小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
出ないので、小ネタ。珍しく、あの人も元気がないようです。
**********
『笑顔のきみでいて』
いつも無邪気に笑っているから、表情のなさに胸が騒いだ。
テーブルに頬杖をつき、ぼんやりと遠くを眺めている青い瞳。
艶やかな黒髪と相俟って神秘的な雰囲気ではあったし、どんな表情の彼女だって愛しているけれど、やっぱり笑った顔が一番好きだ。
梅雨空も、冬の曇天すらも蒼穹に変えてしまう、太陽の笑顔。
「ハニー、どうしたの?」
明るい声で声を掛けると、気配に敏いはずの彼女が『ようやく気づいた』と言わんばかりに目を丸くして顔を上げた。
そうして、ふんわり、くすくすと笑ったのだった。
「なぁに、まだそれ続いてるの?」
「『ハニー』?」
「うん」
「嫌だった? 可愛くて、おれは好きなんだけど」
「嫌じゃないよ。カノンにすっごい変な顔されたけど」
「お兄ちゃんは、羨ましいんでしょ」
「そうそう」
他愛ない話に笑顔を見せるけれど、やはりどこか元気がない気がする。
あまり詮索するのは好きではないのだけれど、気になるのも事実。
「ハニー、お腹でも空いてるの?」
ぼんやりの理由をさり気なく、そんな、笑い話にも出来る言葉で聞き出そうとした。
それなのに。
「──何で分かったの・・・?」
「・・・はい?」
綺麗な青い瞳を真ん丸にして、口までぽかん、と真ん丸だ。
きっと、こちらも同じような表情をしているに違いない。
「お腹ペコペコなんだけど、何食べようかなー、と思ったら、色々食べたくてひとつに決まらなかったの。すっごい悩んじゃって・・・」
「・・・シェラさんは?」
「パパとお出掛け」
「珍しいね。シェラさんがご飯の用意しないで出て行くの」
「ソナタが『いいよ』って言ったの。パパとお出掛けの日は、シェラもお休みの日だもの」
「そっか」
向かいに腰掛けて、よしよし、と頭を撫でると、嬉しそうに笑みを浮かべてくれた。
「じゃあ、おれが何か作ろうか」
「──作れるの?!」
なかなか良い食いつきっぷり。
よほど空腹だったらしい。
「ん~、まぁ、簡単なものならね。炒飯とか?」
「すごい! 何で分かるの?! 中華かイタリアンか和食かで悩んでたの!」
「・・・うん。それは悩むね」
「でしょう? あのね、ソナタ、レタス炒飯とかに玉食べたい!!」
「はいはい、お姫様」
そうして、可愛い奥さんにもお手伝いをお願いして、ふたりで楽しい昼食の時間を過ごしたのだった。
++++++++++
橘は空腹ではありません(笑)何でも出来るライアンが大好きだ。
次。季節感丸無視の方向で。
++++++++++
『なつやすみのしゅくだい』
ファロット一家の仲良し四つ子のきょうだいたちは、顔を突き合わせて悩んでいた。
──いや、正確には、悩んでいるのはフーガひとりだ。
アリアとリチェルカーレは「う~ん、う~ん」と言ってはいるものの、手にはお人形さんを持って遊んでいる。
ロンドも「どうしよっか?」と言いはするものの、にこにこ顔はとても悩んでいるようには見えない。
眉間に皺を寄せているのは、しっかり者のフーガひとりだった。
「──よし、決めた!」
すっくと立ち上がったフーガに、他の3人が目を向ける。
「何にするの?」
ロンドの問いに、フーガはきっぱりと答えた。
「父さんに相談する」
子ども部屋に、「「「さんせ~い!」」」の声が響き渡った。
「──自由研究?」
4人揃って目の前に並んだものだから、ヴァンツァーは少し驚いたようだった。
こくん、と頷いたフーガは、経緯を説明したのだった。
「なるほど。夏休みの宿題か」
「あさがおの観察みたいに、毎日出来るものがいいんだけど・・・」
「いいんじゃないか。あさがおとか、ミニトマトとか」
「でも、きっとみんな同じようなことすると思うんだ」
なるほど。
人とはちょっと違うことがしたいらしい。
気持ちは分からないでもないヴァンツァーだったので、子どもたちに提案をした。
「じゃあ、1日ひとつ。夏休みの間に40個。人から『ありがとう』と言われることをしてみたらどうだ?」
これには、4対の目が丸くなった。
そんな自由研究、聞いたことがない。
「人によって、悩みも、感謝の対象もまちまちだからな。どんな性別の、どんな年齢の人に、どんなことをしたら喜ばれたか。規則性があるとは限らないが、40日間のデータをまとめたら面白いかもな」
にっこりと微笑む父に、子どもたちは『ほわぁぁぁ!』と目を輝かせた。
「「「「──やる!!」」」」
こうして、ファロット一家の仲良し四つ子の天使たちによる、『ありがとうの研究』が始まったのだった。
**********
がくちゃんが、「もし学校の先生だったらどんな宿題を出しますか?」ってファンからの質問に、「『ありがとう』って言ってもらえることを40個して来い、って言うかな」って言ってたから。
それって、素敵やん?
