小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
2駅寝過ごし。今日はなかなか寝付けなくて、カノキニ妄想しながらうとうとしてたんです。そうしたら、プツッ、て記憶が途切れたのね(笑)いや、アラームセットして乗ればいいんですけどね、最初から。でも、寝ちゃうと振動に気づかないし・・・。
そんなわけで、月曜の朝からこれで大丈夫なのか、橘?! な感じです。あ、今日はフレンドパークに真央ちゃんたち出ますねー。天然4人組です(笑)
以下、寝る前に妄想していたカノキニです。
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夜中に電話がかかってきて、慌てて迎えに行った。
あの気位の高い女王様が、
「・・・声、聴きたくなった」
なんて言うから。
昼間一緒にいたときは、全然そんな素振りは見せなかったのに。
制限速度めいっぱいまで車を飛ばして、ファロット邸へ。
夜中に訪問した非礼を詫びると、シェラさんはくすくす笑って首を振った。
「こちらこそ。夜中にごめんね?」
「いえ・・・俺は全然構わないんですけど・・・」
カノンは? と訊ねると、ダイニングの方から、父親の背中に隠れるようにして出てきた。
人見知りの子どもみたいな態度に、思わず目を丸くした。
「カノン?」
どうした? と声をかけるが、広い背中の向こうから、出て来ようとしない。
何だか、怯えているようにも見える。
「何かね、『帰る』って言ったのに、電話しちゃったから怒られるんじゃないかと思ってるみたい」
「──へ?」
びっくりだ。
別に喧嘩別れしたわけでもないのに、何でそんな風に思ったのか。
この女王様は、本当に、何と言うか・・・。
「・・・カノン、おいで」
両腕を広げて見せたが、まだヴァンツァーさんの背中に隠れてこちらを覗っている。
どちらかといえば、呼び出されたことよりもそちらに腹が立つ。
「怒ってないよ。おいで?」
「・・・・・・」
再度呼べば、ちらり、と頭上にある父親とアイコンタクトを取る。
そうして、たたた、と駆けてきたと思ったら、そのまま抱きつかれた。
一瞬、頭が真っ白になった。
いや、手を広げて待ってはいたが、まさか抱きつかれるとは思っていなくて・・・。
「・・・えーっと・・・」
目の前にはファロット家の皆さんがいるわけで。
ぎゅう、と抱きつかれたこの状態に、赤面するな、と言う方が無理で。
「悪いんだけど、明日も付き合ってあげてくれる?」
日曜だし、と微笑んでいるシェラに、「あぁ、はい」と生返事を返す。
特に予定はなかったし、それは全然構わないけれど・・・さて、この女王様をどうしたものか。
「・・・お預かり、します」
「よろしくね」
ひらひらと手を振るシェラたちにお辞儀をし、家を出る。
俯いている女王様の手を引き、助手席に促した。
車を出し、ちらり、と隣を盗み見る。
「・・・どうかしたのか?」
「別に・・・理由がなきゃ電話しちゃいけいないわけ?」
「そんなことないけど・・・昼間一緒にいたのに、どうしたのかな、って」
思っただけだ、と言ったら、キッ、と睨まれたのを、横顔に感じる。
運転のために前を向いているのだが、頬のあたりに刺さるような視線を感じる。
「何で怒らないの?!」
「・・・は?」
突然癇癪を起こされて、間抜けにもそうとしか返せなかった。
「夜中に呼び出されたんだよ? 腹立たないわけ?!」
「いや、別に・・・」
「だったらさっき言えよ、とか思うでしょ?!」
「え、でも気が変わったんだろう? それはそれでラッキーっていうか」
「ばっかみたい!」
ふんっ、とそっぽを向いてしまった女王様に、「はい、そうですね」としか返せない。
何でそんなに不機嫌なのか、まったくもって分からない。
謎だ。
自分としては一緒にいられるならそれでいいのだけれど、この女王様は違うらしい。
とりあえず、このご機嫌ナナメを通り越してむしろ真っ逆さまの状態をどうにかしないと、ひと晩中喧嘩して──かなり一方的だが──過ごすことになりかねない。
アパートに到着し、部屋に招き入れると、玄関先で唐突に襟首を掴まれた。
──え、殴られる・・・?
思った直後にキスをされて、殴られるよりも強い衝撃に襲われた。
「・・・あの、カノンさん?」
「なに」
「・・・いや、何はこっちの台詞だけど」
「だから何?」
「・・・や、あの、いきなりするから」
「は? いちいち『これからキスします』って宣言しろってこと?」
「いや、そういうことじゃなくて・・・」
「わけ分かんない」
こっちの台詞だよ、と思いはしたが、まだぷんすか怒っている──らしい──女王様を、ソファに座らせる。
アパートとはいえ、楽器を扱う関係から狭いながらもそれなりの防音設備はある。
まぁ、今の時代木造でもなければ防音効果のない家を探す方が難しいが。
怒鳴りあいの喧嘩をしたところで近所迷惑になる心配はほとんどないけれど、機嫌が直るならそれが一番いい。
「何か飲むか?」
「ミルクたっぷりの濃いの」
「・・・普通にロイヤルミルクティーって言って下さい」
「なに想像したの? やーらしー」
「はいはい。どうせ俺はそればっかりですよ」
ソファの上でクッションを抱えている女王様にため息を零し、キッチンへ。
カノンの好みそうなものは、ひと通り揃えてある。
シェラさんに教わって、紅茶の淹れ方もだいぶ上達した。
時間があれば、今度はお菓子の作り方でも教わろう。
マフィンとかなら難しくないかな、と思って紅茶を煮出していると、背後に気配。
いつもは足音もしないし、気配にも気づけないことが多いのだけれど、今日はちょっと違った。
「──カノン?」
振り返ると、ぶすっとした表情で、目線を逸らしている。
「もうすぐ出来るから」
「・・・邪魔って言いたいわけ?」
「違うよ」
「じゃあ別にいいじゃん」
「まぁ・・・いいけど」
本当に、何がしたいのかよく分からない。
この女王様を理解するには、一生かけても足りない気がする。
とりあえず、今は牛乳を沸騰させてしまわないように注意しなければ。
それなりに飲める紅茶を出せば、多少は落ち着くだろう。
「・・・アリス」
「んー?」
「キスして」
「──・・・・・・」
本当に何なんだ、とは思ったが、自宅だし、誰に憚ることもないので、身をかがめて唇を啄ばんだ。
「もっと」
「沸騰しちゃうよ」
「じゃあ火止めて」
「もうすぐ出来るか、ら──」
横から伸びてきた手がコンロの火を止め、また襟首を引っ張られた。
咄嗟にカノンの身体をコンロから離したのだけれど、一歩間違えば火傷をしてしまう。
「・・・あっぶないな」
「文句あるの?」
「あるよ。火傷したらどうするんだ」
「チェリストの大事な手だもんね」
「違うよ、お前だよ」
「・・・・・・」
せっかく真っ白い綺麗な肌なのに、火傷の痕が残るなんて考えただけでぞっとする。
「ほら、すぐ出来るから。あっちでおとなしく待ってろ」
「・・・・・・」
むすっとした顔で、カノンはキッチンを出ていった。
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・・・やべぇ・・・キニアンみたいな彼氏欲しい(笑)
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