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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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頭の中が、ヴァンツァー総受け状態です(コラ)

少し前にここで書いた、シェラヴァン(笑)親子モノ。実際は、ヴァンツァーの祖父なパパがシェラのパパなので、叔父シェラ(年下)×甥ヴァンツァー(年上)という、誰得話。ヴァンツァーの父はケリーかなぁ? パパは亡くなってる設定。巨大財閥の総帥か何かなんだ。ケリーは惑星を跳び回ってお仕事しているのかな。何だかよく分からないですが、ヴァンツァーがシェラを育てるんだ。ここ俺得。シェラは女の子として育てられるんだ。普通ならここで光源氏的なことが起こるはずなんだが、起こらないんだ。なぜなら、それじゃ普通だから(笑)
ヴァンツァーは誰に似たのか身体が弱くて、穏やかな性格なんだ。身体は弱いけど頭は切れるから、パパの仕事はケリーが動いて、ヴァンツァーが裏から支える感じなんだ、きっと。

前にパーティの場面書いたけど、また書いてみようかな。

**********

クリスタル製のシャンデリアが、三ツ星ホテルの大広間をきらびやかに演出する。
1000人は収容出来るホールには、政財界の大物や芸能人など、誰もがメディアを通して見たことのある顔ばかり。
着飾ったご婦人たちは紳士との会話に笑みを浮かべながら、皆が皆、ちらちらとある一点を見つめている。

「──バルロおじさまっ!」

明るい声に振り返れば、深紅のドレスに身を包んだ美少女がひとり。
長い銀色の髪と菫色の瞳の、宝石のような少女だ。

「シェラ。また、一段と美人になったな」
「うふふ、ありがとう」

にっこりと微笑む美少女は、幼い頃からの知り合いである体格の良い男に、背伸びをしてキスをせがんだ。
薔薇色に染まった頬に唇を落とした男は、張りのある豊かな声でしみじみと言った。

「しかし、本当に美人だな。──男の子だとは思えん」
「シェラ、18になったらお父様と結婚するの!」

きゃっきゃと明るく笑っている少女を見て、バルロの向かいにいた男が苦笑した。

「いつまでもそんなことを言っていると、笑われてしまうよ・・・」

この、艶かしいまでの美貌を誇る長身の男こそ、会場中の女性の視線を一手に引き受けている存在だった。
もちろん、社交界で浮名を流し続けているバルロと一緒にいるから、その注目度は数倍に膨れ上がっているだろうが、それを抜きにしても彼の美貌は卓越し過ぎていた。

「まぁまぁ、ヴァンツァー。そう言うな。こんな可愛い子どもにいつまでもそう言ってもらえる親など、いないのだからな」
「むぅ・・・お父様、最近シェラに意地悪ばかり仰るわっ」

紅い唇を尖らせても可愛らしい少女──否、少年が口許に運んだグラスに、ヴァンツァーは目を留めた。

「シェラ、それは?」
「ワインよ」

ヴァンツァーは形の良い眉を顰めた。
華やかな席とはいえ、未成年がアルコールを口にするのを、保護者としては見過ごせない。

「・・・ダメだ。寄越しなさい」
「ちょっとだけ」
「ダメだ」

語気を強くすれば、びくっ、とシェラの肩が震えた。
怖がらせてしまったか、とヴァンツァーは少し反省したが、どうにかシェラの手からグラスを取り上げることに成功した。
シェラが飲んでしまわないように、深紅の液体を飲み干した。
酒はそう強い方ではないが、今日は体調も良いし、これくらいならば問題ない。

「シェラ、もう子どもじゃないわっ」
「まだ未成年だ」
「そうやってすぐ子ども扱いするんだから!」

ぷんぷん怒ってはいても、それは子どもが大好きな父に甘えるのと一緒で、バルロは見ていて微笑ましい気持ちになった。

「年頃の娘を持つと苦労するというのは、本当らしいな」
「バルロ・・・からかわないで下さい」
「からかってなどいないさ。こんなに可愛い娘なら、俺だったらいくらでも甘やかしてしまうがな」
「シェラは男の子ですよ」
「いいではないか。似合っているし」

