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「俺さ、思うわけよ」

シェラのFSの練習を見て、レティシアは呟いた。
FSの振り付けを担当しているのはレティシアではない。
だから、彼はここにいる必要はないわけだが、どうも暇らしい。
フェンスに顎を乗せてだるそうな様子で練習を見ていた彼は、隣に佇む長身の友人にちろりと視線を送った。

「フィギュア界にさ、『女子？シングル』とか、『男前シングル』とか作ったら？」
「なぜ疑問形なんだ？」
「いや、だっておかしいだろ、あの構成？」
「そうか？」
「・・・あの、一応確認しますけど、シェラさん女子選手ですが？」
「そうだな。驚くほど色気の欠片もないが」
「女子って、３A-３Tのコンボとか、跳べましたっけ？」
「前例がないわけじゃない」
「俺はひとりしか知らねぇよ・・・」
「跳べるんだからいいじゃないか」

どこのアントワネットだ、とは胸中で呟いた言葉だ。
そういえば、男子選手のコーチで、４回転のトゥループがなかなか跳べない愛弟子に、「トゥループがダメなら、得意なフリップを跳べばいいじゃない」と言った女性がいたとか。
フィギュアのコーチはそんなんばっかりか、と思ったとしても、誰も文句は言えないだろう。

「ルッツもサルコウも入ってますけど」
「矯正中なんだから当然だろう？　試合に入れないでどうする」
「３回転のコンボも」
「３回転を含むコンビネーションは必須だ」

セカンドまで３回転にしろとは言ってねーよ、というのも、賢明にも黙っていた。

「何で単独３Aが４つ目なわけ？」
「さすがに３Aからのコンボと３回転コンボの直後では疲れるだろう？」
「・・・判断基準を詳しく伺ってみたいところですね」

俺ヴァッツのやさしさの在処が分からない、とげんなりして肩を落とすレティシア。

「それに、３つ目は苦手なルッツだ。プログラムの後半に難度が高い上に苦手なジャンプを持って行くのは、得策ではない」

３Aを後半に持ってく女子も、過去にひとりしかいませんでしたけどね、しかもその人はプログラムに３Aは１回だけでしたけどね、更に言うなら冒頭に予定していたジャンプが失敗したからリベンジしたんですけどね、というのも、黙っていた──というより、口にするのも何だか疲れてしまったのだ。
シーズン開幕まで、ひと月もない。
プログラムは完成しているとはいえ、ジャンプの矯正がまったく追いついていない。
ルッツの矯正に引きずられて、フリップも成功率がガタ落ちだ。
得意なはずのアクセルも、助走に微調整を加えているせいか安定しない。

「──でもま、お嬢ちゃんはスロースターターだし？　転倒はしちまうけど、エッジはだいぶ正確になってきたじゃないの」
「まだ頭で考えている」
「あ？」
「死ぬほど不器用なんだよ、あいつは。何でも器用にこなすように見えて、腑に落ちるまでに異様に時間がかかる。それまでは、『エッジはアウト、エッジはアウト』と考えながら滑っているから、踏切に勢いがない。１回転ならともかく、３回転ジャンプを跳ぶだけの思い切りがない」
「これからだろう？」
「そうだな」

いつも通り無愛想な男が焦っているようにはまったく見えなかったし、シェラ自身も黙々と調整を続けている。
レティシアも言った通り、シェラはスロースターターだ。
プログラムが完成するのはシーズン終盤、世界選手権に合わせてくる──というよりも、プログラムの難度が高すぎて、完成させるのにそれだけ時間がかかってしまうのだ。

「・・・らえ」

ぼそっと呟かれた言葉は、すぐ隣にいるレティシアの耳にも届かない程度だ。

「あ？　何か言ったか？」
「いや」

じっとリンクを、ジャンプの転倒から立ち上がるシェラを見つめるコーチの目は、痛いほどに真剣だった。



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あれ？　もしかしてヴァンツァーかっこいい？

２３：１１　こんばんは。
日記を見ていてメッチャ懐かしくなり、今聖闘士星矢読んでます。(＾_＾；)
まだ５巻なので、やっとシルバーが出てきたところです。テレビでやってたのは、長男がたしか５・６才位の頃だったけど、一緒にフィギア集めてました。漫画だけは引っ越しでも捨てずに持ってたのに、殆ど揃っていたあの子たちはいつの間にいなくなっちゃったのかな～。(;_;)
あと、２３巻！明日は一日読み続けることになりそうです。 by みんみん