『笑顔のきみでいて』
いつも無邪気に笑っているから、表情のなさに胸が騒いだ。
テーブルに頬杖をつき、ぼんやりと遠くを眺めている青い瞳。
艶やかな黒髪と相俟って神秘的な雰囲気ではあったし、どんな表情の彼女だって愛しているけれど、やっぱり笑った顔が一番好きだ。
梅雨空も、冬の曇天すらも蒼穹に変えてしまう、太陽の笑顔。
「ハニー、どうしたの?」
明るい声で声を掛けると、気配に敏いはずの彼女が『ようやく気づいた』と言わんばかりに目を丸くして顔を上げた。
そうして、ふんわり、くすくすと笑ったのだった。
「なぁに、まだそれ続いてるの?」
「『ハニー』?」
「うん」
「嫌だった? 可愛くて、おれは好きなんだけど」
「嫌じゃないよ。カノンにすっごい変な顔されたけど」
「お兄ちゃんは、羨ましいんでしょ」
「そうそう」
他愛ない話に笑顔を見せるけれど、やはりどこか元気がない気がする。
あまり詮索するのは好きではないのだけれど、気になるのも事実。
「ハニー、お腹でも空いてるの?」
ぼんやりの理由をさり気なく、そんな、笑い話にも出来る言葉で聞き出そうとした。
それなのに。
「──何で分かったの・・・?」
「・・・はい?」
綺麗な青い瞳を真ん丸にして、口までぽかん、と真ん丸だ。
きっと、こちらも同じような表情をしているに違いない。
「お腹ペコペコなんだけど、何食べようかなー、と思ったら、色々食べたくてひとつに決まらなかったの。すっごい悩んじゃって・・・」
「・・・シェラさんは?」
「パパとお出掛け」
「珍しいね。シェラさんがご飯の用意しないで出て行くの」
「ソナタが『いいよ』って言ったの。パパとお出掛けの日は、シェラもお休みの日だもの」
「そっか」
向かいに腰掛けて、よしよし、と頭を撫でると、嬉しそうに笑みを浮かべてくれた。
「じゃあ、おれが何か作ろうか」
「──作れるの?!」
なかなか良い食いつきっぷり。
よほど空腹だったらしい。
「ん~、まぁ、簡単なものならね。炒飯とか?」
「すごい! 何で分かるの?! 中華かイタリアンか和食かで悩んでたの!」
「・・・うん。それは悩むね」
「でしょう? あのね、ソナタ、レタス炒飯とかに玉食べたい!!」
「はいはい、お姫様」
そうして、可愛い奥さんにもお手伝いをお願いして、ふたりで楽しい昼食の時間を過ごしたのだった。
++++++++++
橘は空腹ではありません(笑)何でも出来るライアンが大好きだ。
次。季節感丸無視の方向で。
++++++++++
『なつやすみのしゅくだい』
ファロット一家の仲良し四つ子のきょうだいたちは、顔を突き合わせて悩んでいた。
──いや、正確には、悩んでいるのはフーガひとりだ。
アリアとリチェルカーレは「う~ん、う~ん」と言ってはいるものの、手にはお人形さんを持って遊んでいる。
ロンドも「どうしよっか?」と言いはするものの、にこにこ顔はとても悩んでいるようには見えない。
眉間に皺を寄せているのは、しっかり者のフーガひとりだった。
「──よし、決めた!」
すっくと立ち上がったフーガに、他の3人が目を向ける。
「何にするの?」
ロンドの問いに、フーガはきっぱりと答えた。
「父さんに相談する」
子ども部屋に、「「「さんせ~い!」」」の声が響き渡った。
「──自由研究?」
4人揃って目の前に並んだものだから、ヴァンツァーは少し驚いたようだった。
こくん、と頷いたフーガは、経緯を説明したのだった。
「なるほど。夏休みの宿題か」
「あさがおの観察みたいに、毎日出来るものがいいんだけど・・・」
「いいんじゃないか。あさがおとか、ミニトマトとか」
「でも、きっとみんな同じようなことすると思うんだ」
なるほど。
人とはちょっと違うことがしたいらしい。
気持ちは分からないでもないヴァンツァーだったので、子どもたちに提案をした。
「じゃあ、1日ひとつ。夏休みの間に40個。人から『ありがとう』と言われることをしてみたらどうだ?」
これには、4対の目が丸くなった。
そんな自由研究、聞いたことがない。
「人によって、悩みも、感謝の対象もまちまちだからな。どんな性別の、どんな年齢の人に、どんなことをしたら喜ばれたか。規則性があるとは限らないが、40日間のデータをまとめたら面白いかもな」
にっこりと微笑む父に、子どもたちは『ほわぁぁぁ!』と目を輝かせた。
「「「「──やる!!」」」」
こうして、ファロット一家の仲良し四つ子の天使たちによる、『ありがとうの研究』が始まったのだった。
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がくちゃんが、「もし学校の先生だったらどんな宿題を出しますか?」ってファンからの質問に、「『ありがとう』って言ってもらえることを40個して来い、って言うかな」って言ってたから。
それって、素敵やん?
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