小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
追加。あのあとのカンベエとキュウゾウ。
言っておきますが、ぼくは何ひとつ脚色していない。アニメのワンシーンをそのまま再現しているだけ。絶対、これっぽっちも脚色していない。
言っておきますが、ぼくは何ひとつ脚色していない。アニメのワンシーンをそのまま再現しているだけ。絶対、これっぽっちも脚色していない。
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「この場でわしを斬るか・・・?」
カンベエの言葉にキュウゾウは口端を吊り上げた。
すすす、と左手の剣の切っ先が持ち上げられる。
陽光を弾く小太刀は、これまで幾人の命を屠ってきたものか。
妖しく輝く刀身に、周囲にいるものは皆固唾を呑んだ。
カンベエを助けたくとも、誰も身じろぎひとつすることが出来ない。
キュウゾウが剣を振り下ろせば、カンベエの首が飛ぶ。
それは頭で理解していても、身体が反応しないのだ。
ごくり、とカツシロウが喉を鳴らす。
策があるのかないのか、カンベエの様子からは窺い知ることが出来ない。
──と、そのとき。
「は~、やっと終わったぜ」
ガシャリ、ガシャリ、と金属音をさせて、巨大な剣を携えた巨体がやってきた。
全身機械であるキクチヨは、眼下に見知った顔を見つけた。
そのカンベエの背に、今にも刀を振り下ろそうとしている見知らぬ男の姿。
「──危ねぇ、カンベエ!!」
剣を振りかざし、巨体を宙に躍らせる。
「おっちゃま!!」
コマチが嬉しそうな声を上げる。
振り返ったキュウゾウは、標的をキクチヨに定めた。
両手持ちの巨剣を、左手に携えた小太刀だけでやすやすと弾き飛ばしたキュウゾウは、そのまま右の小太刀でキクチヨを葬ろうとした。
「──ふんっ!」
カンベエは抜刀し、背後からキュウゾウの右の小太刀を叩き落とした。
直後、キクチヨは地面に散らばっていた鉄パイプに足を取られて派手に転んだ。
「うぁぁぁぁ! いてぇぇぇぇ!」
無様にひっくり返ったキクチヨからカンベエに視線を移すキュウゾウ。
余計なことを、と思っているのか、それともキクチヨは殺す価値もないと判断したのか。
右足の甲の上にある、カンベエによって落とされた剣を、爪先だけを動かして宙に浮かせ、手に取る。
「気が失せた」
くるり、とカンベエに背を向け、鞘に刀を納める。
「いずれ、また」
どこか気まぐれな猫のような様子で悠々と階段を登っていくキュウゾウの背中を、一同じっと見つめている。
やがて、カンベエは己の右の首筋にそっと手をやった。
その浅黒い肌には、キュウゾウによって薄く傷をつけられた痕。
殺されかけたというのに、カンベエはゆったりと唇を持ち上げ、笑みを浮かべた。
「──欲しい」
力強い言葉。
その瞳は、宝物を見つけた子どものようでも、獲物に狙いを定めた狩人のようでもあった。
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ろっくおん。
きゅーちゃん、逃げて、ちょー逃げて(笑)
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