小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
10月は会社の移転があり、事務所の片付けやらなんやらで忙しかった上に通勤経路が変わってしまったので、ルーチンを崩されるとイライラする橘はお疲れまっくすです。
そして空き時間はゲームしかしないという(笑)
ゲームの中でハロウィンイベントやっていたので、こちらでもやってみようかと思います(遅)
そして空き時間はゲームしかしないという(笑)
ゲームの中でハロウィンイベントやっていたので、こちらでもやってみようかと思います(遅)
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「ふふ。あーちゃんは、魔女だけど天使みたいに可愛いね」
ふわふわやわらかな銀髪の上につば広の帽子を乗せてやりながらシェラが微笑むと、アリアもにっこり笑った。
キャンディーのステッキを手にした可愛い魔女は、レースとリボンをふんだんに使った黒いドレスを纏っている。
ふんわりボリュームのあるスカートには銀糸で大きな蜘蛛の巣が刺繍されており、少女が動いて裾が揺れるたびに煌めいている。
「シェラのゆうれいさん、きれいね」
婚礼直前に悲劇が起こった設定なのだろう。
身体に沿った白いドレス姿のシェラは上半身だけ見れば儚げな美女だが、スカートは一部焦げている。
「「シェラ~~~! 着替えたよ!」」
とててっ、と駆け寄って来たのは、頭に大きな獣の耳を付けたロンドと、捻れた二本の角をつけたリチェルカーレだ。
「ロンちゃんは狼男で、りっちゃんは──サキュバスかな?」
「まおう!」
「・・・魔王なんだ」
「つよいから!」
決して乱暴な子ではないのだが、強さに並々ならぬ執着を見せるリチェルカーレなので、可愛さよりも強さ優先らしい。
膝上丈の黒いスカートには金糸で複雑な幾何学模様が縫い付けられているが、魔法陣なのかも知れない。
「ロンちゃんはふかふかの尻尾もあるんだね──おわっ」
黒褐色の尻尾に触ったシェラは、思わず瞠目した。
やわらかでしなやかな、ものすごく手触りが良い毛だ。
最高級のセーブルに違いない。
「ねぇねぇ、シェラ」
「うん?」
「フーちゃんがこの尻尾気に入ってたから、パーティー終わったら襟巻きにするかコートに縫い付けてあげて」
「ふふ。きっと似合うね」
「うん!」
よしよし、とこちらは少し硬い毛足の耳を撫でる手に、影が落ちた。
「終わったの──・・・か」
見上げた長身に、息が止まるかと思った。
少し癖のある艶やかな黒髪と白皙の美貌は見慣れているはずなのに、その青い瞳の冷たさに身体が勝手に逃げようとする。
ス、と視線が合わされて、それすら出来なくなった。
喉元に刃を突きつけられている──いや、薄い皮膚はほんの少し、プツリと音を立てて破れたかも知れない。
背中を冷たい汗が伝い、手足が震えだす。
名前を呼ぼうと口を開くが、はくっ、と息が漏れただけ。
そんな様子のシェラを見て、美しい男がゆっくりと笑みを浮かべた。
──あぁ・・・お前は・・・。
懐かしい感覚に涙すら溢れて来そうになったが、「パパ!」という子どもたちの声にはっとする。
途端に、美貌の死神に見えていた男はやさしい父へと表情を変えた。
夜会服の上にマントを羽織った姿は仮装というよりも素で、嬉しそうに子どもたちを侍らせている姿はいつものヴァンツァーだった。
「・・・シェラ、どこか痛い?」
遠慮がちな声がした方へ顔を向ければ、ヴァンツァーと同じようにマントを羽織った三男坊がいた。
シェラは微笑みを浮かべて、頭を振った。
「ううん、何でもないよ。フーちゃんは、パパとお揃いだね」
言えば、珍しくにっこりと笑ったフーガは、これまた珍しいことに力強く頷いた。
かぱ、と口を開けると、少し長めの犬歯が覗く。
「わぁ、牙まであるの?」
「尖って見えるけど、痛くないの」
「そう。すごいね」
特殊な樹脂で作られた吸血鬼の牙は、子どもたちの身体を傷つけることはない。
「さぁ、みんな何て言うの?」
「「「「──パパ、ありがとう!!」」」」
子どもたちにヒアリングをして作った衣装は、気に入ってもらえたらしい。
「どういたしまして」
先程の冷たさが嘘のような愛情に満ちた藍色の瞳を見て、シェラはほっと息を吐き出した。
あの表情も、間違いなくヴァンツァーのものだ──けれど、こっちの方がずっと好きだ。
ふと、ヴァンツァーの視線がこちらに向けられて、シェラは瞬きした。
差し出された手に思わず手を乗せてしまう。
「待たせたな、花嫁殿」
「──は?」
「他の男との結婚が嫌で焼身自殺した花嫁殿」
「・・・何だその物騒な設定は」
嫌そうな顔をすれば、くすくすと笑われた。
裾の焦げ跡さえなければ真珠やクリスタルの縫い付けられた純白のドレスはとても美しく、気に入っていたというのに。
「数多の美女の生き血を啜っていそうな男が、選ばれると思うのか?」
「顔がいいからな」
自分で言うな、とは思う。
思うが、ここまで良すぎると「まぁ、そうだよな」と納得してしまう。
「俺の花嫁になれば、この可愛い魔物たちもついてくるぞ」
敏腕経営者の言葉とは思えない頭の悪そうな提案にも、シェラは笑ってしまった。
「──あぁ、それは悪くないな」
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ゲームは、フランケンなクラウドと、狼男なザックスと、マリスの頃のがくちゃんみたいなセフィロスの武器や衣装がガチャになってた。
FF7ECのいいところは、PvPがないところよね。嫌いなんだよ、プレイヤー同士のバトル。エバクラはプレイヤーが協力して敵を倒すことはあっても、プレイヤー同士で争うことがないのがいい。プレイヤー同士を戦わせた方が運営としては楽だと思うけど、ちゃんと敵を用意しておいてくれるところが評価できる。
・・・結局ゲームの話になった。
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