小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
れっつ☆だんす
**********
とある動画投稿サイトで音声合成ソフトが歌った歌も人気だったが、それにダンスの振り付けをしたことでまた人気が出たのがこの曲。
──知らない人は知らないが、知っている人は知っている。
そんな感じの曲であり、ダンスだったものが、この日を境に、カイン校では半ば伝説と化すものとなった。
+++++
『ハッピーシンセサイザ きみの 胸の奥まで 届くようなメロディ奏でるよ』
ごく短い前奏のあとにカノンとキニアンが声を揃えてそう歌い出すと、会場のボルテージは一気に上がった。
天使のような愛らしい容姿と明晰な頭脳で有名な銀色の少年と、ハンサムで長身ながらきつめの顔立ちとあまり笑わない性格で近寄りがたい青年。
接点などなさそうなふたりが付き合っているというのは、暗黙の了解だった。
隠れたファンがいるのはふたりとも同じで、カノンのことを王子様だの天使だの言う女の子や男の子──割合は半々──もいれば、生真面目すぎてあまり笑わないだけで、実は話してみるとキニアンが心根のやさしい青年だということが分かって影でこっそり想いを育てている女の子たちもいた。
校内でもトップクラスの人気のあるふたりが付き合っているというのを知って、がっかりするものもいれば、納得するものもおり、怒りを覚えるものもいれば、おかしな方向に興奮するものもいた。
特に引退するまではバスケ部の部長だったキニアンが、ダンスはともかく歌を歌うというのは、かなりの衝撃を在校生たちに与えたらしい。
しかも。
『儚く散った 淡い片想い 笑い話だね 今となれば』
ソロでキニアンがそう歌い出した途端、
「うまっ!!」
「イケボ!!」
「声やさしい!!」
「あー、ちょっと笑った~~~!!」
という具合であった。
そして。
『見るものすべて 輝いて見えた あの日々が綺麗に 笑ってるよ』
カノンが歌えば、
「天使や・・・」
「妖精さんおった・・・」
「透明感すごっ!!」
「エンジェルスマイル!!」
こちらはため息と興奮を誘っていた。
『我慢することだけ 覚えなきゃいけないの? ”オトナになってちょうだいね” ならなくていいよ』
キニアンが歌う横で、カノンがにこにこしながら天井を指差したり、おしりをふりふりするのを見れば皆例外なく「可愛い~~!」コールが起こり。
『知らないことばかり 知らないなんて言えなくて ”大変お似合いで” 嘘ついて──ごめんね?』
ちょっと拗ねたように身体を左右に振りながら後ろを向きつつ歌っていたカノンが、振り向きざまキニアンの袖をぐっと引いて『ごめんね?』と上目遣いになって歌でなく台詞を口にすれば、打ち合わせにない動きをされた青年は「──あ、はい」と素で頷いて、またもや会場から「可愛い~~~!!」コールが起こったのだった。
**********
とりあえず、踊り始めました(笑)
とある動画投稿サイトで音声合成ソフトが歌った歌も人気だったが、それにダンスの振り付けをしたことでまた人気が出たのがこの曲。
──知らない人は知らないが、知っている人は知っている。
そんな感じの曲であり、ダンスだったものが、この日を境に、カイン校では半ば伝説と化すものとなった。
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『ハッピーシンセサイザ きみの 胸の奥まで 届くようなメロディ奏でるよ』
ごく短い前奏のあとにカノンとキニアンが声を揃えてそう歌い出すと、会場のボルテージは一気に上がった。
天使のような愛らしい容姿と明晰な頭脳で有名な銀色の少年と、ハンサムで長身ながらきつめの顔立ちとあまり笑わない性格で近寄りがたい青年。
接点などなさそうなふたりが付き合っているというのは、暗黙の了解だった。
隠れたファンがいるのはふたりとも同じで、カノンのことを王子様だの天使だの言う女の子や男の子──割合は半々──もいれば、生真面目すぎてあまり笑わないだけで、実は話してみるとキニアンが心根のやさしい青年だということが分かって影でこっそり想いを育てている女の子たちもいた。
校内でもトップクラスの人気のあるふたりが付き合っているというのを知って、がっかりするものもいれば、納得するものもおり、怒りを覚えるものもいれば、おかしな方向に興奮するものもいた。
特に引退するまではバスケ部の部長だったキニアンが、ダンスはともかく歌を歌うというのは、かなりの衝撃を在校生たちに与えたらしい。
しかも。
『儚く散った 淡い片想い 笑い話だね 今となれば』
ソロでキニアンがそう歌い出した途端、
「うまっ!!」
「イケボ!!」
「声やさしい!!」
「あー、ちょっと笑った~~~!!」
という具合であった。
そして。
『見るものすべて 輝いて見えた あの日々が綺麗に 笑ってるよ』
カノンが歌えば、
「天使や・・・」
「妖精さんおった・・・」
「透明感すごっ!!」
「エンジェルスマイル!!」
こちらはため息と興奮を誘っていた。
『我慢することだけ 覚えなきゃいけないの? ”オトナになってちょうだいね” ならなくていいよ』
キニアンが歌う横で、カノンがにこにこしながら天井を指差したり、おしりをふりふりするのを見れば皆例外なく「可愛い~~!」コールが起こり。
『知らないことばかり 知らないなんて言えなくて ”大変お似合いで” 嘘ついて──ごめんね?』
ちょっと拗ねたように身体を左右に振りながら後ろを向きつつ歌っていたカノンが、振り向きざまキニアンの袖をぐっと引いて『ごめんね?』と上目遣いになって歌でなく台詞を口にすれば、打ち合わせにない動きをされた青年は「──あ、はい」と素で頷いて、またもや会場から「可愛い~~~!!」コールが起こったのだった。
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とりあえず、踊り始めました(笑)
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