みんみん様
こんばんは（＾＾）をを、同志よ！！（笑）私も時々読み返しますが、大抵１２宮編からです（笑）それも、双児宮からという偏りっぷり（笑）ムウ様は大好きですよ。あの一見穏やかそうに見える表情の奥に隠されたS心とか（コラ）アルデバランも豪快でいい男です。でも、やっぱりサガが好きなんです！　サガとシャカとカミュが好きなんです！！　黄金はイケメン揃いで大変オイシイです！！（コラ）
シルバーか・・・ミスティとか、懐かしいなぁ。シャイナさん大好き（笑）ポセイドン編のシャイナさんは、ひたすらかっこ良かった！　ミスティとアフロディーテを会わせたらどんな会話をするのかしら？（笑）でも、アフロディーテは別嬪さんですけど、意外と男前だと思うんです。年下ミロをいたぶりつつ可愛がってくれると私が楽しい（笑）デスマスクとアフロディーテとシュラは、悪友って感じですかね。シュラがひとりで苦労してそうですが（笑）
車田作品は、友情なのかそうでないのか、微妙なところがイイんですよねぇ。そして、熱い！！（笑）男たちが熱いのが良いんです。一輝とか、実はかなり熱い男ですからね。一輝とアイオロスは、橘の中でかっこ良すぎてずるい部類に入る人たちです。オイシイとこ全部持ってく感じ。
漫画は引越しのためにダンボールに入れてしまったんですが、必ずまた引っ張り出します！　カノンのダメダメ加減が見たくて（笑）本物のシードラゴンの人はどうしてるんだろう？　とか、考えちゃダメなんだろうなぁ・・・。
フィギュアは、持ってなかったなぁ・・・アニメのビデオと、LPは持ってました（笑）ビデオは１２宮編の氷河VSカミュをひたすら繰り返し見てましたね。あれは星矢の中でも一番の名勝負だと思っています。女神とか、神々の戦いとか、平和とか、そういうの抜きにして、純粋に師弟がお互いを強く信頼し、想いあっているその姿に心打たれました。どこまでも氷河を導く姿勢を貫くカミュがかっこいい。氷河とカミュの間で凍気が拮抗しているときに、カミュが意識を失くしている氷河に「目を覚ましてよけろ！」って言うのが、何か泣けてきて・・・。あぁ、敵じゃないんだなぁ、やっぱりカミュはお師匠様なんだなぁ、って思って読むたびにボロボロ泣きます（＾＾；）
あああ。こんなに長いこと書いてごめんなさい（＾＾；）最近、ほんと黄金熱高すぎて危ないんです・・・でも、星矢知ってる知り合いがあまりいないので、時々構ってやって下さい（笑）週末、楽しんでくださいねー（＾＾）


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。おっと、もうこんな時間ですね。今日も今日とて、星矢サイトめぐりです。そんなことしてる場合じゃないですが、やめられない止まらない。色んなサイトがありますが、皆さんそれぞれの聖闘士に対して一家言あって、なかなか興味深いです。デスマスクって、ただのやられ悪役じゃなかったのか・・・。
そうそう、ロストキャンパスの方も読んでますが、輝火（かがほ）が一輝の前世らしいって、最新巻を読んでようやく気づきました（笑）名前で気づけ、って話ですが・・・なんでアローン様、アローン様言ってるのかと思ったら、きっとハーデス瞬との関連なんでしょうね。しかし、冥闘士が今度は聖闘士か・・・いえ、これは私の勝手な推測ですけどね。でも、輝火、フェニックスになってたしなぁ・・・。間違いないと思うんだよなぁ・・・強いし、アローンひと筋だし（笑）悪ぶってるけど、一番熱くて男気に溢れた、やさしい男なんだろうなぁ、と思います。

あー。書き始めると止まらない・・・やばい・・・自重しなくては・・・

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同じ顔、同じ身長、同じ体重、──同じ力。
何もかもが同じだというのに、何ひとつとして同じところがない。

もしあるとすれば──。

８８の星座の頂点に君臨する黄金聖闘士の中に、星々さえ砕く力を持つ最強の聖闘士がいる──正確には、聖闘士『たち』が。
守護星座と同じく双子としてこの世に生を受けた彼らは、しかしその性質は正反対であった。
兄のサガは、神や天使のようだと言われ、聖人として人々に受け入れられていた。
実際、誰にでも分け隔てなく接し、弱きを助け強きを挫くサガは、次期教皇候補として目されており、聖闘士はもちろん雑兵からの信頼も厚かった。
女神アテナの戦士である聖闘士最強の黄金聖闘士も、現在は双子座と射手座が最年長だ。
他の星座の聖闘士たちは、天才的な戦闘能力で黄金の聖衣に選ばれたが、みな、まだ十代前半だった。
女神に代わって地上の平和と秩序を保つ絶対君主である教皇には、双子座のサガか射手座のアイオロスが選ばれるだろうと誰もが思っていた。

