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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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明日はすんごい久々に、丸1日有給使います。7月に半休取って以来ですね。もう、今の体制休みが取れない・・・カレンダー通りに休んでて何言ってんだって話ですが、でも、休息も大事です。

さ、可愛いカノキニ小ネタを終わらせましょう。

**********

『ハッピーシンセサイザ ほらね 楽しくなるよ 涙拭うメロディ 奏でるよ
強がらなくたっていいんじゃない? 別に 自分に素直になればいい』

カノンとキニアンの声が重なり、その楽しげな歌声に会場から聴こえる手拍子も大きくなっていく。
座って聴いていたはずの生徒たちがちらほらと立ち上がり始め、それは瞬く間に伝染していった。

『何の取り柄も無い 僕に唯一つ 少しだけど 出来ること
ちょっと照れるような 単純な気持ち 電子音で伝えるよ』

間奏に入ると、カノンが踊っている間はキニアンが手拍子を打ち、会場にもそれを促す。
逆にキニアンが踊っているときは、カノンが満面の笑みを浮かべて手を打っている。
ふたりが交互に踊り、2回ずつ同じ振り付けを繰り返すのだが。
間奏が終わる直前、カノンが手拍子を打ち、キニアンが踊っているそのときに。

「──あ、カノン」

不意に肩を叩かれたカノンは、「ん?」と目を丸くして隣の男を見上げた。
なんだろう、何か間違っただろうか、と首を傾げようとしたカノンだったが。


──ちゅっ。


途端、軽い音をヘッドセットのマイクが拾う。
キニアンの頭が、会場からカノンの顔を隠すように重なっているが、何が起きたかは明白で。
会場からは一瞬手拍子の音が消え────直後、嵐のような歓声が上がった。
『きゃ~~~』とか、『ぎゃーーー』とか『ぅおいぃぃぃ~~~!!』とか『やりやがった、畜生!!』とか。
内容はそれぞれだったけれど、盛り上がりは最高潮。

『ハッピーシンセサイザ 君の 胸の奥まで 届くようなメロディ 奏でるよ』

キニアンは、何でもないような顔でサビを歌い出した。

『つまらない「たてまえ」や ヤな事全部 消してあげるから この音で』

何だかとても楽しそうな笑みを浮かべて踊るキニアンの隣で、カノンはただただ呆然としている。
ソナタはひゅうっと口笛を吹き、「やぁ~るぅ~」とキニアンに賞賛の声を贈った。

「・・・ソナタ、カノン君大丈夫・・・?」

ひそっ、とクラスメイトに話し掛けられたソナタは、「平気、平気~」と軽い調子で返したものである。

『何の取り柄も無い 僕に唯一つ 少しだけど 出来る事』

そうしているうちに、カノンが両手で顔を覆ってしまった。
ぎょっとした観客たちから、「頑張って~~~!」の声が上がる。

『心躍らせる 飾らない 言葉 電子音で伝えるよ』

やっぱり泣いちゃってるんじゃないの? とオロオロしているクラスメイトに、ソナタは「違う、違う」と笑った。

「──恥ずか死にそうになってるだけだから」
『ばかーーーーーー!!』

大丈夫、と言おうとしたソナタの耳に、罵声というには随分と舌っ足らずな口調の声が届く。
怒られたはずのキニアンは、何だか余計に楽しそうな顔になった。
それからは、紅い顔をしてヤケになって踊るカノンと、3年分くらいの笑顔を振りまいているキニアンに、会場中が盛大な歓声と手拍子を贈ったのだった。

『ハッピーシンセサイザ ほらね 楽しくなるよ 涙拭うメロディ 奏でるよ
強がらなくたっていいんじゃない? 別に 自分に素直になればいい

何の取り柄も無い 僕に唯一つ 少しだけど 出来る事
ちょっと照れるような 単純な気持ち 電子音で伝えるよ』

フィニッシュのポーズを決めて音が止むと、会場からの拍手はこの日最大のものとなった。

「ばかー、ばかばか、ばかーーーーー!!」

ぽかぽか彼氏の胸や肩を叩いているカノンに、「あはは」とまったく反省した様子のない表情で笑っているキニアン。
音楽が絡むと途端に人の変わる男を、カノンは思い切り睨みつけてやった。

「「「──ちゅーう! ちゅーう!!」」」

キスをしろ、とのコールがかかったので、カノンは目を瞠り、真っ赤になっている顔を腕で隠した。
すっかり固まってしまったカノンに、キニアンは「どうします?」という目線を向けた。
普段の彼ならば絶対にしない反応に、カノンはただただ首を振った。
『卒業式の日に校門の前でキス』とかいう罰ゲームを考えていた人間と同じとは思えないなぁ、とキニアンは微笑ましく思った。
そうして、会場に向けてパチン! と手を合わせると、「ごめんなさい!」と謝罪し、半泣きになっているカノンを抱きかかえるとさっさとステージから逃げ出してしまったのだった。
会場からはブーイングとも応援ともつかない声が上がった。
ソナタは誰もいなくなったステージを見て呟いた。


「──ごちそうさまでした」


**********

間奏の最後でちゅーというのを書きたくて始めた小ネタでした(笑)
その割に、上手く描き切れてないのが残念ですが・・・。

では、おやすみなさい。
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