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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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書きたいので、黄金いってみようか。

今回は、双子座で。


**********

同じ顔、同じ身長、同じ体重、──同じ力。
何もかもが同じだというのに、何ひとつとして同じところがない。

もしあるとすれば──。

88の星座の頂点に君臨する黄金聖闘士の中に、星々さえ砕く力を持つ最強の聖闘士がいる──正確には、聖闘士『たち』が。
守護星座と同じく双子としてこの世に生を受けた彼らは、しかしその性質は正反対であった。
兄のサガは、神や天使のようだと言われ、聖人として人々に受け入れられていた。
実際、誰にでも分け隔てなく接し、弱きを助け強きを挫くサガは、次期教皇候補として目されており、聖闘士はもちろん雑兵からの信頼も厚かった。
女神アテナの戦士である聖闘士最強の黄金聖闘士も、現在は双子座と射手座が最年長だ。
他の星座の聖闘士たちは、天才的な戦闘能力で黄金の聖衣に選ばれたが、みな、まだ十代前半だった。
女神に代わって地上の平和と秩序を保つ絶対君主である教皇には、双子座のサガか射手座のアイオロスが選ばれるだろうと誰もが思っていた。

「──もう一度言ってみろ!」

神のようだと言われる男が、怒りを露に拳を振るう。
殴られた男はその拳の重みに耐え切れず、石畳に叩きつけられた。

「・・・何度でも言う。アテナに代わり、我らが地上を支配するべきなのだ」
「カノン!」

陽の光を受けて黄金に輝く聖衣を纏った男と、倒れこんでいる粗末な服装の男はまったく同じ顔をしていた。
顔だけではない。
髪の色も、体格も、その声すらも同じ。
ただ、同じ青い瞳でも、聖衣を纏った男の瞳が空の青であるのに対し、カノンと呼ばれた男のそれは海の青だった。
このカノンこそ、サガの双子の弟──もうひとりの、双子座の聖闘士だった。
このふたり、顔は同じだというのに表情がまったく違った。

「お前・・・先ごろ聖域に降臨なされたアテナをお守りし、地上の平和を保つのが我ら聖闘士の使命。それを」
「アテナなど、ただの赤ん坊に過ぎぬ。我らは星をも砕く力を持っている。我らの力をもってすれば地上の支配すら──」
「──黙れ! 貴様、それでもアテナの聖闘士か!!」
「──っ!!」

聖衣を──それも、黄金の聖衣を纏うことを許された聖闘士は、光の速さで動き、攻撃をすることが出来る。
その力は強大無比。
その気になれば、たったひとりで街ひとつを破壊するなど造作もない。

「・・・サガ。お前の方こそ、あんな赤ん坊を本気で守る気でいるのか?」
「無論のこと。アテナは巨悪と戦うために数百年に一度地上に降臨される。そのアテナを助け、地上を守るのが我ら聖闘士の使命。それを忘れた貴様は、最早聖闘士ではない」

兄の険しい表情と叱責に、カノンはしかし薄く笑ったものだ。

「・・・どうせ、俺は聖闘士にはなれん」
「・・・なに?」
「サガ。お前がその聖衣を纏っている限り、俺はお前と同じ力を持っていようとも、黄金聖闘士にはなれん」
「・・・・・・」
「そもそも、不吉な双子の弟は、表舞台にすら出られん」
「カノン」
「教皇も、アイオロスですら俺の存在を知らぬのだろう?」
「・・・・・・」
「『神のようなサガ』に、こんな出来の悪い弟がいたのでは、外聞が悪かろう」
「違う、わたしは」

ゆっくりと立ち上がったカノンは、昏い瞳をサガに向けた。

「だが、俺とお前の力は同等。外見も同じ。──なぁ、サガ。俺がその双子座の聖衣を纏ったら、みなが俺を『神』と呼ぶようになるのか?」
「・・・・・・」
「俺の手を取れ。我らふたりで、地上を支配するのだ」

ゆったりとその美貌に笑みを浮かべたカノンに、サガは奥歯を噛み締めると再度拳を振るった。



「──出せ! サガ!!」

エーゲ海に臨むスニオン岬の先端。
その崖下に牢のような場所がある。
神の力をもってせねば決して抜け出すことは出来ないと言われる、罪人を捕らえるための檻。

「しばらくそこで頭を冷やせ、カノン」
「サガ!」

聖闘士最強の力を持ち、神とも呼ばれるサガにとって、この牢にカノンを閉じ込めることなど造作もない。

「その檻は、神の力をもってせねば開かん。アテナに祈り、赦しを乞え、カノン」
「貴様、実の弟をこのような目にあわせて何が楽しい!!」
「満潮時には、牢の中が海水で満たされる。聖衣のないお前が生き延びるには、神に祈る他ない。お前が悪であれば、そのままそこで朽ちる」
「サガ! 貴様!!」

背を向けて去っていこうとする兄に、カノンはあらんかぎりの声で罵声を浴びせた。

「サガ! 俺は知っている・・・神のようだと言われるその善人面の下に、お前が隠しているものを・・・お前こそが悪なのだ!! サガ!!」

波音に遠のいていく弟の声。
アテナに祈れ、と突き放したけれど、サガこそがアテナに祈りを捧げていた。

──どうか、弟をお救い下さい。

あの牢からではなく、その心を。
力を欲し、力に溺れようとしている最愛の弟を。
どうか。


やがてカノンは、満潮を迎えるたびに海水に飲まれ、食事を摂ることも出来ず日に日に衰弱していった。
だが、もうダメだ、と思うと、何だかあたたかい光を感じてそのたびに九死に一生を得るのだった。
ある日、彼は牢の奥から何か強い小宇宙を感じた。
聖闘士の──サガのそれよりも強大な小宇宙。
今までに感じたことのないその力に、カノンは惹かれた。
もうほとんど身体に力は入らず、これ以上は死ぬ、という限界まできている。
だから、硬い岩壁を拳で叩き、ほんの少し周囲とは違う音のする場所を見つけたとき、最後の一撃だ、と思った。
この奥から、とてつもなく強大な小宇宙を感じる。
何かがある。
きっと、この奥に行けば生き延びることが出来る。

「・・・俺は、生きる・・・生きて、地上の支配者となるのだ・・・」

拳を固め、渾身の一撃を放った。

──その奥で、カノンはもうひとつの自分の運命と出会うこととなったのである。



サガが教皇を暗殺して聖域を乗っ取り、カノンが海皇ポセイドンの配下、ジェネラル・シードラゴンとして覚醒するまで、あと僅か。



**********

あはは、やべぇ。全然内容覚えてねぇ(笑)こんなんじゃないです、信じないで下さい。サガはもっとかっこよくて、カノンはもっとただのヘタレです。双子なのに、友達に「ねぇ、カノンってどんな顔してたっけ?」って訊いちゃったくらい、サガとの格差がすごいです、私の中で。
あ、そういえば、サガって女の子の名前なんですよね。北欧神話に出てくる女神様だったかな? その名の通り、とっても別嬪さんです。黄金では、やっぱりサガが一番好きだなぁ。出てくるときの大半黒サガだけど。

よく分からないけど、この双子好きなんだわ(笑)
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