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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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ヴァンツァーも書いてあげよう。

そうそう。ヤフコメ見てると、アンチロシアが多いな(^^;)昨日のSPは、確かにロシア上げはあったし、レオノワたんのお休みのあるステップでレベル4は疑問だったりしました。今井さんはもっと点数出てもいいよね。あの絶品3Loったらないわ。でもたぶん、ロシア上げは、あれは真央たんと同じリンクに立っちゃったから余計に差が出ちゃっておかしく見えるんだと思うの。他の大会だったら、そんなにおかしく見えなかったと思うよ。真央たんと一緒だと、どんな選手でもそりゃ雑に見えるよ。手足はバタバタだし、ステップもスケーティングも荒いし。だからひとり別次元なんだって。

もともとレオノワたんはスタミナないから、お休みしないと完走できない選手。だからFSでは体力持たなくていつも終盤でバテちゃうんだけど、それを滑り切るだけのプログラム作ったモロゾフは、やっぱり選手をよく見てるよ。今からスタミナをつけさせるのではなく、今あるスタミナで滑れるプログラム。彼のプログラムに品性を求めてはいけない(笑)彼のプロはエンターテインメント。

**********

「トリプルアクセルなしで125か。立派なもんだ」

アクセルがシングルになってしまったショートプログラム翌日のフリースケーティングで、シェラはシーズンベストの点数を出した。
また、その得点は今季の女子シングル全選手の中でトップのもの。
プロトコルを見て呟くレティシアに、ヴァンツァーは鼻を鳴らした。

「トリプルアクセルを跳ばないシェラに、勝てる選手なんていない」
「──は?」

大技を決めるから勝てるんだろう? という顔をしている長年の友人に、ヴァンツァーは一瞬『馬鹿か』という顔を向けた。
レティシアは何も言わず、黙って耳を傾けてやった。

「女子でトリプルアクセルを跳べる選手はまずいない。ましてや、ショートで入れてくるなんて狂気の沙汰だ」

その狂気の沙汰のプログラムをバンバン作っては本人に滑らせている人間の言葉とはとても思えなかったが、レティシアは「それで?」と相槌を打つに留めた。

「決まれば大きいが、それは多少なりとも本人にとって重圧となる。ジャンプの調整が済んでいないうちからプログラムに組み込めば、失敗する確率は7割以上。だから、アクセルで失敗してダブルの点数すらもらえず、得点が伸びないから他の選手にも付け入る隙が出来る」

現在、彼らの前にあるリンクの上では、シェラと伯爵が滑っている。
特別なことは何もしていない。
ただ、ブレードの中心に体重を置き、ひたすら前へ、前へと滑っていくだけ。

「最初からダブルにしようと決めて跳べば、シェラのアクセルには必ず加点がつく。1点以上の加点がつけば、アクセルの評価は4点を超える。トリプルアクセルがアンダーローテーションだった場合は基礎点が6点、GOEでマイナスなら5点程度、ダウングレードならそれ以下だ。だったら、ダブルで加点を稼ぐ方が、得点を予想しやすい。大技を避ければ演技全体に余裕も出来る」

だから、アクセルをダブルにした演技の場合、シェラには付け入る隙がなくなる。
そう告げるコーチに、レティシアは猫のような眼を丸くして首を傾げた。

「分かってて、トリプルアクセル跳ばせてたのか?」
「あぁ」
「・・・去年も、ダブルだったらもっと結果が出たかも知れないのに?」
「そうだ」

はぁぁ、と深くため息を吐くレティシア。

「何でよ。お嬢ちゃんが落ち込んでるの、見てただろうが」
「落ち込んでるんじゃない。納得出来ていなかっただけだ」
「同じだろうが」
「根本的に違う。あれは、納得出来ないと滑れないスケーターだ」
「・・・何だ、それ」

この友人の口が達者だなどとは冗談でも思わないが、それにしても難解な言葉を使う。

「あれは感性豊かで感受性も強いが、だからこそ自分の演技に感じる違和感に過剰反応する。ジャンプを跳ぶとき、着氷、スケートの滑り方。そういうものひとつひとつに感じるちいさな歪を、無視することが出来ない」
「無視しちゃダメだろ」
「恐ろしく不器用なんだよ、あいつは。気になるとそこで止まってしまう。そして、納得出来るまで滑り込む。ここだ、というタイミングが見つかれば強いが、見つからなければ延々そこで悩み続ける」

ふぅ、と軽くため息を吐いたヴァンツァーは、傍らの男に目を向けた。

「俺は、シニアに上がって自分のプログラムから4回転を抜いたことは一度もない。ジャンプが抜けようが、転倒しようが、外そうと思ったこともない。助走の途中でエッジが引っ掛かろうが、跳んだあとで軸がずれようが、無視して跳んだ」
「・・・お前、まさか」

気づいてしまったレティシアは、リンクに目を戻した友人を見て肩を落とした。
頑固なこの男が、伯爵に頼みごとをした理由がようやく分かった。
ヴァンツァーには、『跳ぶな』と言うことが出来ない。
『跳ばない』ことは、彼自身にとって誇りを傷つけられる選択であり、だからこそ同じ選択をシェラにさせることが出来なかった。
また、正面から『跳ぶな』と言っても、シェラは反発して聞く耳を持たなかっただろう。
だからこそ、伯爵の存在が必要だった。

「・・・お前も、大概不器用だよな」

苦笑するレティシアに、ヴァンツァーは、ふん、と鼻を鳴らした。


**********

おいー。だから何でヘタレるんだよ・・・たっぱりダメだ。シェラを気遣うヴァンツァーを書くと、絶対ヘタレる。こいつは天上天下唯我独尊でないとダメなんだ・・・くっ・・・。
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