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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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行ってきました、妹&ちびすけと。久々に大声出しました。もう、色々溜まりすぎてて(笑)でも、腹筋ないわ、喉鍛えてないわで、全然声が出なくて・・・妹は調子良かったので、「・・・お主、やりよるのぅ」とか言いながら楽しく歌ってきました。
ふたりとも、ずっと行きたがってたんですけど、この前行こうとしたときは夜遅かったのでちびすけが年齢制限に引っかかり・・・何ヶ月越しかで行ってきました。5時間くらい行ってたのかな?(笑)

カラオケの前にはおじにあげる父の日的なシャツを探しにヨーカドーに行ってきました。ちびすけと手を繋いで歩いてたんですが、シャツを探すことに忙しい妹はあちこち行っちゃうので、ちびすけは「ママ~、ママ~」って、探すんですよねぇ。泣いてるわけじゃないんですけど。「ママどこ?」って。で、服のハンガーとか、陳列棚とかあると、子どもの目線じゃ絶対親なんて探せないわけで。ありゃあ迷子にもなるよなぁ・・・全然見えないもん。きっと、子どもの視界で見たら、何でもかんでも自分に迫ってくるように見えるだろうなぁ。ちびちゃんのお手々は離しちゃいけないなぁ、と改めて思いました。

そんなわけで、ちびっ子を書きたくなったので(笑)たくさん書きたいので、四つ子ですかね。

**********

野山の緑は青々と生い茂り、日差しが強い日は汗ばむくらいの陽気になってきた初夏の頃。
ファロット一家の仲良し四つ子のきょうだいたちは、家の裏庭──山ひとつ分あるので、『裏山』が正しいのかも知れない──で遊んでいた。
次男と三男は木陰で読書。
次女と三女は花を摘んだり、蝶を追いかけたりしている。
幼稚園の年中さんな彼らであったが、妹たちは同年代の子たちよりも少々小柄だ。
まぁ、この歳の子たちは同じ学年でも4月生まれと3月生まれでは成長の度合いがまったく違うので、そうそう気にすることでもないのだけれど。
それでも、兄ふたりは妹たちを大層可愛がっており、今も、読書をしながらも、きちんと妹たちの行動は視界の端に入れている。

「ロンちゃん、ロンちゃん」
「フーちゃん、フーちゃん」

とてとて、と駆け寄ってきた妹たちに、少年ふたりは読んでいた本を閉じて傍らに置いた。

「あげる」
「あげる」

どうぞ、と妹たちが差し出してきたのは、四つ葉のクローバーだった。
左右色違いの瞳をきらきらとさせているアリアとリチェルカーレに、ロンドとフーガは目を丸くした。

「ふたつも見つけたの?」
「うん」
「あったの」

にこにこぉ、っと。
少々人見知りをする少女たちは、家族以外の前だと途端におとなしくなってしまうのだが、大好きな兄ふたりや、大きな兄と姉、両親を前にしたときは、にこにこ笑ってたくさんお喋りもする。

「すごいな。自然界での四つ葉のクローバーの発生率は、1万分の1くらいなのに」

ありがとう、と言いながらフーガが葉っぱを受け取ると、ロンドも両手の平を妹に差し出して葉っぱを受け取った。

「アーちゃんとりっちゃんは、すごくラッキーだってことだね」

ロンドの言葉に、妹ふたりは揃って首を傾げた。
ふわふわの癖っ毛と、真っ直ぐさらさらな銀髪が肩から溢れる。
きょとん、と色違いの瞳を丸くしている妹に、ロンドも目をぱちくりさせた。

「まだあるよ?」
「あっちにもあるよ?」

アリアとリチェルカーレが同じ方を指さすので、ロンドとフーガは顔を見合わせた。
そして、妹たちに連れられて3分ほど歩いて向かった場所には、確かに四つ葉のクローバーがあったのだ。

