小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
電車で、4駅ほど。眠いよー・・・土曜はちびすけの七五三、昨日はランチと、土日恒例の昼寝ができなかったので(コラ)
いつ休もうかな、いつ休もうかな♪
いつ休もうかな、いつ休もうかな♪
**********
在校生が卒業生を送り出すのが予餞会。
そのため、1、2年生が日頃の感謝の気持ちを込めて出し物をすることが多い行事だけれど、カイン校では卒業生が在校生に向けてメッセージを残すことがほとんどだ。
詩の朗読であったり、吹奏楽の演奏であったり、短い時間での芝居だったり、どちらかといえば文学部的な出し物が多い。
本番前日のリハーサル。
各自20分与えられた本番さながらの環境で、カノンたちは実際に曲を流して練習をする準備をしていた。
もちろん観客はなく、いるのは予餞会実行委員会のメンバーと、教員が数名、照明や音響を担当する委員会や部活の生徒たちのほかは、予餞会で出し物をする卒業生だけだ。
何もする予定のないソナタがここにいるのはご愛嬌。
この時期、3年生は受験勉強のため、基本的には学校に登校する必要がない。
家にいても良かったソナタだったが、「だって、何か楽しそうだから」が彼女の原動力なのだ。
「うわ、ちょっと緊張するかも・・・」
シェラ特製の衣装を身につけてステージに立ったカノンは、ぽつり、と呟いた。
照明はステージの上にのみ灯され、会場内の明かりは落とされている。
会場にいる人たちの顔は見えないけれど、あちこちからざわざわとした声が聞こえてくる。
それは衣装を褒めるものであったり、やたらと見目麗しい『噂のカップル』に対する冷やかしであったり、一応ひそやかな声ではあるのだが、広い体育館にそれは思いの外響く。
「アリス、平気?」
「え、何が?」
ちょっと不安そうな顔になったカノンが横を向くと、何でもない顔で手首と足首を回している青年がいた。
「何か思ったより広いし・・・緊張、しない?」
「いや、別に」
嘘の吐けない男だから、平然と答えるところを見ると痩せ我慢などではなく、本当に平気なのだろう。
「ちっちゃい頃からピアノだのチェロだののステージ立たされてたからなぁ。今更これくらいのハコで緊張とかしないかな」
どちらかといえば、ファロット一家の前で踊ったときの方が緊張していた。
カノンにかっこいいと思って欲しかった、という可愛らしい理由があるからなのだけれど。
そんな風に思っていることは知らないカノンは、何それすごい! と思ってしまった。
「緊張してるのか?」
訊ねられて、隠しても仕方ないと思い、カノンは頷いた。
ふぅん、と呟いたキニアンは、カノンの両手を取った。
「あぁ、ほんとだ。冷たくなってる」
「アリス・・・」
カノンの両手を、自分の大きな手で包んだキニアンは、そのままそれを自分の額にあてた。
「──『楽しく出来ますように』」
「──え?」
驚いて目を丸くしたカノンに、キニアンは軽く微笑んだ。
「おまじない。マリアがよくやってくれたんだ。手が冷たくなってると、指が動かなくなるから」
もう大丈夫だよ、と綺麗な緑の瞳で言われると、何だか本当にそんな気がしてくるから不思議だ。
「うん!」
力いっぱい頷くカノンとそれを見つめるキニアンの様子を見て、ソナタは思ったのだ。
「あー、何か、今満開の桜が見えたわ」
若いっていいわねぇ、と呟いて、背後で『きゃーきゃー』どころか『ぎゃーぎゃー』叫び出したいのを堪えている照明担当の演劇部の女子生徒たちの熱気を受けて、パタパタと手で顔を扇いだのだった。
**********
・・・あれ、踊らない。ここまで来てまだ踊らない・・・。いや、もう次は踊るだろ。
それにしても、カノンもキニアンもめっさ可愛い。ほんと可愛い。ふたりいっぺんに抱きしめたい!!
在校生が卒業生を送り出すのが予餞会。
そのため、1、2年生が日頃の感謝の気持ちを込めて出し物をすることが多い行事だけれど、カイン校では卒業生が在校生に向けてメッセージを残すことがほとんどだ。
詩の朗読であったり、吹奏楽の演奏であったり、短い時間での芝居だったり、どちらかといえば文学部的な出し物が多い。
本番前日のリハーサル。
各自20分与えられた本番さながらの環境で、カノンたちは実際に曲を流して練習をする準備をしていた。
もちろん観客はなく、いるのは予餞会実行委員会のメンバーと、教員が数名、照明や音響を担当する委員会や部活の生徒たちのほかは、予餞会で出し物をする卒業生だけだ。
何もする予定のないソナタがここにいるのはご愛嬌。
この時期、3年生は受験勉強のため、基本的には学校に登校する必要がない。
家にいても良かったソナタだったが、「だって、何か楽しそうだから」が彼女の原動力なのだ。
「うわ、ちょっと緊張するかも・・・」
シェラ特製の衣装を身につけてステージに立ったカノンは、ぽつり、と呟いた。
照明はステージの上にのみ灯され、会場内の明かりは落とされている。
会場にいる人たちの顔は見えないけれど、あちこちからざわざわとした声が聞こえてくる。
それは衣装を褒めるものであったり、やたらと見目麗しい『噂のカップル』に対する冷やかしであったり、一応ひそやかな声ではあるのだが、広い体育館にそれは思いの外響く。
「アリス、平気?」
「え、何が?」
ちょっと不安そうな顔になったカノンが横を向くと、何でもない顔で手首と足首を回している青年がいた。
「何か思ったより広いし・・・緊張、しない?」
「いや、別に」
嘘の吐けない男だから、平然と答えるところを見ると痩せ我慢などではなく、本当に平気なのだろう。
「ちっちゃい頃からピアノだのチェロだののステージ立たされてたからなぁ。今更これくらいのハコで緊張とかしないかな」
どちらかといえば、ファロット一家の前で踊ったときの方が緊張していた。
カノンにかっこいいと思って欲しかった、という可愛らしい理由があるからなのだけれど。
そんな風に思っていることは知らないカノンは、何それすごい! と思ってしまった。
「緊張してるのか?」
訊ねられて、隠しても仕方ないと思い、カノンは頷いた。
ふぅん、と呟いたキニアンは、カノンの両手を取った。
「あぁ、ほんとだ。冷たくなってる」
「アリス・・・」
カノンの両手を、自分の大きな手で包んだキニアンは、そのままそれを自分の額にあてた。
「──『楽しく出来ますように』」
「──え?」
驚いて目を丸くしたカノンに、キニアンは軽く微笑んだ。
「おまじない。マリアがよくやってくれたんだ。手が冷たくなってると、指が動かなくなるから」
もう大丈夫だよ、と綺麗な緑の瞳で言われると、何だか本当にそんな気がしてくるから不思議だ。
「うん!」
力いっぱい頷くカノンとそれを見つめるキニアンの様子を見て、ソナタは思ったのだ。
「あー、何か、今満開の桜が見えたわ」
若いっていいわねぇ、と呟いて、背後で『きゃーきゃー』どころか『ぎゃーぎゃー』叫び出したいのを堪えている照明担当の演劇部の女子生徒たちの熱気を受けて、パタパタと手で顔を扇いだのだった。
**********
・・・あれ、踊らない。ここまで来てまだ踊らない・・・。いや、もう次は踊るだろ。
それにしても、カノンもキニアンもめっさ可愛い。ほんと可愛い。ふたりいっぺんに抱きしめたい!!
PR
この記事にコメントする