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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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いただけていて、嬉しいやら、心苦しいやら・・・。北海道からは無事に帰ってきました。帰ってきたと思ったら会社でインフル大流行で戦々恐々としておりましたが、どうにか今のところかかっていません。

そういえば今日はヴァレンタインデーですね。あまりヴァレンタインデーは関係ないですが、拍手をたくさんいただいているので、ほんのちょこっと小ネタをば。
ファロット一家の3カプ総出です。



**********

Side:ライソナ

「ご飯にする? お風呂にする? それとも、わ・た・し♪」

外出先から帰宅したライアンを待ち受けていたのは、フリフリエプロンも愛らしい彼の妻で。
いつもはおろしている髪を高めに結っている姿も可愛らしい。
お玉を抱えているのは、『キッチンから急いで出てきました』というアピールなのだろうか。
料理はあまり得意でないソナタだったが、時々こうして夕飯を作って待っていてくれることがある。
たまにもらえるご褒美のようで、ライアンはそれが嬉しくて堪らなかった。

「ん~、迷うなぁ」
「え~、迷うのぉ?」

ぷくっとわざとらしく頬を膨らませる愛しの妻に、ライアンはにっこりと微笑みかけてその華奢な身体を抱きしめた。

「決められないから、──ハニーを味見してからご飯にする」

『ただいまのキス』というには少し濃厚な口づけを、ソナタは『きゃーーーー』と思いながら受け止めたのだった。


+++


Side:カノキニ

「ご飯にする? お風呂にする? それとも・・・お、俺?」

もういっそ殺してくれ、と真っ赤な顔に書いてそんなことを言ってきた夫に、カノンは正直なところ一瞬『ムラッ』とした。

──くそっ・・・シェラが父さんにムラッとする気持ちがちょっと分かった・・・分かりたくなかったけど。

内心で悪態をついたものの、そこは天邪鬼なカノンのこと。

「ご飯」

無表情のままきっぱりと言い切って、すたすたと家の中に入っていく。

「あ、うん」

その声から明らかにほっとしているのが分かって、「あ、そうだ」とカノンは今気づいたように立ち止まった。

「え、なに?」

軽く首を傾げている夫に、カノンはにっこりと天使の笑みを向けた。

「ご飯食べたら──お風呂でするから」
「──ほわっ?!」

首まで紅くして飛び上がる夫の様子に、カノンはようやく満足したのだった。


+++


Side:ヴァンシェラ

「ご飯にする。お風呂にする。それとも私」

仏頂面で、玄関に仁王立ちしたシェラにそう言われ、ヴァンツァーは内心で首を捻った。
何か怒らせるようなことをしただろうか?
帰宅が20分ほど遅れたから怒っているのだろうか?
どれを選べばこれ以上怒らせなくて済むのだろうか、と一瞬のうちに頭の中で計算し、ヴァンツァーは口を開いた。

「お風呂でご飯を食べながらおま」
「馬鹿か」

考えてもいい結果にたどり着かなかったらしいヴァンツァーの言葉に、シェラはウジ虫でも見るような顔つきになった。

「こういうときは、嘘でも『お前』と答えるものだろう」
「作った料理が冷めるのは申し訳ない」
「だったら時間通りに帰って来い」

あぁ、やっぱりそれだったか、と納得したヴァンツァーは、素直に頭を下げた。

「悪い。思ったよりも混んでいて」
「道がか?」
「いや」

首を振ったヴァンツァーは、手にした鞄から小さな包を取り出した。
薄い、正方形の箱。
宝飾品店のものではないそれを見て、シェラは眉を上げた。

「──チョコ?」

シェラも知っている、かなり有名な店のものだ。

「・・・お前、並んだのか?」
「予約はしていなかったからな」
「この時期に? お前が? 女の子でいっぱいのチョコ屋で並んだのか?」
「それが?」

どんな酷い騒ぎになったのか想像に難くないが、それ以上にこの男も周囲の好奇の視線に晒されて、あまりいい思いはしなかっただろう。

「・・・ありがとう」

だから、ぽろりと口から出た言葉はあまりにも素直で。
ヴァンツァーはふっ、と口許を綻ばせると、銀色の頭を撫でた。

「ご・・・ご飯を食べたら、一緒に風呂に入ってやってもいい」

俯いているが、銀色の髪から覗くシェラの耳は紅くなっていて。
あぁ、可愛いなぁ、とヴァンツァーはその耳元に唇を寄せた。

「・・・楽しみだな」

耳朶に軽く歯を立てると、シェラは何事かを喚いてキッチンへ走って逃げてしまったのだった。


**********

みじか。お粗末さまでございました。
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