「──もう一度言ってみろ！」

神のようだと言われる男が、怒りを露に拳を振るう。
殴られた男はその拳の重みに耐え切れず、石畳に叩きつけられた。

「・・・何度でも言う。アテナに代わり、我らが地上を支配するべきなのだ」
「カノン！」

陽の光を受けて黄金に輝く聖衣を纏った男と、倒れこんでいる粗末な服装の男はまったく同じ顔をしていた。
顔だけではない。
髪の色も、体格も、その声すらも同じ。
ただ、同じ青い瞳でも、聖衣を纏った男の瞳が空の青であるのに対し、カノンと呼ばれた男のそれは海の青だった。
このカノンこそ、サガの双子の弟──もうひとりの、双子座の聖闘士だった。
このふたり、顔は同じだというのに表情がまったく違った。

「お前・・・先ごろ聖域に降臨なされたアテナをお守りし、地上の平和を保つのが我ら聖闘士の使命。それを」
「アテナなど、ただの赤ん坊に過ぎぬ。我らは星をも砕く力を持っている。我らの力をもってすれば地上の支配すら──」
「──黙れ！　貴様、それでもアテナの聖闘士か！！」
「──っ！！」

聖衣を──それも、黄金の聖衣を纏うことを許された聖闘士は、光の速さで動き、攻撃をすることが出来る。
その力は強大無比。
その気になれば、たったひとりで街ひとつを破壊するなど造作もない。

「・・・サガ。お前の方こそ、あんな赤ん坊を本気で守る気でいるのか？」
「無論のこと。アテナは巨悪と戦うために数百年に一度地上に降臨される。そのアテナを助け、地上を守るのが我ら聖闘士の使命。それを忘れた貴様は、最早聖闘士ではない」

兄の険しい表情と叱責に、カノンはしかし薄く笑ったものだ。

「・・・どうせ、俺は聖闘士にはなれん」
「・・・なに？」
「サガ。お前がその聖衣を纏っている限り、俺はお前と同じ力を持っていようとも、黄金聖闘士にはなれん」
「・・・・・・」
「そもそも、不吉な双子の弟は、表舞台にすら出られん」
「カノン」
「教皇も、アイオロスですら俺の存在を知らぬのだろう？」
「・・・・・・」
「『神のようなサガ』に、こんな出来の悪い弟がいたのでは、外聞が悪かろう」
「違う、わたしは」

ゆっくりと立ち上がったカノンは、昏い瞳をサガに向けた。

「だが、俺とお前の力は同等。外見も同じ。──なぁ、サガ。俺がその双子座の聖衣を纏ったら、みなが俺を『神』と呼ぶようになるのか？」
「・・・・・・」
「俺の手を取れ。我らふたりで、地上を支配するのだ」

ゆったりとその美貌に笑みを浮かべたカノンに、サガは奥歯を噛み締めると再度拳を振るった。



「──出せ！　サガ！！」

エーゲ海に臨むスニオン岬の先端。
その崖下に牢のような場所がある。
神の力をもってせねば決して抜け出すことは出来ないと言われる、罪人を捕らえるための檻。

「しばらくそこで頭を冷やせ、カノン」
「サガ！」

聖闘士最強の力を持ち、神とも呼ばれるサガにとって、この牢にカノンを閉じ込めることなど造作もない。

「その檻は、神の力をもってせねば開かん。アテナに祈り、赦しを乞え、カノン」
「貴様、実の弟をこのような目にあわせて何が楽しい！！」
「満潮時には、牢の中が海水で満たされる。聖衣のないお前が生き延びるには、神に祈る他ない。お前が悪であれば、そのままそこで朽ちる」
「サガ！　貴様！！」

