小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
可愛げ。
これですね。これさえあれば、たとえちょっとばかし顔がイケてなかろうと、背が低かろうと、愛せるかも知んない(コラ)
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「アイスコーヒーでも飲む?」
あっつい、あっつい、と手でパタパタ扇いでいたソナタは、とりあえずすることもないのでそう訊ねてみた。
「冷蔵庫に水出ししたものが入っている」
「りょーかーい」
熱湯で淹れるよりもずっと時間がかかるが、アイスで飲むなら珈琲は水出しが一番だ。
ぽたぽたと、8時間もの時間をかけてゆっくり、ゆっくり一滴ずつ抽出されていくのをぼーっと眺めているのも、涼味があって良い。
グラスにたっぷりと氷を入れて注げばカラン、と軽やかな音がして、それだけでも気分が爽やかになる。
リビングへ戻ったソナタは、手を差し出してきた父には直接グラスを渡し、友人兼義兄(?)の分はテーブルにそっと置いた。
「「ありがとう」」
「いいえ~」
にっこり笑って自分もソファに座ったソナタだが、はた、と気づいてキニアンに言った。
「──動けなくない?」
ソファに背を預けて座りながら膝の上に眠り姫を抱えているのでは、テーブルに手を伸ばすこともままならないだろう。
だから父は手を伸ばしてきたのか、と今更気づく。
「・・・あー、悪い。取ってもらってもいいか?」
「うん、いいよ」
はい、と渡してやると、ほんの微かな振動だったはずなのに、カノンは薄く瞼を持ち上げた。
「・・・やば」
思わず動きを止めたキニアンは、グラスを掴んだ手を伸ばしたまま、眼下の美貌を見つめた。
「・・・・・・ス?」
まだ眠りの中にいるのだろう。
覚醒していない呟きに、キニアンは「もうちょっと寝てろ」と返した。
「ん・・・」
にこっ、と無防備な笑みを浮かべた天使は、頭上の王子にちゅっ、とキスをすると再び眠りに就いた。
「──・・・・・・・・・・・・」
石像のように固まっているキニアン。
それを見てソナタは呟いた。
「ほら。やっぱりデレてる」
「・・・・・・」
なおも無言の青年に、呆れた視線を向ける。
「ティッシュ持ってきてあげようか?」
鼻血出そうなんでしょ、と言えば、青年は口許を覆ってこう答えた。
「──・・・バスタオルにして下さい」
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きょーあくだな。
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