小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
どうしても、ミロ×カミュを書かなくては・・・
以下、事後っぽい感じかも知れなくもない。
ということで、今日は蠍座と水瓶座。
以下、事後っぽい感じかも知れなくもない。
ということで、今日は蠍座と水瓶座。
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「──暑苦しい」
秋口の朝晩は、肌寒い。
今年の夏は異常気象と言われるほども猛暑だったわけだが、ようやく夏が終わったかと思えば気温は一気に10度以上も下がった。
「ミロ。暑いと言っている」
それでも、大の男に背後から抱きすくめられるようにして──否、しがみつかれるようにして眠っていれば、寝苦しさに目も覚めようというもの。
ルビーのような見事な赤毛の男は背後の男の頭をぐいぐいと押しやったわけだが、そんなことで戒めを解くような可愛い性格をしていれば苦労はしない。
すーすーと規則的な寝息を立てているようだが、きっと狸寝入りだ。
どちらかといえば好戦的、敵を前にすると足元が疎かになるような男だから、当然空気など読めようはずもない。
牡羊座のムウ、乙女座のシャカ、山羊座のシュラといった、黄金聖闘士の中でも思慮深い面々からすると、『厄介な坊や』といったところだろうか。
自分と同い年──もっと言えば、ミロの方が誕生日は少し早いはずなのに、と赤毛の男、水瓶座のカミュは深々とため息を零した。
「いい加減にしないと、氷漬けにしてくれるぞ」
ただの脅しでもないのだが、ようやくミロは口を開いた。
「・・・お前の身体、ひんやりして気持ちいい・・・」
すり、と背中に額を摺り寄せてくる様子は、猛毒を持つ蠍とはとても思えない従順な仔猫のようだ。
長い金色の髪は、驚くほどにやわらかい。
これまた盛大なため息を吐いたカミュは、寝台の上で身を捩ると、ミロと向き合う格好になった。
コツン、と額に軽く拳を当てる。
「痛い・・・」
「次は、凍気を放つぞ」
「冷たいな」
「当然だ。わたしは宝瓶宮を預かる水瓶座の聖闘士なのだから」
「水と氷の魔術師、ね」
「魔術なぞ使った覚えはないが。ほら、どうでもいいが、いい加減離れろ」
「あと5分」
「勝手に寝ていろ。わたしには為すべきことが・・・」
「──とかいって、どうせまた氷河のところだろう?」
むぅ、と唇を尖らせる様子は、とても成人した男とは思えない。
我が弟子の方が余程聞き分けがある、と痛む頭を抱えたカミュだった。
「弟子の修行に付き合って何が悪い」
「お前は、何かっていうとすぐ氷河、氷河って。そんなに青銅のガキが可愛いか?」
「弟子なのだから、当然だろう。あの子は、わたしとの戦いの中で絶対零度の凍気を身につけた。それは黄金聖闘士であるこのわたしをも凌ぐ・・・」
「っかー! 親ばカミュ!!」
「お前も弟子をとれば分かる」
「やだね! 面倒くさい」
「後継者を育てるのも、我々の仕事だ」
「知るか」
「お前だとて、氷河の実力は認めていたではないか」
「それとこれとは話が別だ。だいたい、お前今日非番だろうが」
「馬鹿もの。非番でもないと、満足に訓練に付き合ってやれないではないか」
真剣そのものの表情で切り替えしてきたカミュに、ミロは一瞬言葉を失くした。
このカミュ、弟子には散々『どんなときもクールに徹しろ』と言いつつ、自分こそが弟子に対しててんで甘いのだ。
「・・・ったく、『はじめてのおつかい』かよ」
ボソッと呟くミロに、「何か言ったか?」と言いながら起き上がるカミュ。
細身ながら、しなやかな細剣を思わせる肉体は同じ男のものとはいえ美しいと思う。
赤い髪が白い肌に零れ落ちる様も、何とも言えない風情がある。
昨夜脱ぎ落とした服を拾って身につけようとしたカミュは、「あ」と彼らしくもない間の抜けた声を発した。
「・・・ミロ」
「なんだ」
「それはこちらの台詞だ。何だこれは!」
その美貌を思い切り顰めてカミュが示すのは、どうやら昨夜の痕跡のことらしい。
「あー。そんなとこにつけたっけ?」
夢中だったから覚えてないね、と明後日の方を向くミロに、カミュは「嘘を吐け!」と声を荒げた。
「あれほどつけるなと言っただろうが!」
「つけちまったもんは仕方ないだろうが。だいたい、お前だって乗り気で」
「黙れ!!」
ゴツン、と今度こそ脳天に拳を落としたカミュ。
もちろん本気の拳ではないが、それでも88の星座の頂点に君臨する黄金聖闘士の拳は、大地すら割る。
手加減していても、痛いものは痛い。
涙目になって頭を押さえたミロに、当然の報いだ、という表情で鼻を鳴らすカミュ。
「しばらくお前には近寄らん」
「えー」
「お前もわたしの視界に入るなよ。入ったらその場で氷漬けだ」
「無理、無理」
「煩い。問答無用だ」
まったく、氷河がこれを見つけたらどうするんだ、とぶつくさ言いながら服を着るカミュの腕を、ミロはぐいっと引いた。
突然のことにさすがのカミュもバランスを崩し、ミロの胸にぶつかるようにして倒れこんだ。
「──お前、いい加減に」
言いかけた言葉は、首筋に感じたくすぐったくも甘い痛みに掻き消された。
「見つけられるかどうか悩むんだったら、最初から見せちまえばいいんじゃないか?」
しれっと言って得意げな顔で唇を舐めた男に、カミュは一拍置いて拳を振り上げた。
「おっと。聖闘士には、一度見た技は二度と通じないんだぜ?」
ひらり、と寝台から飛び降りた男に、手加減なしの凍気を放つ。
「ちょ、馬鹿、お前、俺の宮が氷漬けになるだろうが!」
「知ったことか!!」
目元を染めて攻撃を仕掛けてくるカミュから逃げるフリをしながら、ミロはこっそりと口許に笑みを刻んだ。
──まったく、誰がクールだって?
He's not Cool.
He's so Cute.
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あはは。原形あるか、これ?
カミュ可愛すぎだろ、おい。
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