糖分、糖分っと。

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１．１日１回は連絡してよね

朝。
 
トゥルルルル、トゥルルルル。

「・・・んー・・・はい・・・」
『おはよ』
「あぁ・・・おはよう」
『起きた？』
「んー・・・寝てる」
『そう。ちなみに、今９時半だけど』
「んー、くじ・・・・・・──はっ？！」
『起きた？』
「わ、悪い！　お前、今どこに」
『もちろん、ぼくはとってもいい子だから駅でおとなしく待ってますけど？』
「～～～～っ、１０分・・・１５分だけ待って下さい！」
『モーニングコールしてね、ってハートマークつきでメールしたのになー』
「そりゃもう鼻血出るかと・・・いや、いや、違う。ほんとごめんなさい！　音速で行きます！！」
『──なーんてね。いいよ、ゆっくりで』
「・・・へ？」
『昨日試合で疲れてるんでしょ？　急いで事故起こすといけないし』
「・・・カノン・・・」（きゅん）
『その代わり、今日はぼくの我が儘全部叶えるんだからね？』（←小悪魔）
「そりゃもう全力で！！」（←単純）
 

２．手を繋いで歩いてよね

「ほんとーに、ごめんなさい」
「ぼく、１時間も待たされたの、生まれて初めてだなぁ」
「いや・・・もう・・・ごめんなさい」
「はい、じゃあ腕」
「え？」
「腕組むの」
「・・・手を繋ぐんじゃなくて・・・？」
「腕。貸しなさい」
「・・・はい」


３．デートのときは送り迎えが基本です

「あの・・・カノンさん」
「んー？」
「あの、着信とかメールが鬼のように入っていたんですが・・・」
「当たり前じゃん。自分で待ち合わせ場所指定しておいていないんだもん。事故とか起きてたらどうするの？」
「・・・・・・」
「何で今日は車じゃないの？」
「・・・エア・カー禁止なんです」
「禁止？」
「景観保護のため、とか。帰りは、ちゃんと送らせていただきます」
「・・・すぐ帰らせようとする」（ボソッ）
「何か言ったか？」
「アリスのお馬鹿」（フイッ）
「もう、ほんと今後はこのようなことのないようにいたします・・・」（←分かってない）


４．男友達・・・じゃなくて、父さんと遊ぶのくらい、許してよね

サンデナン大陸自治公園内美術館にて。

「来週の土曜って、空いてるか？」
「空いてない」
「・・・そっか」
「父さんとデート」
「──・・・・・・」
「シェラはリィたちと出かけるし、ソナタはライアンとデートだから暇なんだって。久しぶりに構ってあげようと思って」
「・・・そうですか」
「あ、不機嫌」
「そんなことありません」
「仲間に入れてあげようか？」
「結構です。先約を優先させて下さい」
「あー、やっぱり怒ってる」
「怒ってない」
「アリス、機嫌悪いと目合わせないからわかりやすいんだ」
「・・・・・・」
「バイクのリアに乗せてもらおうと思ってたんだけど、アリスも行く？」
「──え、ヴァンツァー単車乗るの？」
「たまーにね」
「何、どんなの乗ってるんだ？　やっぱり大型？」
「・・・なんかすごい喰いついてきたな・・・」
「ゴーグルかけて、『行くぞ、フェンリル』とかバイクに話しかけちゃったり？！」
「・・・ねぇ、それどこの中二病金髪ゲーマー・・・？」


