い、今の、なに?!」
「キスマーク」
「キ──はぁ?! 何してんの?!」
「見せて歩きたいなら、切ってやるよ」
「~~~~~~っ!! ヴァンツァーのばかーーーーーっ!!」
「この髪にパーマをかけたいとか言い出すお前ほど、馬鹿じゃない」
「いいじゃないか! 私の髪なんだから!!」
「俺のだ」
「・・・は?」
思わず固まったシェラだった。
みるみるうちに顔が紅くなっていくのを感じる。
分かっている。
ヴァンツァーは、『俺のカットした髪だ』と言いたいのだろうが、間が抜けてしまったからあんな物言いになっただけなのだ。
しかし、何とも耳に心地の良い低音でそんな台詞を言われた日には、勘違いする女の子の十人くらい、いそうなものである。
「次に切るだのパーマかけるだの言い出したら、今のじゃ済まないと思えよ」
「な、なにそれ!!」
何て自分勝手な男だ、と憤慨しつつも、ドキドキと煩い心臓を宥めることの出来ないシェラなのであった。
**********
ちょっぴりかっこいいヴァンツァー。
一応、閉店後なので、こんなことしてても大丈夫です(笑)
でも、目撃ドキュンをしていたヴァンツァーの同僚であるレティシアさんは呟きました。
「・・・あの位置じゃ、長くても見えるけどな」
頑張れ、シェラ!
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