小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
ふふふふふふふふふふふふふふふふ。
ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。
ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。
こんな感じの心境です(笑)
やったー! 今日を乗り切ればガッ君三昧よ?! 来週はパラダイスなんだからっ!! 6月にもライヴ行けるし、あ、6月のライヴって、西川君来るのかなぁ? よく分からないんだけど。来たら嬉しいなぁ(^^)西川君とガッ君てさ、歌唱力が半端ないから、聴いてて安心出来るし、わくわくするんだよね。ただ、やっぱり西川君の方がレンジが狭いから、ガッ君に合わせると低音がキツそうかなぁ・・・でも西川君の声と歌好き(^^)
そんな感じで、仕事する気はまったくないというのに、定時までに終わらせなければならないのに、終わるかどうか分からない仕事が今日に限って山積(笑)よくあることです。いや、PCのセットアップを2台するだけなんですけど、1台やるのに最低半日かかるんだよね(笑)
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新たなコーチとして迎えられた青年に、シェラをサポートしていたチームは期待と不安を半々に抱いていた。
青年のスケーターとしての名声は今更確認するまでもないが、コーチとしては無名だ。
無名というよりも、引退後間もないために彼の動向が関心のタネとはなっていたが、まさかプロではなくコーチになるとは。
それも、シェラが成り行きでオファーを出したのだというから、これはもう不安を覚えるな、という方が無理だ。
シェラはジュニア時代からくるくると3回転を跳び、ある大会では3連続3回転ジャンプを跳んでしまったこともある。
3アクセルは12歳の頃には跳べるようになっており、柔軟性の高い身体はスパイラルなども見応えがあった。
──要するに、才能の塊なのだ。
もちろん、それを更に磨くだけの本人の努力もあったが、それだけに、指導者の選任は最重要事項と言えた。
前コーチであるドラが辞めたあと、サポート陣は悩んでいた。
それなりに力のあるコーチに指導を願いたいというのは当然のことであり、しかしながらコーチと国籍が違えば移動その他、実際の指導に割く時間が限られ、結果、十分な指導を仰ぐことが出来なくなってしまう。
国家間の移動にあまり無理がなく、指導力があり、尚且つシェラという選手を育ててみたい、という意欲に溢れたコーチとなると、なかなか人選は難しかった。
そこへ、降って湧いたように、ヴァンツァーがやってきたのである。
「ファロット選手は3アクセル得意だから、いいかな~、と思って」
と屈託なく微笑む少女に、青年は無表情で「もう選手ではない」と釘を刺した。
「ファロット先生?」
「名前でいい」
「じゃあ、ヴァンツァー」
ふふっ、と笑っている少女を見て、サポート陣は顔を見合わせた。
コーチが突然辞めたことにショックを受けているかと思えば、あっけらかんとした様子で笑って、新たなコーチまで自分で見つけてきてしまった。
ものすごい精神力と行動力である。
しかも、グランプリ・シリーズまで間もないから、早く練習しようとせっつく始末。
いつでも楽しそうに笑っている少女に、やきもきしているのが馬鹿らしくなってくる。
シェラは、周囲を明るくする魅力に溢れていた。
それは、彼女のスケーティングを見ても言えること。
ふわふわと舞うように氷の上を滑り、重力などないかのようにジャンプを跳ぶ。
やわらかく、繊細で、明るい曲調が似合う選手であった。
今季のプログラムもそうである。
シェラ自身も楽しみにしているプログラムであり、早く試合に出たい、と常々口にしていた。
そんなシェラやサポート陣に、ヴァンツァーは告げた。
「──まずは、筋トレだ」
腕組みをした偉そうな若造の言葉に、サポート陣は目を丸くした。
もちろん、トレーニングは行っている。
