小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
今日! 新しいモデムが届くはず!! 2日もネットに繋げなかった・・・いや、橘にとっては死活問題なのですよ。テレビはいらないけど、ネットは必須。
さ。バレンタインデーは普通にスルーしてしまったので、またもやわんこにちょっと癒してもらいましょう。
さ。バレンタインデーは普通にスルーしてしまったので、またもやわんこにちょっと癒してもらいましょう。
**********
実の子どもたちと同じくらい可愛がっている青年から深刻そうな顔で言われ、ヴァンツァーは思わず居住まいを正した。
「・・・俺、もうダメかも知れません」
「ダメ?」
「こんな風になるなんて・・・」
何のことだ? とヴァンツァーが問えば、「カノンのことなんです」という言葉が返ってきた。
この世の終わりのような顔と話の内容から察するに、喧嘩をして離婚の危機とかそんな感じだろうか、と考え、ヴァンツァーは正していた居住まいを少し崩した。
この青年が何を心配しているのかは知らないが、そんな危機はないに違いないのだから。
それは杞憂だ、と伝えようとしたヴァンツァーの前で、キニアンは何かを決意したように顔を上げた。
そうして、こう言ったのだ。
「俺・・・──カノンのこと、猫可愛がりしたくて仕方ないんです!!」
「・・・す」
「それって、ダメ男の典型じゃないですか?!」
ぽかん、として「すれば?」と返そうとしたヴァンツァーの言葉に被せるように、キニアンが縋りつかんばかりの様子で言った。
「そもそも、俺そんなキャラじゃなかったはずなんですよ。何かこう、もうちょっとクールで、落ち着きがあって、『俺に惚れると怪我するぜ』くらいの性格だったはずなんですけど」
「・・・・・・」
何だかものすごい既視感を覚えたヴァンツァーだった。
身に覚えがありすぎて、気づいたらキニアンの頭を撫でていたくらいだ。
「・・・ヴァンツァー?」
「いいんじゃないか? カノンも喜んでるだろうし」
「いや、だって、四六時中頭撫でていたいとか思ったり」
「あるある」
9割方嫌がられるけど。
「カイロ代わりに膝の上載せてみたり」
「よくある」
ものすごく邪険にされるけど。
「並んで歩いてるときだって、『こいつ軽いし、抱いて運べばいいじゃん』って思ったり」
「いい考えだな」
絶対させてくれないけど。
「ヴァンツァーも、そんな風に思うんですか?」
「俺はどちらかと言えば、触れるかどうかくらいで手を繋いで歩く方が好きだが」
しっかりと手を繋ぐのも悪くはないが、ほんの少し、さりげなく指先だけを絡めて歩く。
すぐに離れてしまいそうなもどかしさと、それでも触れているという安心感がいい。
──それくらいなら、シェラの許容範囲だというのが、一番大きな理由なのだけれど。
「うわぁ・・・何かオトナですねぇ・・・」
感心したような青年の声音に、ヴァンツァーはちいさく笑った。
「たぶん、今アルのいる地点を通過すると、そんな風に思うようになる」
「猫可愛がり?」
「あぁ。ケージに入れて、顔だけ出させて自慢して歩きたい気分だろう?」
「──それです!!」
だって可愛いんだもの、というのが、このふたりの共通意見であった。
見た目ももちろん可愛いのだが、何と言っても性格だ。
「何なんですかね。あの天然小悪魔」
「計算しているような、していないような」
「していないときの方が、もっと可愛いような」
「分かる」
ばっちり意気投合した男たち。
「昨日のヴァレンタインデー、チョコもらったんですけど。何かずっとにこにここっち見てるから何かなぁ、と思ったら」
はぁ、とため息を吐いたキニアンに、ヴァンツァーは首を傾げた。
「自分のリボンタイ指さして、にこにこ笑ってるんですよ」
「──あぁ。追加のプレゼントがあったわけか」
こくり、と頷く青年。
「もう、どうしてやろうかと」
「存分に可愛がってやるのがいいと思う」
「そうしました」
「よし」
「ヴァンツァーの方は、どうだったんですか?」
「うちは、俺がやることの方が多いかな」
「意外です。シェラ、料理得意なのに」
「あんまり、イヴェントを気にする性格じゃないんだ」
「へぇ。で、昨日はどうだったんです?」
そんな感じで、まるで乙女の恋バナのような会話を展開するふたりなのだった。
**********
ファロット一家で一番の男前はソナタです。一番乙女・・・というか、女々しいのはヴァンツァーです。ただし、ヴァンツァーはシェラと身内以外の人間には、クールを通り越してドライです。溺愛か無関心か。それが問題だ(コラ)