「・・・すごい」
「アーちゃん、りっちゃん、よく見つけたね」

感心しきりの兄たちの言葉に、妹ふたりはまたもや首を傾げた。

「「あっちにもあるよ?」」

そして、今度は5分ほど歩いた。
そこにもやはり、四つ葉のクローバーは存在したのだ。
さすがに言葉をなくすロンドとフーガ。

「・・・これ、いつ見つけたの?」

ロンドが訊ねれば、妹ふたりは声を揃えた。

「「いま」」

フーガは菫の瞳を真ん丸にした。

「・・・いま?」
「「いま」」
「・・・もっと前じゃなくて?」
「「いま」」

どういうことだ? と顔を見合わせるロンドとフーガ。

「よつばさんは、きらきらしてるの」
「きらきらしてて、きれいなの」
「きれいだから、ロンちゃんとフーちゃんにあげるの」

ねー、とにっこり笑い合う妹たちに、ロンドとフーガはもらったばかりの四つ葉をしげしげと眺めた。
青々としてとても綺麗だけれど、きらきらはしていない。
珍しいは珍しいけれど、ごくごく普通の四つ葉のクローバーだ。

「・・・偶然にしちゃ、確率高すぎるな」
「アーちゃんたちには、きらきらして見えるってこと?」
「もしかしたら・・・そういう、『能力』なのかも」

フーガの言葉に、ロンドは目を丸くした。

「超能力、ってこと?」
「そういうのかどうかは分からないけど・・・こんなに離れた場所にある草1本なんて、いくら目がいいって言っても普通見えないし」
「足元にあったって、たぶん気づかないよね」

ロンドの言葉にフーガは頷いた。

「ルウが、色違いの瞳には、強い力が宿ることがある、って言ってたから」
「うわぁ、すごいなぁ!」

アリアとリチェルカーレをぎゅっと抱きしめるロンド。

「ロン・・・」

若干眉をひそめたフーガであった。
というのも、こういう特異能力のようなものは、周囲に知れると面倒なことになることも少なくない。
変なヤツらに追い掛け回される危険がないでもないのだから。
家の中であれば口にしても構わないが、あまりおおっぴらにはしない方が・・・と言おうとしたが、ロンドの言葉の方が早かった。

「すごいや。アーちゃんとりっちゃんは、幸せを見つけるハンターなんだね!」

この言葉には、フーガはもちろん、アリアとリチェルカーレも目をぱちくりさせた。

「はんたぁ?」
「狩りをする人のことだよ」
「アリアとリチェは、はんたぁさんなの?」
「幸せを見つける人、ってこと」
「「しあわせ?」」
「アーちゃんとりっちゃんが見つけてくれた四つ葉のクローバーをもらって、ぼくはすごく幸せになったから」
「しあわせ?」
「ロンちゃん、しあわせ?」
「うん! すごく嬉しかったよ。ありがとう」

また礼を言って頬にキスをくれる兄に、妹ふたりは『ほわわぁぁぁぁぁ』と頬を染めた。

「「フーちゃんも?!」」

普段はおとなしい妹たちの飛び掛からんばかりの勢いに、フーガも笑って頷いてやった。

「うん。ぼくも」

ありがとう、と礼を言ってくるフーガの様子に、またもや『ほわわぁぁぁぁ』と頬を染める少女ふたり。

「じゃあ、シェラとパパにもあげようね!」
「いっぱいあげようね!」

おっと、と。
これには待ったをかけた兄たちであった。

「シェラとパパにも、ひとつずつにしようね」
「どうして?」
「どうして?」

たくさんあるのに、と不思議そうな顔をする妹たちに、ロンドが言った。

「他の人の分も、幸せを残しておいてあげようね」
「ほかのひと?」
「だぁれ?」
「リィとか、ルウとか、ケリーおじちゃんとか、ジャスミンおばちゃんとか」
「「みんな?」」
「うん、みんな」

そういうことなら仕方ない、と納得した妹たちにフーガは提案した。

「たくさんの四つ葉のクローバーの代わりに、シェラたちには花の冠を作ってあげようね」
「「かんむり?!」」

つくる!! と飛び上がって喜ぶ妹たちを連れて、ロンドとフーガは元いた場所へと戻った。
そこで、シロツメクサを使った花の冠を、兄や姉夫婦も含めて全員分作ったのだった。


**********

四つ子ちゃんは、双子よりももうちょっと『ふぁんたじぃ』な存在。
アリアとリチェの眼には、ちょっと特別な力がある設定。
ロンドは、本人無自覚だけど、実はシェラの月の力を受け継いでたり。なので、本当は怒らせると一番怖いのはロンちゃんです。
フーちゃんは、ある意味一番普通の子。でも、とても賢い子です。他の3人の力があまり社会生活上目立つものではないので、周囲から見るとフーガの能力が際立って見えるかも。
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