背を向けて去っていこうとする兄に、カノンはあらんかぎりの声で罵声を浴びせた。

「サガ！　俺は知っている・・・神のようだと言われるその善人面の下に、お前が隠しているものを・・・お前こそが悪なのだ！！　サガ！！」

波音に遠のいていく弟の声。
アテナに祈れ、と突き放したけれど、サガこそがアテナに祈りを捧げていた。

──どうか、弟をお救い下さい。

あの牢からではなく、その心を。
力を欲し、力に溺れようとしている最愛の弟を。
どうか。


やがてカノンは、満潮を迎えるたびに海水に飲まれ、食事を摂ることも出来ず日に日に衰弱していった。
だが、もうダメだ、と思うと、何だかあたたかい光を感じてそのたびに九死に一生を得るのだった。
ある日、彼は牢の奥から何か強い小宇宙を感じた。
聖闘士の──サガのそれよりも強大な小宇宙。
今までに感じたことのないその力に、カノンは惹かれた。
もうほとんど身体に力は入らず、これ以上は死ぬ、という限界まできている。
だから、硬い岩壁を拳で叩き、ほんの少し周囲とは違う音のする場所を見つけたとき、最後の一撃だ、と思った。
この奥から、とてつもなく強大な小宇宙を感じる。
何かがある。
きっと、この奥に行けば生き延びることが出来る。

「・・・俺は、生きる・・・生きて、地上の支配者となるのだ・・・」

拳を固め、渾身の一撃を放った。

──その奥で、カノンはもうひとつの自分の運命と出会うこととなったのである。



サガが教皇を暗殺して聖域を乗っ取り、カノンが海皇ポセイドンの配下、ジェネラル・シードラゴンとして覚醒するまで、あと僅か。



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あはは、やべぇ。全然内容覚えてねぇ（笑）こんなんじゃないです、信じないで下さい。サガはもっとかっこよくて、カノンはもっとただのヘタレです。双子なのに、友達に「ねぇ、カノンってどんな顔してたっけ？」って訊いちゃったくらい、サガとの格差がすごいです、私の中で。
あ、そういえば、サガって女の子の名前なんですよね。北欧神話に出てくる女神様だったかな？　その名の通り、とっても別嬪さんです。黄金では、やっぱりサガが一番好きだなぁ。出てくるときの大半黒サガだけど。

よく分からないけど、この双子好きなんだわ（笑）

２２：５８　こんばんは。ご無沙汰しておりました。
いきなり気温下がって衣替えしなくてはっ！と、クローゼットの中をごそごそ(・・・整理？）していました。
マツコ・デラックスのCMを初めて見たとき、インパクトが大きすぎて(笑)驚きました。
『愛の形』愛っていろんな形がありますけど、こういう支えられかたっていいなって思います。どうしようもないときに、手を貸してくれるっていう。いい感じに大人なヴァンツァーですね♪
橘様。いきなり寒くなったので、暖かくしてお過ごしくださいませ。あまりご無理はしませんように。
それでは（*^_^*） by フィア

フィア様
おはようございます。引越しのために長袖をダンボールに詰めた途端に寒くなってどこを開ければ何が入っているんだか分からなくなっている橘です（T_T）
マツコさんは、キャラクターとしては毒舌ですが、しっかりと芸能界の昨今の状況や芸能人としての自分の立場を把握して発言の出来る素敵な方だなぁ、と思っております。あの妊婦姿、あんまり違和感ないんですよね。表情がすごく穏やかで素敵。
『保護者してるヴァンツァーはかっこいい』というのが私の中での唯一の鉄板なので（笑）救済してあげたいときは保護者発言をさせるようにしています。口煩くは言わないけれど、ちゃんと周りを見ていて、一歩離れたところから必要なときにアドバイスをくれる、というのが橘の中の『オトナ』観です。過干渉も過保護も、人間の成長を妨げると思うんです。２～４歳くらいまではでろっでろに甘やかした方がいいみたいですけどね。抱き癖がつく、とかいって触れ合いを避けるのは、あまり良くないようです。その後は、だんだんと距離を取りながら、成長を見守っていく、というのがあるべき姿かと。保護者は、子どもが間違いを犯したときに責任を取るために、でーん、と構えているくらいでちょうどいいんじゃないかなぁ、と思います。親もいなけりゃ子もいないヒヨッコの戯言ですけどね（笑）
でも、きっとその責任を取りたくない人が、子どもをがんじがらめに縛り付けて、自分の思うように動かさないと気が済まなくなっちゃうんじゃないかなぁ、と。少なくとも、自分の考えの及ぶ範囲での『間違い』はなくなるでしょうから・・・いやいや、朝からこんな長くて重たい話をするのはやめましょう（＾＾；）
フィア様も、これからますます寒くなってくると思いますので、どうぞご自愛下さいませー。


拍手を下さった皆様、ありがとうございます。眠いっす（コラ）でも、遊んだ翌日は何があっても遅刻せずに出社をする、というのが昔からのスタンスなので、目覚めて１０分で家を出ました（笑）おっかしーなー。アラーム３回セットしてるんですけど、３回目しか聞こえなかったんだよなぁ・・・おっかしーなー。