それはヴァンツァーも否定するつもりはないのだが。

「──っ・・・?」

と、眩暈がして足元がふらついた。

「──お父様?!」

シェラが驚いた声を上げて、腕を掴んでくる。

「──っ、つ・・・」

倒れそうになった自分を支えてくれた、それだけのことなのに、腕には鋭い痛みが走った。

「お父様、大丈夫? 具合が悪いの?」

泣きそうな声で、心配そうに話しかけてくるシェラに、首を振りたいのにそれが出来ない。
身体がだるくて、口を開くのも面倒だった。

「発作か何かか?」

ヴァンツァーはもともとそう身体が強い方ではない。
それを知っているバルロは、先ほどまでの和やかな表情を一変させ、真剣そのものだ。

「分からない・・・お父様、お部屋へ行きましょう?」

今日は、このホテルに宿泊するつもりで部屋を取ってある。
だが、主賓格の自分が抜けたのでは、場が白ける可能性もある。

「おじさま、お兄様に言っておいて。私はお父様をお部屋へ連れて行くから」

菫色の瞳に涙を浮かべている美少女然とした少年に、バルロは頷いた。
シェラの言う『お兄様』とは、現ファロット財閥の総帥のことだ。
ヴァンツァーの父親でもある。
この会場にいる他の面々は知らないことだが、大きな家ともなれば込み入った事情を抱えているものだ。
バルロはそれを気にする男でもなかったし、醜聞として吹聴するには彼らは仕事相手として申し分なさすぎた。

「人の多さに中てられたのだろう。ゆっくり休ませてやれ」
「ありがとう、おじさま」

礼を言うと、シェラは微かに震えているヴァンツァーの身体を支えながら大広間を後にした。


彼らの取ってある部屋は特別階にあるもので、専用のエレベーターを使う。
それは、ルームキーを兼ねている専用のカードがないと使うことが出来ないものだ。
エレベーターに乗り込むと、シェラは辛そうに眉を寄せているヴァンツァーの頬に触れた。
びくっ、と派手に返る反応に、ほんの一瞬唇を吊り上げた。

「・・・お父様、大丈夫?」
「あ・・・ぁ・・・」
「気分が悪い? 熱があるの?」

そう言って、シェラはヴァンツァーの額や首、手を取っては心配そうに訊ねる。

「へい・・・き・・・だ」

身体が熱い。
熱があるようだ。
高熱が出ることは珍しくないが、こんな風に突然発症するということは最近は少なくなってきていた。
流行り病の類だと、シェラにうつしてしまうかも知れない。

「おまえ、は・・・自分の部屋に・・・」

行きなさい、と、そう言うつもりだった。

「お父様が眠るまで、心配で離れられないわ!」

涙ながらにそう訴えてくる子を、振り払うほどの力も残っていない。
ヴァンツァーはシェラに連れられ、スイートへと脚を踏み入れた。
ソファに座らされ、襟元が寛げられる。
素肌にシェラに手が触れた瞬間、飛び上がりそうになった。

「──・・・痛い?」

心配しているというには、意図的に低められた声は艶を孕みすぎていた。

「・・・シェラ・・・?」
「でも、すぐに気持ちよくなるから」
「シェラ・・・? 何を言って・・・」

ソファの下から訝る美貌を見上げ、シェラは嫣然と微笑んだ。

「──シェラが、楽にしてあげる」


何が起ころうとしているのか、霞む頭では考えることが出来なかった。


**********

黒いシェラたんも、可愛いと思う。
バルロ×ヴァンツァーとかも、ちょっと見てみたいかも・・・終わったな、俺。
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