小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
書いてね、って友達から言われました。
※若干鞭とか出てきますので苦手な方はご遠慮下さい(笑)
※若干鞭とか出てきますので苦手な方はご遠慮下さい(笑)
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空を切り裂く鋭い音の後、肉が打たれる音と苦鳴が漏れる。
決して派手に大声を上げるわけではなく、喉の奥で殺すような呻き声だ。
鞭を手にして愉しそうに微笑んでいるのは、壮年の美貌の男。
撫で付けられた銀髪もさることながら、その鍛えられた肉体も素晴らしい。
服の上からでも、広い肩と細い腰の、鋼のような身体をしていることが分かる。
グランドピアノの前で鞭を振り下ろす様は、いっそ指揮者のようでもある。
ピアノの椅子に上体を預け、上半身を露わにしているのは青年への過渡期特有の美しさを持った少年だ。
黒い髪に白い肌の美少年だから、背中に無残な紅い痕が刻まれていくのが余計に凄惨な印象を与える。
その秀麗な美貌には玉のような汗が浮かび、奥歯は砕けるほど噛み締められている。
叫び声は一切上げず、ただ苦痛に歪められた顔は妙な色気を醸し出している。
「──っ・・・」
そんな少年の様子を、熱のこもった瞳で見つめている少女がいる。
少年を鞭打つ男と同じく見事な銀髪は腰まで届く清流のようで、紫の瞳は湖の畔に咲く菫のよう。
レースのふんだんにあしらわれた上等の白いドレスは、彼女を名工が造り上げたビスクドールのように見せていた。
頬を朱に染め、恍惚とした表情で少年を見ている様はまるで彼に恋をしているようだ。
子どもが指を銜えるようにそっと指先を噛み、じっと少年を見ていた少女だったが、やがて銀髪の男に向けて口を開いた。
「パパ。シェラにもさせて?」
母親にお菓子作りの手伝いをねだるような気安さで、少女は言った。
むろん、父のしていることを代わりたい、というのだ。
男はその美貌に仄かな笑みを浮かべた。
「パパじゃないだろう?」
「あん。お父様の意地悪! シェラにもさせて!」
「顔に傷をつけてはいけないよ?」
息も絶え絶えになっている少年の顎を指先で持ち上げた男。
それに対して、少女はにっこりと美しい笑みを返した。
「──もちろん。綺麗な顔が苦しそうに歪むのが愉しいんだもの」
そうして、父から鞭を受け取った少女は、馬に鞭を入れるようにしてそれを振り下ろしたのだった。
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うん、まぁ、さわりだけ(^^;)
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