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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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GW入りました。軽く仕事はしますけどね。ひとまずは24日でおしまい。ちょっと長めのお休みです。日頃の睡眠不足解消と、うちも含めていくつかHP作りを進められたらいいなぁ、と。

今は、自粛期間含め5月下旬まで過去のツアー映像をようつべで配信してくれているがくちゃんにパワーをもらっているところです。見に行けたのもあるし、行けなかったのもあるし、とても嬉しい。

そうそう、私の中でライアンはYOHIOちゃんみたいな見た目です。まぁ、彼はリアルクラウドって感じもしますが、色白なところを除けば、あのちょっと垂れた目と女の子にしか見えない美貌はまさに! って感じで。YOHIOちゃんの歌声って、ちょっとyasuの声に似てる。

さ、そんな長いお休み、私も少しでも皆さんに明るく過ごしてもらえますようにと。話自体が明るいかどうかは別として(コラ)小ネタいってみましょ。

**********

「──次の仕事は」

だらり、と長い手足をソファに投げ出した男の言葉に、シェラはにっこりと微笑んだ。

「今週の仕事は終わりだ!」
「・・・は?」

銀色の天使と呼ばれるシェラから笑みを向けられて顔を顰める男は、きっと彼くらいのものだろう。
シェラが天使なら、彼は堕天使。
漆黒の髪と、三日月の近くの夜空のような藍色の瞳。
白皙に通った鼻梁、形の良い唇、筋骨質な均整の取れた肉体。
その美貌は妖艶ですらあり、女はもちろん、男の目すらも惹かずにいられない完璧な容姿。
けれど、その顔に表情は乏しく、瞳には覇気がない。

「終わり、と言ったか?」
「ああ!」

何が嬉しいのか、菫色の瞳をきらきらと輝かせているシェラに、男──ヴァンツァーは言葉を重ねた。

「今日の、ではなく・・・今週、と言ったか?」
「ああ、今週の仕事はおしまいだ!」
「・・・今日は火曜だ」
「そうだな」
「もう、今週の仕事がないのか?」
「ない!」

きっぱりと言い切ったシェラに、ヴァンツァーは腹の底から絞り出すようなため息を零した。

「・・・書類仕事でも何でもいい、寄越せ」
「報告書は?」
「とっくだ。端末に送ってある」
「はやーい!!」

どれどれ、と執務机の上の端末を操作すると、確かにそこにはメールが一通。
添付された報告書は、詳細かつ簡潔。
知りたいことがすべて記載されていて、補足説明を求める必要すらない。

「経費は」
「机の上」
「おお!」

精算書類も不備なし。

「じゃあおしまい!」
「おしまい、じゃない。仕事を寄越せと言っている」
「ちょっとお休みした方がいいよ。ずっとそんな調子で働き詰めじゃないか」

死んじゃうよ、と心配そうな顔をするシェラに、ヴァンツァーは鋭い視線を向けた。

「俺が退屈で死ぬ前に仕事を寄越せと言っている」

シェラは天井を仰いでため息を吐いた。

「・・・うちみたいな弱小事務所に、Sランク魔法剣士が必要な仕事なんて、そうそう来ないんだよ」
「どんなランクでもいい」
「だってお前、そんな殺気ピリピリしてたら迷い猫探しとか、配達の仕事とか出来ないだろ」
「資料寄越せ」
「え」
「さっさと寄越せ」
「・・・・・・」
「おい」

立ち上がり、シェラの執務机に音もなく歩み寄る男。
背の高い男だから、頭上から睨みつけられているような印象を受ける。
それが原因でもないけれど、シェラは不安げに眉を下げた。

「・・・渡す。渡すから、今日と明日は休んで」
「必要ない」
「じゃあ教えない」
「シェラ」

ふるふるっと銀の頭を横に振るシェラに、ヴァンツァーは大きく息を吸い込んで吐き出す。

「だって・・・だって、あんな怪我してたのに」
「もう治った」
「ちゃんと休まないからだ!」
「関係ない」
「──”スリプル”!」

シェラの右手のバングルに嵌められた緑の魔石が輝く。
ふわり、とシェラの髪が浮き、魔法が発動する。

「ふっ」

けれど、ターゲットとなった男は涼しい顔で、嘲笑すら浮かべた。

「死にかけていたときならいざ知らず、お前の魔法が俺に通じるとでも?」

そうして、そっとシェラの手に己の手を重ねた。
ビクッ、と大袈裟なまでにシェラの肩が震える。
すり、と長い指が手の甲をなぞる感覚に、シェラの心臓は煩く騒いだ。

「ヴァン」
「──”スリプル”」
「っ!!」

大きく目を瞠ったシェラの瞼がゆっくりと落ちていき、力なく机に突っ伏す。
回り込み、シェラの軽い身体を抱き上げソファへ横たえたあと、執務机に戻ったヴァンツァーは、シェラの端末を操作して現在受けている仕事の一覧を頭に叩き込んだ。
子どもの使いのようなものばかりが、10にも満たない。

「ないよりマシか」

呟いた男は、シェラのバングルから魔石を抜き取ると、部屋を出た。
そうして、次に戻ってきたときにはマスターレベルまで成長した『ふうじる』の魔石と、成長後に分裂した真新しい魔石の2つをシェラに投げ寄越した。

「使うなり売るなり、好きにしろ。いくつでも増やしてきてやる」
「・・・」
「さっさと次の仕事を寄越せ」

ついでとばかりにマスターレベルの『ぜんたいか』も寄越され、シェラの手は震えた。

**********

FF7オマージュで。
ちなみに、マスターレベルの『ふうじる』は売価20万、『ぜんたいか』は140万なり。
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