５．女友達と仲良くしちゃダメ

美術館併設カフェにて。

「そういえばさ、この前下級生から告られてなかった？」
「あー・・・・・・はい」
「可愛い子だったって噂なんだけど」
「・・・どこからそういう情報が流れるんだよ・・・」
「なんて言って断ったの？」
「・・・普通に」
「普通に？」
「・・・恋人いるから、って」
「で？」
「何だよ、『で？』って。それで終わりだろう？」
「そのフラれたはずの女の子、めちゃめちゃ嬉しそうだったらしいけど」
「は？」
「二股で良ければ、とか言ったんでしょ」
「言うかよ。ただ、『じゃあ友達でもいいんで』って言うから、まぁ、友達なら、って・・・・・・え、カノンさん？」
「ほぉーう？」
「・・・あの・・・？　目が据わってますけど？」
「友達。告ってきた子を振っておいて、お友達になったんですか」
「いや・・・だって泣くから」
「さぞモテモテのキニアン君は女友達が多いんでしょうねぇ」
「・・・なんか棘があるな」
「当たり前でしょ？！　なんなの、ぼくという超絶可愛い恋人がありながら！！」
「・・・自分で言うなよ」
「は？　だって可愛いでしょ？」
「いや、可愛いけどさ」
「だったら何で他の女の子キープするわけ？！」
「してないし」
「してるじゃん。『お友達から』ってやつじゃん」
「ただの友達だろ？」
「ダメ！」
「じゃあ、お前もヴァンツァーとふたりで出かけるの禁止」
「やだ！」
「・・・お前なぁ・・・」
「ぼくはいいの。アリスはダメ」
「・・・っとに、我が儘だなぁ」
「今日はぼくの我が儘全部、全力で叶えるって言った」
「・・・・・・」
「言った」
「・・・言いました」
「じゃあダメ」
「お前さぁ・・・びっくりするくらいやきもち妬きだよな」
「妬いてないっ」
「いやいや、方向性は真逆だけど、ヴァンツァーそっくりだよ」
「父さんと一緒にしないでよ」
「何でだよ。お前ヴァンツァー大好きだろう？」
「それとこれとは話が別」
「あれだろ？　飼い犬に手を噛まれたから腹立ってるんだろ？」
「・・・は？」
「別にそんなに怒らなくても、大丈夫だぞ？」
「・・・何が」
「浮気とか二股がどうこうっていうより、俺、危ないんじゃないかってくらい女に興味ないらしいんだよ」
「前は彼女いたくせに」
「うん。毎回２カ月しないでフラれたんだけどさ」
「──はぁ？」
「部活ばっかりで、デートとかしたことなくて」
「ぼくとはするじゃん」
「だからさ。誰かと外歩きたいな、とか、出かけたいなって思ったの、初めてなんだ」
「・・・・・・」
「こういう言い方は失礼かも知れないけど、やっぱお前可愛いからさ。なんか、自慢じゃん」
「・・・・・・」
「あれ、顔赤くないか？」
「うっさい、誑し！」


６．もっとやきもち妬けばいい

「じゃあさ、アリスは、ぼくが他の男子と話してても気にならないわけ？」
「そんなことないけど」
「そうだよね。割って入ってくるもんね」
「割って入ってません」
「うーっそだー。『お前、どうせ大した用事じゃないだろ？』って顔に書いてあるもん」
「・・・俺、そこまで分かりやすいんですか・・・？」
「ちょっとどうかと思うくらい」
「・・・・・・気をつけよう」（ボソッ）
「それ見てる女の子たちが、ぼくのことちょっと羨ましそうに、妬ましそうに見てくるのが、堪んないんだよね～」
「え、お前妬まれてるの？」
「運動と音楽以外の神経どっかで切れてんじゃないかってくらい鈍感な人には分からないよね」
「え、っていうか、誰だよ、そんな風に思ってるやつ。妬むっておかしいだろう？」
「別に怒らなくてもいいよ。結構気分いいし」
「そういう問題じゃないだろうが。おかしいだろう、何で俺が羨ましがられたり、妬まれたりするんじゃなくて、お前なんだよ」
「・・・それこそ、そっちじゃねーよ、って話だよ」
「カノン、お前、最近言葉遣い悪いぞ」（でこツン）
「・・・いや、ちょっと、３分でいいから真剣に反省してくれる？」


７．大事にして下さい

「ん～。空気もお茶も美味しかった～」
「な。──あ、でも、お前はつまらなくなかったか？」
「どうして？」
「いや、俺はこういうところ好きだけど、前に美術館とか誘ったら『暗い！』とか言われてさ」
「前の彼女？」
「あー・・・はい」
「そりゃしょーがないよ。アリスが美術館とコンサート巡りが好きな音楽少年だなんて、見た目からは分かんないもん」
「だからさ、お前も」
「ぼくも煩いところ嫌いだし、それに、好きなことしてるアリスって、いい顔して笑ってるから」
「・・・笑ってるか？」
「うん。ラファエロの絵、泣きそうな顔で微笑んで見てた」
「・・・穴掘って入りたい」
「いいじゃん、そういうの。綺麗なものを見て、聴いて感動できるのは、心が綺麗な証拠だよ」
「・・・お前は、いい子だな」（なでなで）
「なっ！」
「あーもー、何か、ほんと自慢して歩きたくなってきた」
「や、やめてよ恥ずかしい！！」
「どうしようかなー？」
「アリス！！」
「あはは」




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あと２個あったけど、『男は黙って愚痴を聞け。相槌も打つな』と『おうちデートだけじゃやだ。どっか連れてけ』なので、考えるのが面倒（コラ）

一生やってろ、って感じのこのふたりが大好きだ。可愛いな、ちくしょーめ。