小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
えー、相変わらず4月1日に大遅刻ですが・・・
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──・・・人狼は、生命力が強いから。
そんな理由で、子どもを買った。
綺麗な顔をした子だったが、黒なんて不吉な色をした髪では買い手も躊躇う。
あの髪が金や銀、せめて茶色であったなら、王侯貴族にすら愛玩されたかも知れないほど、美しく成長することが約束されたような子どもだった。
魔具の制作が得意なおかげで金はいくらでもあった。
好色そうな太った商人との競り合いに勝ち、人狼の子どもの主人となった。
今は折れそうなほど細い両手足に嵌められた枷は、人狼の力を抑える魔具だ。
人狼は、魔力はほとんどないが、子どもでも拳ひとつで大木を折り倒せるほどの怪力を有する。
だから、それを抑えるための魔具をつけるのは、商品の身では当然なのだが・・・。
「今から、お前の手足の枷を外します。逃げても無駄なので、大人しくしているように」
「え・・・?」
丸くなった青い瞳は昏かったが、知性の光がないでもなかった。
仔狼がきょとん、とした顔をしている間に、見た目だけは頑丈そうだが、練り込まれた魔力も造りも稚拙で無骨で雑で──要するに、屑みたいな枷を外して、代わりに左手と右足に細い銀鎖をつけた。
「──あ」
違いが分かったらしい。
当然だ。
あんなものと一緒にされては困る。
「軽い・・・でも」
「逃げられないでしょう」
「・・・」
仔狼の呟きに言葉を返せば、きゅっと唇が引き結ばれた。
「あんな、重たいだけの粗悪なものなど、魔具だと思わないように」
「・・・」
「私の元から逃げ出さなければ、衣食住も教養も、ある程度の自由も、保証しましょう」
「自由・・・」
「私の屋敷は山の中にあります。その山も私の持ち物。その山の中ならば、自由に動き回ることを許します」
「・・・山から出たら?」
「出られません──私を、殺さない限り」
「・・・」
魔具は、製作者の魔力や生命と連動したものと、切り離されたものがある。
連動したものの方が、当然性能が高い。
その分量産することは出来ないが、広大な山に丸々結界を張れる程度の効力は持たせられる。
「人狼のお前になら、私を殺せるかも知れませんね」
薄く微笑めば、仔狼はその年齢からは考えられないような達観した顔で言った。
「理由もないのに、狩りはしない」
それに、と、青い瞳がひたとこちらを見つめてくる。
「あんな人間臭いところで好奇の視線に晒されるくらいなら、懐かしい山の中であんたに喰い殺される方がマシだ」
思わず、笑みが零れた。
「殺しはしません。10日に一度、ほんの少し血を分けてくれればそれでいいのです」
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人狼の子ヴァンツァーと、吸血鬼っぽいシェラ。
纏まりませんが、何かちっちゃいヴァンツァーが成長して正しく狼になってくれることを祈りたい気分のため(コラ)
えー、毎日21時、22時まで会社にいると、帰ってきてシャワー浴びて寝るだけで精一杯で。休みの日は死んだように寝てたりします。
ごめんね、ヴァンツァー、遅くなって。きみのことは大好きなんだよ。うん。ほんと。
先月は80時間近く残業しました。あはは。新記録! 休日出勤もしました。もっとたくさん働いている方もいらっしゃるでしょうが、橘的にはそこそこ大変な毎日でした。フィギュアも、1ミリたりとも見てないですし。
何も更新していないのにいらして下さったり、拍手まで下さっている皆様には、本当に申し訳ない限りです。新入社員も入り、初めて後輩というものが出来、来週からOJTが始まる予定です。更に忙しくなることが予想されますが、何か少しでも、皆様の目に触れるものを書きたいな、という気持ちはあります。
GWくらいまでに、また何か書けたらいいな・・・。
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