小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
らしいですよ、朝から。友人が。むひっ。
さ、私はクビにならないように気をつけなくちゃ。
さ、私はクビにならないように気をつけなくちゃ。
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「・・・旦那様もお嬢様も、ひどいことをなさるわね・・・」
少年の背中を見たとき、シャーミアンは悲鳴を上げそうになった。
これが初めてではないけれど、傷が癒えないうちに新たな傷が増えていく毎日だ。
もともとが抜けるように色の白い肌の持ち主だから、完全に癒えたとしても痕が残ってしまうかも知れない。
「・・・わたしが、至らないのがいけないんです」
そう、苦く笑う少年に、シャーミアンは涙すらしそうだった。
「器用な方ではありませんので、今日も旦那様がお忙しい中ピアノのレッスンをして下さっているのに弾き間違いを・・・」
「たったそれだけ?!」
仰天してしまったシャーミアンだ。
これだけ惨いことをするのだから、それなりの理由はあるのかと思っていたのに。
少年への同情を通り越して、主人たちへの憎悪すら芽生えそうだった。
「旦那様は、わたしなんかに目をかけて下さっているんです。だから指導も厳しく」
「それにしたってこの扱いは!」
「・・・奴隷身分のわたしが、こうして綺麗な服を着させていただいて、あたたかい布団や、食事も与えていただいているというのですから、神に感謝しなくては」
「・・・・・・」
「あ、あの・・・泣かないで下さい・・・本当に、わたしがいけないんです」
困ったように微笑む少年に、シャーミアンは顔を覆って首を振った。
身分はともかく、この少年がどれだけ気立てが良くて、努力家かということをよく知っている。
それなのに、と思っていると、「何をしているの!」という声がふたりの耳に届いた。
「ヴァンツァー。午後はシェラの馬になる約束よ!」
「・・・ただいま、参ります」
包帯を巻いた身体を服で隠し、少年は手当てをしてくれたシャーミアンに頭を下げた。
「──お嬢様! ヴァンツァーのこの怪我で背中に乗るというのは」
「お黙りなさい、シャーミアン! 侍女のくせに言葉が過ぎるわ!」
「ですが」
「お前も鞭で打たれたいの?!」
ひっ、と息を呑むシャーミアンとシェラの前に、ヴァンツァーが割って入る。
「お嬢様、今、参りますから」
その必死な様子に、シェラはふん、と鼻を鳴らした。
背の高い少年を、顎を逸らして傲然と見上げる。
「お前、シャーミアンのことを好いているの?」
「・・・いえ、そのようなことは」
「・・・まぁ、いいわ。早くいらっしゃい」
「はい・・・」
シェラが部屋を出て行くと、ヴァンツァーは再度シャーミアンに頭を下げてその後を追った。
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・・・どんな話だ、これ。
年齢的には、ヴァンツァー16、7歳、シェラ12、3歳くらいかな。シェラは『お嬢様』ですけど、ちゃんと男の子ですよ(笑)
シャーミアンは20歳くらいですね。
シャーミアンにするか、ラティーナにするかすごく迷ったところですが、ここは若さで(笑)
でもね、シェラはすごくすごくヴァンツァーのことが好きなんですよ。
ヴァンツァーも、シャーミアンに仄かな恋心を抱いていたんですが、それに気づかないうちにシェラ色に染められてしまうのです(笑)相変わらず鈍い男です。
傲慢なまでに美しい女王様に恭しく脚ちゅーって、基本ですよね? 未来のふたりはそうなる予定です。
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