小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
主に橘の頭の中が(コラ)
20℃って何度ですか? 今は4月だった気がしていたのですが・・・暖房止めてやりましたよ、ちくしょー。
さて、そんな勢いのまま・・・書きますが、下品なのでスルーした方がいいかも知んない。
20℃って何度ですか? 今は4月だった気がしていたのですが・・・暖房止めてやりましたよ、ちくしょー。
さて、そんな勢いのまま・・・書きますが、下品なのでスルーした方がいいかも知んない。
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シェラとソナタはショッピングへ。
カノンがついていかないのは珍しいけれど、今日はゆっくりしたい気分なのだ、と気だるい日曜の昼下がりを父と一緒に過ごしていた。
ソファに腰掛けていると、紅茶と珈琲のカップを手にしてヴァンツァーが戻ってくる。
メープルの香りのするフレーバーティーだ。
実際は甘くないのだけれど、そのやさしい香りに癒される。
ひと口飲んでほう、とため息を零す。
「どうした?」
低くて静かな声が、耳に心地良い。
ぞくっとくるような美声は、同じ男でも聴き惚れてしまうほどだ。
「むぅーーーーー」
と唇を尖らせたカノンは、カップを置くとむぎゅっ、とヴァンツァーに抱きついた。
シェラにはよくやるけれど、ヴァンツァーにすることはあまりない。
高校生の息子に抱きつかれた方は、くすくすと笑ってやわらかな銀髪を撫でた。
シェラと子どもたちにだけはやさしい男は、もう一度「どうした?」と訊ねた。
「・・・アリスがぼくの言うこと聞かない」
ぶすっとした顔でそう呟くカノンに、ヴァンツァーはそっと口許に微笑を浮かべた。
それを隠すように珈琲をひと口。
「何をお願いしたんだ?」
「お願いじゃないの。命令なのっ」
聞き分けの良いカノンが癇癪を起こす姿など滅多にお目にかかれないから新鮮だ。
「ふぅん。それで?」
なんだかちいさい頃に戻ったみたいだ、と思いながら指触りの良い髪に触れる。
陽だまりで大きな猫を抱いているみたいだな、と思うと、穏やかな気持ちになる。
この自分が、とおかしくなるが、これはこれでいい気がした。
「何て『命令』したんだ?」
あまりこうして話す機会はないから、たまにはいいな、とカップを口許に運ぶ。
「──中に出して、って」
────っ????!!!!
思わず珈琲を吹き出しそうになり、慌てて飲み込むと気管に入ってしまった。
激しくむせている父親になど目もくれず、カノンは大仰なため息を吐いた。
「はぁぁぁぁ・・・何なの、まったく。普通喜ばない? え、いいの? ってならない? なるよね? ねぇ、どうなの、父さん!」
「・・・・・・・・・・・・」
下から見上げられて、彼にしては本当に、本当に珍しく言葉に詰まる。
「・・・・・・まぁ、人それぞれだから」
何て無難な回答。
ありえない。
こんなにテンパるのは、シェラを相手にしたときくらいだ。
本当に、このふたりはよく似ている。
「父さんは? どうなの?」
「・・・・・・」
「シェラは? 言わない? 嫌がる?」
「・・・・・・」
さて、どうしたものか。
頭の回転の速さにかけては自信があるが、あまり妙なことを吹き込むとまたシェラに怒られる。
かといって、のらりくらりとかわしたのでは、この頭の良い息子は納得しないだろう。
「・・・・・・嫌がられたのか?」
「え?」
「キニアンに」
「・・・嫌がられた、っていうか・・・お腹壊すからダメ、って・・・」
「まぁ、正論だな」
「別にいいんだもん」
「彼にとっては良くないんだろうよ」
「・・・そうかも知れないけど・・・」
もごもご口の中で喋っている思春期真っ只中の息子に、ヴァンツァーはちいさなため息とともに苦笑を零した。
「・・・まぁ、秘策があるとすれば」
呟くと、菫の瞳がきらきらと輝きだす。
「──俺に、この話をした、と言ってみるんだな」
不思議そうな顔をしたカノンに、ヴァンツァーは「それでダメなら諦めろ」と優雅にアップを傾けたのだった。
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・・・朝っぱらから何やってんだろ、自分・・・
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