忍者ブログ
小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
<< 12   2025/01   1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31     02 >>
[1628]  [1627]  [1626]  [1625]  [1624]  [1623]  [1622]  [1621]  [1620]  [1619]  [1618
は~子どもって天使や~。泣いてても天使たんや~。
いや、泣いたのは最初の2分だけだけどな。ぬいぐるみまみれにしてやったら泣きやんだぜ。

そんなわけで、午後は妹の子どもをうちで見てました。ゴルフの打ちっぱなしに夫婦で行きたかったんだと。そういや昨日は『いい夫婦』の日でしたね。11月22日。
子守はいいけど、昼寝してくれなかったから、今晩大変だろうなー。7時半くらいに寝たってことは・・・夜中起きないことを祈るばかりです。

今月入ってから仕事忙しいけど、ちょっと癒されたよ。ちび天使はマイナスイオン発生機だな。

そんなこんなで、『いい夫婦』の日ネタ?

**********

ヴァンツァーは、勉強熱心だ。
もう、中毒と言ってもいい。
学生時代から、暇さえあれば何か本を読んでいるような男だった。

「──あ、あれ。泣き止まないぞ?」

あたふたしながら双子の赤ん坊を見つめる。
1歳になったばかりの子どもたちは、寝ていても起きていても天使だった。
けれど、時々泣き止まないことがあるのだけが困りごとだった。

「お腹いっぱいのはずだし、おしめ替えたし・・・えーっと、あとは・・・」

ベビーベッドの中でこの世の終わりとばかりに泣き叫ぶ双子に、どうしていいのか分からなくなる。

「──眠いだけだろう」

言って、ひょい、とベッドの中からまずはソナタを、次にカノンを抱き上げる。

「──ヴァンツァー?」

背後から伸びてきた腕に収まった子どもたちは、次第にぐずぐずとした泣き方に変わっていった。
5分も経つ頃には、すっかり夢の中だ。

「・・・お前、神様だな」
「大袈裟な」
「でも何でだろう。いつもいい子で寝てくれるのに・・・」
「昼寝をしていないからだ」
「──え?」
「言っただろう? 眠いだけだよ」

あまりにも眠気が酷くてぐずっていたということだろうか。
確かに、昼間は出かけていて興奮気味だったから、ベビーカーの中でも眠れないようだったが。

「泣くほど眠いなら、大人しく寝ればいいんじゃないか、とは思うがな」

苦笑しながらも、腕の中の子どもたちを見る目はあたたかい。

「・・・悪い。休みの日まで子守をさせて」
「──『休みの日くらい子守をさせろ』、と思っているんだがな」
「え?」
「不思議と落ち着くんだ。子どもを抱いていると」
「・・・・・・」
「このちいさい身体が、自分の中の悪いものを全部取り除いてくれる気がする」
「・・・泣き声が、煩いとか・・・」

そういう話を、何かで読んだことがある。
仕事で疲れて家に帰ってきた父親が、子どもの泣き声が煩いと怒鳴りつけ、暴力を振るうこともあるとか。
自分の力を知り尽くしているこの男に限ってそれはないだろうと思うのだが、本の中の父親も普段はやさしい男であることが多いらしい。

「子どもの泣き声は、魔を祓ってくれるらしいぞ」
「──祓う?」
「まだ言葉を操れない分、自分にとって悪いものを泣くことで知らせようとする。空腹も、眠気もそうだ。赤ん坊には常人には見えないものが視えるというし、確かに、すごいパワーだからな」

くすっと笑う様子は決して苛立ちなど感じてはいなさそうで、感心するばかりだった。

「・・・お前は、何でも知っているんだな」

ほんの少し悔しい気がして、俯いた。
自分もこの男も子どもを持つのは初めてのはずだというのに、何だか置いていかれている気がする。

「──種明かしをしてやろうか」
「種? そんなのがあるのか?」

身を乗り出すと、子どもたちをベッドに横たえたヴァンツァーは「書斎へ行け」とだけ言ってきた。
何でも、『三種の神器』がそこにあるのだとか。
思わず首を捻ってしまったが、ふたりの子どもなのだから自分だけ置いていかれるのは嫌だ。
早速書斎へ向かうと、分厚いハードカバーの文献や辞書、ビジネス書籍から小説、雑学系までおびただしい量の書籍の中で、ひと際異彩を放つ一角を見つけた。

