小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
寝てしまう・・・
中華じゃなかった・・・中華屋っぽい名前だったのに・・・まぁ、美味しかったけど。しかし、わざわざ池袋までいかんでも・・・しかも3時間以上とか・・・眠いっす。
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いちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃ。
「でね、シェラがちょー怒っちゃって」
「あはは。パパさんも大変だねぇ」
「でもね、でもね、パパが『ごめん』って言ってキスすると、シェラ、『馬鹿っ!』とか言いながら真っ赤になって、結局赦しちゃうんだよー。もー、ちょー可愛いよね~~~」
「シェラさんは、パパさんのこと大好きだからねぇ」
ベタベタベタベタベタベタベタベタ。
「何だかんだ言って、シェラたちって理想の夫婦だと思うの」
「うん。そうだね。『喧嘩するほど仲がいい』の典型だよね」
「・・・ソナタたち、喧嘩しないけど」
ちょっぴり不安気な顔で上目遣いになる美少女に、金髪美人は碧眼を笑ませた。
「だって、ソナタちゃんが怒らないから。シェラさんたちだって、シェラさんが怒ってるだけでしょう?」
「そういえば・・・パパが怒るのって、シェラが髪切るって言い出したときくらいだし」
「夫婦なんてね、特殊な例を除けば、女の人が怒らなければ、平和なもんなんだよ」
「そっかぁ~。なら安心だね~」
と笑ってむぎゅっとライアンに抱きつくソナタ。
そんなふたりの向かいには、もうひと組のカップル。
片やどこを見ていいものか目のやり場に困っている長身の美青年。
片や華奢な紅茶のカップの持ち手を折らんばかりの形相をしている銀髪の美青年。
むかむかむかむかむかむかむかむか。
そう、全身で訴えている隣の恋人に、キニアンはかける言葉が見つからなかった。
──まーた、妹取られて悔しがってるのか。
そんな風に思っていたのだ。
お互いに恋人が出来たことでシスコンからは卒業かと思っていたのだが、カノンのそれは筋金入りらしい、と頭の片隅で思いながら珈琲カップを傾ける。
「・・・アリス」
完全に据わった眼で妹カップルを凝視していたカノンに声をかけられ、キニアンは「んー?」と生返事を返した。
「──ぼくたちも、いちゃいちゃするよ」
「──は?!」
何言ってんだこいつ、という目で隣を見たキニアンだったが、カノンの表情は真剣そのものだ。
「だってずるい!」
「は? 何だよ、ずるいって」
「ずるいの! ぼくもいちゃいちゃするの!!」
「ばっ、おま・・・はぁ?!」
普段は頼んだってそんなことしてくれないくせに、何でわざわざ人前でそんな気になるのか。
ここじゃなくてふたりでいるときにその気になってくれ、と叫びたいくらいの気分だった。
しかし、『さぁ、早くハグをしろ』と訴えてくる菫色の瞳に、どう反応していいのか分からなくなる。
頬を引き攣らせて見ていたら、むぅぅぅぅ、と形の良い唇が尖り出した。
──あ、やばい。
泣く、と思ったら、むぎゅっ、とばかりに抱きつかれた。
そのまま思考はフリーズ。
ほんの数秒だっただろうが、頭の中は疑問符でいっぱいだった。
──なんぞ、この可愛い生き物は・・・。
あれか? 影武者か?
それとも双子の・・・いやいや、双子の妹は目の前にいるし、じゃあこの抱っこちゃん人形みたいな生き物は一体何なんだ???
と思っていたら、何だか生あたたかい視線を感じてそちらに顔を向けた。
──にへ~
という形容がぴったりの何とも言えない春っぽい顔つきをした金黒カップルに、この有様を見られているのだと自覚した途端、顔に火がついたようになった。
「──ちょっ、カノン! 離れ」
「煩い、馬鹿!」
「はぁ? お前、言ってることとやってることがかみ合ってないぞ!」
「黙れ、ヘタレ甲斐性なしわんこ!」
「お前、俺が頼んだってこんなことしないくせに!」
「アリスの言うことなんか聞くわけないでしょ?!」
ばっかじゃないの?! と、さも当然のように言い放つ女王様に、思わず黙ってしまった。
本音を言えば離れて欲しくはないのだけれど、この場で、人がいる前でこんなことをするのはちょっと耐えられない。
だったら家に帰ってから、とか色々言いたいことはあるのだけれど、上手く言葉が出て来ない。
「あはーん。カノンたちも、『喧嘩するほど』のタイプね」
「そだね。お兄ちゃん、可愛いなぁ」
「──ソナタは?」
見上げてくる藍色の瞳に、ライアンはにっこりと微笑んだ。
「もちろん、──ソナタちゃんが一番!」
そう言って、華奢な身体を抱きしめたのだった。
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平和だ・・・私の頭の中以外(コラ)
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