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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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私はヴァンツァーをどう扱いたいんでしょうか・・・今、頭の中でこんな設定が渦巻いています。


ヴァンツァーとシェラは幼馴染。お隣さんどうしのふたりは、お互いがお母さんのお腹の中にいる頃からの付き合いです。


ここまでは、現在停滞前線が発生しているうちの学園ものと一緒。・・・でもね。


**********

ちいさい頃は身体が弱くて泣き虫だったヴァンツァーを、シェラはいつもいじめっ子たちから守ってあげていました。

「ヴァンツァーをいじめるなぁ!!」
「・・・シェラ・・・」

ぐすっ、と鼻を啜っている抜群の美少年を背中に庇うようにして立ち、銀色のおかっぱ頭が女の子のように可愛いシェラはいじめっ子たちを睨みつけました。

「なんだよ! もとはといえば、そいつがいけないんだぞ!!」
「そうだそうだ!」

シェラはちらっと背後を振り返りました。
ヴァンツァーは野原に咲いているちいさな花を踏むのも嫌がって回り道をするような子です。
いじめっ子たちが言うような悪いことをするとはとても思えません。

「うん・・・俺がいけないの」
「──え?」

でも、ヴァンツァーが真っ赤になった目を擦りながら頷くので、シェラはびっくりしてしまいました。
擦っちゃダメだよ、と言ってハンカチでヴァンツァーの目元を拭ってやり、どうしたの? と訊ねました。

「・・・あの子の好きな女の子がね、俺のこと、好きなんだって」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

だから俺がいけないの、と言うヴァンツァーに、シェラは顎が外れそうなくらいあんぐりと口を開けました。
それでは完全な言いがかりです。

「・・・ヴァンツァー、全然悪くないじゃん」
「でも、俺のせいでその女の子に好きになってもらえないんだって・・・」

可哀想、と呟く黒髪の美少年に、いじめっ子たちは「ちょっとモテると思いやがって」だのなんだの囃し立てます。
くらり、と眩暈を起こしそうになったシェラです。

「・・・ヴァンツァーは、その女の子のこと、好きなの?」

ちょっと眉が寄ってしまうのは、仕方のないこと。
ヴァンツァーは、自分が守ってあげなければいけないのです。
ずっと、一緒に育ってきたのです。
それなのに、ヴァンツァーの好きな子も知らないなんて、ショックです。
けれど、今度はヴァンツァーがびっくりして藍色の目を真ん丸にします。
ぶんぶん首を振って、自分よりほんの少し背の高いシェラに言いました。

「俺、シェラが好きだもん」
「・・・へ?」
「その女の子のこと、俺知らない。俺が好きなの、シェラだから」
「・・・あぁ、そう」

拍子抜けしたと言うか、何と言うか。
まぁ、悪い気はしません。
だって、ヴァンツァーはとっても綺麗なのです。
ちょっとだけ癖のある艶やかな黒髪も、深く澄んだ青い瞳も、白い肌も、全部全部、とっても綺麗なのです。

「俺ね、大きくなったらシェラと結婚するんだ!」

泣き腫らした顔でにっこり笑ってそんなことを言う幼馴染に、シェラはちょっと困ったように笑って教えてあげました。

「・・・男どうしだと、結婚出来ないんだよ?」
「──え!」

本当に知らなかったのでしょう。
愕然とした表情になったヴァンツァーの目に、またぷっくりと涙が溜まっていきます。

「あああああ、ごめん! ごめんって! 泣かないで!!」

しゃくりあげて泣く幼馴染の頭を抱きしめ、何とか宥めようと試みます。
いじめっ子たちには「あっち行け! また殴るぞ!」と眼で脅しをかけて追い払いました。
喧嘩はちょっと自信があるのです。

「・・・っく、・・・ひっ・・・けっこ、ん・・・できな・・・の・・・?」
「うーん・・・出来ないって、お父さんとお母さんが言ってたよ?」
「・・・・・・やだ。俺、シェラと結婚するんだもん」

そんな風に言ってぎゅっと抱きついてくる幼馴染を、シェラは結婚出来ないまでも、一生守っていくんだ、と心に誓ったのでした。





「──なんてことがあったな」

くすくす笑って、カウンターの中、優美なティーセットで紅茶を淹れている美貌の青年。
カウンター席には、長い銀髪も目に眩しい、少女のように美しい青年。

「・・・今じゃ私より、全然図体デカいけどな」

中学校に上がるまでは自分の方が大きかったのに、そこから一気に抜かれてしまって、今では20センチ近い差が出来てしまいました。

「覚えてる?」
「何を?」

上機嫌に笑っている青年は、幼馴染に紅茶とケーキを差し出しました。

「小学校の卒業式のとき。シェラ、泣いてる俺に言ったんだよ」
「・・・何か言った?」
「うん。──大きくなったら私がヴァンツァーのこと幸せにするから、もう泣いちゃダメだよ、って」

幼い頃の口約束とはいえ、恥ずかしいことを口走ったものだ、とシェラは真っ赤になりました。

「・・・忘れて」
「どうして?」
「いや、恥ずかしいし」
「でも、俺はすごく嬉しかったんだ」

え? と菫色の瞳を丸くするシェラに、青年は微笑みました。
そうして、す、と小振りな箱をティーセットの横に置きます。

「──だからね、今度は、俺がシェラのことを幸せにしようと思うんだ」
「・・・・・・」
「一生、幸せにします」

箱の中には、シェラの髪と同じく銀色に光る指輪が入っていたのでした。



**********

とことんヘタレ(笑)でも、オイシイとこ取り(笑)
こんなのもいいだろ。
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