脚力がなければジャンプは跳べないし、柔軟性がなければスパイラルやスピンが不恰好になる上に、ジャンプの際には身体に負担がかかる。
そんなことは言われなくても分かっている、という顔をしているサポート陣に、美貌の新コーチは新人のくせに完全に上からものを言う姿勢を崩そうとはしなかった。
「こいつの体脂肪率は?」
「・・・13%、ですが・・・?」
「7%まで落とせ」
これには目を剥いたサポート陣だ。
トレーニングリーダーであるダンは、さすがに食って掛かった。
「無謀だ! 10%以下にまで落としたら、彼女の将来に影響が」
「こいつのジャンプの不調の原因は、何だと思っているんだ?」
「不調・・・?」
首を傾げたダンに、ヴァンツァーは蔑むような視線を向けた。
「毎日のように見ていて分からないのか?」
「・・・何も不調なんて」
「シェラ」
「はい?」
「着氷の際、リンクが近いと感じていないか?」
訊ねられた少女はほわぁ、と目を丸くして頷いた。
「はい。前と同じように跳んでいるはずなのに、滞空時間が短くなってて、上手く着氷出来ないときがあります」
「当然だな。お前、身長が伸びていないか?」
「──あ、はい。半年で3センチくらい伸びました」
「だからだ。身長が伸びた分、以前と同じ感覚と高さで跳んだのでは、滞空時間が短くなる」
だから、筋力を上げてより高さを出すか、飛距離を上げる必要がある、分かったか、といった視線を向けられ、ダンは少し顔を顰めた。
言っていることは間違っていない。
けれど、その物言いが気に入らない。
コーチとしては新人のくせに、と思わないではいられない。
「しばらくは身長と体重は安定しないだろうが、あんたたちが安定させろ」
「・・・それでも、7%は・・・」
「アクセルがなくていいなら、10%でいい」
これには、サポート陣は言葉を失った。
3アクセルはシェラにとっても、サポート陣やこの国にとっても、最大の武器であり、確実にモノにしたい技術であった。
「遠心力が高くなれば、身体にかかる負担も大きくなる。膝に負担をかけないためにも、体重と体脂肪率は落とさないと選手生命に関わるぞ」
「ヴァンツァーは?」
「シニアに上がってから7%を超えたことはない」
「絞るのって大変?」
可愛らしい様子で訊ねてくる少女に、ヴァンツァーは口端を吊り上げた。
「4回転を跳ぶよりは、簡単かな」
とんでもないものを引き合いに出す青年に、サポート陣は思わず絶句した。
そんな中、シェラだけが「あはは」と朗らかに笑ったのである。
「じゃあ、7%に絞って、4回転も跳ぼうっと」
あっけらかんとした宣言に、少女以外の全員の目が──もちろんヴァンツァーも含めて──丸くなる。
「・・・お前、正気か?」
「え? どうして?」
「4回転だと?」
「うん。シリルちゃんはジュニアの頃から跳べるんだよ! すごいよね!」
きゃっきゃとはしゃいで、だから自分も跳びたいんだ、と笑っている少女。
こいつは馬鹿なのか、と疑いのまなざしで見つめたヴァンツァーである。
確かに、ロザモンド・シリルという少女は試合で4回転を決めた唯一の女子スケーターだ。
彼女も、鋭い回転のジャンプが持ち味のスケーターであり、コンビネーションジャンプのセカンドに3ループをつけられる実力者でもある。
むろん、そう毎回、毎回跳べるわけではないが、他国の選手にとって脅威であることに変わりはない。
「本気で4回転を跳ぶ気なのか?」
「んー。跳べたらすごいよね」
へへっ、と笑う少女に、ヴァンツァーは言ってやった。
「じゃあ、3アクセルが100%の確率で跳べるようになったら、教えてやるよ」
「──ホント?!」
すごーい、すごーい、と飛び跳ねている少女が、まさか本当に3アクセルを100%近い確率で跳ぶことになろうとは、このときのサポート陣の誰も想像していなかった。
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はいはい。シェラたん、可愛い、可愛い。
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