「え・・・?」

綺麗に整頓された背表紙を見て、一瞬ここがどこだか分からなくなった。
まさか、という思いが強かったが、何冊か手にとって中身をぱらぱらと読み流し、それらを持って書斎を出る。
子どもたちが完全に眠ったことを確認した男は、キッチンで珈琲と紅茶の用意をしていた。

「・・・『三種の神器』って、これのことか?」
「あぁ。お前だから特別だ」

他のヤツには教えるなよ、と言われて、その表情がちょっと笑っていることに気づいた。
決してからかってきているわけではないので、お茶の用意が出来るまで大人しくリビングで待つことにした。
持ってきた本を捲り、写真の多い紙面に目を通す。

「・・・『三種の神器』・・・」

確かに三種類の本なのだが、仰々しいことを言うから何かと思えば。
だが、書いてある内容は確かに勉強になる。
しかし、これをあの男が読んでいるところを想像すると・・・・・・ダメだ、腹筋が崩壊する。

「──笑うようなことが書いてあったか?」

リビングへ戻ってきたヴァンツァーがそんなことを言うので、余計におかしくなった。
涙まで出てきて、痛む腹を押さえて首を振った。

「確かに、ヴァンツァー・ファロットの愛読書がコレだなんて、ちょっと他の人には言えないな」
「面白くないか?」
「本の中身? それとも、お前がこれを読んでること?」
「中身だよ」
「あぁ、勉強になるよ」
「だろう?」
「でもまさか、お前が『たまごくらぶ』、『ひよこくらぶ』、『こっこくらぶ』を読んでるなんて」

しかも、丁寧に発行順に綺麗に並べて整頓してあった。
もともと几帳面な男なのだ。

「『三種の神器』だろう? 毎月15日は『たまひよの日』だぞ」
「いや、そんなドヤ顔で言われても」

あぁ、また腹筋が。

「・・・似合わないか?」

紅茶のカップを受け取り、「心外だ」という顔をしている男に首を振って言ってやった。

「いや、──いいパパしてると思うよ」

当然だ、という顔をしている男に、また笑いが込み上げてきた。


**********

懐かしいなー、双子が赤ちゃんの頃。
何か、生活臭の全然しないヴァンツァーはスタイリッシュでかっこいいかも知れないけど、所帯染みてるヴァンツァーも、それはそれでかっこいいんじゃないか、という空想の結果。
護るものがある人間は、強いんだよね。

あぁ、どうでもいい話ですが、巷では『El Shaddai』というゲームが大人気らしい。ゲームショウでも賞をもらったみたいなんですが、動画やぴくしぶで腐女子に大人気。天界で書記官している人間イーノックと大天使ルシフェル様のお話。人間に憧れて堕天した天使が多くて怒った神様は人間界への洪水計画を立てたんだって。イーノックは計画を止めるように願い出たけど、じゃあ堕天使たちを捕縛しろ、って言われて旅に出る話らしい。イーノックってきっとエノクのことで、メタトロンっていう神をも凌ぐ力を持った天使になる人間。それと、堕天使の親玉というか、サタン(ルシファー)になるルシフェル様の旅。まー、エンディング見えてる気がするけど・・・この業界ではゴチソウです(笑)
でも、『来春発売』のゲームにそこまで萌えられるって腐女子パワーってすごいよね、と何気なくぴくしぶ見てたら、自分もハマっていたという魔法(笑)ハマったというか、もともと好きな世界観だけに、記念小説書かなきゃ、と思ったというか・・・天使とか楽園とか、そういうの好き。もちろん、神は全能でもなければ、天使は完全な善ではない、というのが私見ですが。あー、オリジナルもそんな話だった気がする。うむ。色々ちまちま書いていこう。
PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret(管理人のみ表示)
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
拍手
検索
リンク
Copyright ©  ひっくり返ったおもちゃ箱 All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]