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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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ヘロリーヌではなく、フラリーヌ久遠です(笑)今日は稽古ないからさっさと帰って寝ます。でも、演出家とも話してたんですけど、帰ったって何かしちゃうんですよ(笑)眠いなら寝りゃいいのにさ。赤ん坊か、って話。泣きたいほど眠いなら、寝りゃいいんだよ(笑)

だが断る!!(笑)

景気付けに、小ネタだな。


**********

──楽しくて、仕方がなかったのだ。

「シェラはすごいな。自慢の娘だ」

そう、灰色の瞳を細め、大きな手で頭を撫でてくれる母。
忙しいのに、大会の日には必ず見に来てくれた父。
そして、スケートを始めるきっかけになった姉。

「すごいね! シェラは何でも跳べるのね!」

そう言って、サファイアのように綺麗な瞳をきらきらと輝かせて褒めてくれた。
嬉しくて仕方なかったのだ。
褒めてもらえることもそうだけれど、トリプルジャンプを跳ぶと、みんなが喜んでくれる。
目を大きく瞠って、にっこりと笑って、手を大きく叩いて喜んでくれる。
みんなの喜んでいる顔が見られる、それが何より嬉しくて、その顔を見たくてたくさん跳んだ。
トリプルアクセルを跳べるようになったときの歓声はひと際すごかった。
会場が揺れるほどの大きな歓声。
鳴り止まない拍手。
だから、またみんなに喜んでもらいたくて、たくさん跳んだ。

──けれど。

「あー・・・また転倒です」

シーズン開幕のグランプリシリーズ初戦。
そう実況するアナウンサーの声は聞こえなくても、会場にいる観客が「あぁ・・・」と残念そうなため息を零すのは耳に入る。
そこで、脚がすくむ。
次にジャンプが控えているから、気持ちを切り替えなくては──そう思っても、身体がついていかなくなる。
それでも何とか他のジャンプは成功させ、4分間のフリーの演技を終え、観客に礼をする。
みんな、あたたかい声援と拍手で迎えてくれるが、3アクセルが決まったときの歓声はこんなものではない。
『トリプルアクセルを見たかったな』と残念に思っていることは手に取るように分かる。
リンクサイドに戻ると、無愛想なコーチがひと言。

「よく立て直した」

顔の良さに反比例して性格は最悪な彼の口から、労いの言葉を引き出す──それこそが、もっとも悔しい瞬間だった。
練習で出来ていることが出来ない。
そんなもの、自分に負けた以外の何ものでもないではないか。
悔しくて、情けなくて、涙が零れそうになるのを必死に我慢する。
キス&クライで点数を待つ。
3アクセルの転倒。
基礎点8.20、回転不足を取られて2アクセルになっていれば3.50。
ここで5点近い差があり、その上技の出来栄えGOEでも減点、転倒で1点減点。
3アクセルならまだしも、2アクセルでの転倒となるとほとんど点数が残らない。

「スピンやステップでは加点がもらえる」

3アクセルの点をカバー出来たとしても、ジャンプひとつ分の点数が減ったことに変わりはない。
得点を見るのが怖かった。
表示された点数は、何とか100点を超えていた。
だが、基礎点だけ積み重ねても120は超えるように計算されたプログラムだ。
シーズン初戦とはいえ、厳しい。
ショートプログラムも、決して納得のいく出来ではなかったのだから。
何とか表彰台には乗れたが、自分も、観客も、満足してはいない。

「帰って分析する」

そのコーチの言葉に、シェラはただ頷いた。

**********

さて、仕事だ。
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