あー、そんなこと言ってたら、石田さんと櫻井さんのハムレットが聴きたくなってきた・・・
実の子どもたちと同じくらい可愛がっている青年から深刻そうな顔で言われ、ヴァンツァーは思わず居住まいを正した。
「・・・俺、もうダメかも知れません」
「ダメ?」
「こんな風になるなんて・・・」
何のことだ? とヴァンツァーが問えば、「カノンのことなんです」という言葉が返ってきた。
この世の終わりのような顔と話の内容から察するに、喧嘩をして離婚の危機とかそんな感じだろうか、と考え、ヴァンツァーは正していた居住まいを少し崩した。
この青年が何を心配しているのかは知らないが、そんな危機はないに違いないのだから。
それは杞憂だ、と伝えようとしたヴァンツァーの前で、キニアンは何かを決意したように顔を上げた。
そうして、こう言ったのだ。
「俺・・・──カノンのこと、猫可愛がりしたくて仕方ないんです!!」
「・・・す」
「それって、ダメ男の典型じゃないですか?!」
ぽかん、として「すれば?」と返そうとしたヴァンツァーの言葉に被せるように、キニアンが縋りつかんばかりの様子で言った。
「そもそも、俺そんなキャラじゃなかったはずなんですよ。何かこう、もうちょっとクールで、落ち着きがあって、『俺に惚れると怪我するぜ』くらいの性格だったはずなんですけど」
「・・・・・・」
何だかものすごい既視感を覚えたヴァンツァーだった。
身に覚えがありすぎて、気づいたらキニアンの頭を撫でていたくらいだ。
「・・・ヴァンツァー?」
「いいんじゃないか? カノンも喜んでるだろうし」
「いや、だって、四六時中頭撫でていたいとか思ったり」
「あるある」
9割方嫌がられるけど。
「カイロ代わりに膝の上載せてみたり」
「よくある」
ものすごく邪険にされるけど。
「並んで歩いてるときだって、『こいつ軽いし、抱いて運べばいいじゃん』って思ったり」
「いい考えだな」
絶対させてくれないけど。
「ヴァンツァーも、そんな風に思うんですか?」
「俺はどちらかと言えば、触れるかどうかくらいで手を繋いで歩く方が好きだが」
しっかりと手を繋ぐのも悪くはないが、ほんの少し、さりげなく指先だけを絡めて歩く。
すぐに離れてしまいそうなもどかしさと、それでも触れているという安心感がいい。
──それくらいなら、シェラの許容範囲だというのが、一番大きな理由なのだけれど。
「うわぁ・・・何かオトナですねぇ・・・」
感心したような青年の声音に、ヴァンツァーはちいさく笑った。
「たぶん、今アルのいる地点を通過すると、そんな風に思うようになる」
「猫可愛がり?」
「あぁ。ケージに入れて、顔だけ出させて自慢して歩きたい気分だろう?」
「──それです!!」
だって可愛いんだもの、というのが、このふたりの共通意見であった。
見た目ももちろん可愛いのだが、何と言っても性格だ。
「何なんですかね。あの天然小悪魔」
「計算しているような、していないような」
「していないときの方が、もっと可愛いような」
「分かる」
ばっちり意気投合した男たち。
「昨日のヴァレンタインデー、チョコもらったんですけど。何かずっとにこにここっち見てるから何かなぁ、と思ったら」
はぁ、とため息を吐いたキニアンに、ヴァンツァーは首を傾げた。
「自分のリボンタイ指さして、にこにこ笑ってるんですよ」
「──あぁ。追加のプレゼントがあったわけか」
こくり、と頷く青年。
「もう、どうしてやろうかと」
「存分に可愛がってやるのがいいと思う」
「そうしました」
「よし」
「ヴァンツァーの方は、どうだったんですか?」
「うちは、俺がやることの方が多いかな」
「意外です。シェラ、料理得意なのに」
「あんまり、イヴェントを気にする性格じゃないんだ」
「へぇ。で、昨日はどうだったんです?」
そんな感じで、まるで乙女の恋バナのような会話を展開するふたりなのだった。
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ファロット一家で一番の男前はソナタです。一番乙女・・・というか、女々しいのはヴァンツァーです。ただし、ヴァンツァーはシェラと身内以外の人間には、クールを通り越してドライです。溺愛か無関心か。それが問題だ(コラ)
あー、そんなこと言ってたら、石田さんと櫻井さんのハムレットが聴きたくなってきた・・・
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