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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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今週土曜日は祝日です。今年は土曜日の祝日がとても多いです。日曜の祝日は振り替えるんだから、土曜日だって振り替えればいいのに。

そうそう。どうでもいい話ですが、この前の日記に書いた『人前でのセクハラ云々』ですが、当たるか当たらないかの話で言えば『公然猥褻罪』にも当たるでしょうが、『セクハラ』が成立した時点で、『強制猥褻罪』が適用されるはずです。大学卒業してからもちろん六法なんて開いてないのであくまで当時の知識と私個人の法解釈の話ですが。『猥褻罪』にはとても大きく分けて『公然猥褻罪』と『強制猥褻罪』があって、後者の方が罪が重いです。前者は罰金で済む場合もありますが、後者はがっつり懲役刑のみです。で、『人前』なので『公然』が適用されそうな気もしますが、『セクハラ』は『強制』です。
日本の刑法の場合、私が勉強していた当時は刑の足し算はしません。『公然猥褻罪』で懲役6ヶ月で、『強制猥褻罪』で懲役1年だから、足して1年6ヶ月、とかしません。重い方の、『強制猥褻罪』の1年のみが適用されます。私の記憶が確かならね(笑)なので、人前だろうと何だろうと、『セクハラ』の訴えが被害者からあれば、警察および検察は、『強制猥褻罪』で捜査を進めるはずです。『強制猥褻罪』に関しては親告罪なので、被害者からの訴えがなければ罪に問われることはありませんけどね。

ちなみに、被害者の対象年齢は13歳以上(日本の法律では、性的同意年齢を13歳と規定しているため)ですが、13歳未満にも同じように適用されます。また、『猥褻罪』に関しては性別は問いません(笑)『強姦罪』は被害者が女性の場合にしか適用されないんですけどね。なので、うちのヴァンツァーさんも結構ぎりぎりアウトなことやってますけど、シェラたんが訴えないから無事なだけであって、いつお手々が後ろに回ってもおかしくない、という(笑)

そういや、大昔にこんなことを日記に書いた気がするな。それでヒットしたのか。

・・・この流れから何を書こうというのか、俺。

**********

「だいたい、お小遣いっていくらあげてるんですか」

『プリンセス某』な格好のままのシェラは、カーサの淹れた紅茶と美味なお茶菓子にほっとひと息──吐きたいところではあったのだけれど。
Mr.Perfectなお兄さんがまさかコスプレ紛いな服装を勧めてくるとは思っておらず。
可愛いワンポースだなぁ、と思いつつ、着てみてあまり違和感を覚えない自分に驚きもしたのだが。
まぁ、『死ぬほど愛される』というのを、一度くらい体験してもバチは当たらないんじゃないか、と。
ちょっぴり期待しつつ、メイドさんに着替えやヘアメイクをしてもらっている間はわりとホクホクしていたシェラだったりしたのだ。
それなのに、蓋を開けてみればまさかまさかの『セーラー○ーン』とは。
シェラだってちいさい頃にアニメを見たことくらいはあるけれど、どう考えても『セーラー○ーン』と『プリンセス・セレ○ティ』の違いが分からず。
ケリーは玩具会社の社長ということもあってそちら方面に精通しているのは当然としても、弟の初恋の相手が漫画やアニメの登場人物だというのに「まぁ、難しいだろうけど頑張んな」で済ませてしまうのは如何なものか。

「毎日、毎日ゲームばっかりで。こんなに目だって悪くなっちゃって。デートなんて連れてってくれないし、服は魔女っ子とか美少女とかネギとか。そんなんばっかりじゃないですか。カーサさんが持ってきて下さるスーツとか、すごくかっこいいのに全然着ないですし」

ぷんぷん頬を膨らませているのは、多分に自分が構ってもらえない鬱憤が込められているわけだが、実は隣に座ってるヴァンツァーがいつになくきらきらとした瞳で自分を見つめてくるのがくすぐったくもあり。
しかし、それが自分自身を見ているのではないというのが分かっているから哀しくもあり。

「この前だって、乙ゲーやって小遣い稼ぎするんだって言ってたんですよ? まるっきりニートですよ、ニート」
「いくらだっけ、カーサ?」
「はい。1作品、1本でございます」
「あぁ、そんなもんか」
「はい」

──んんん?

ゲーム1作品やると1本って、何の話だ?
新しいゲームを買ってあげるという話だろうか、と。
首を傾げたシェラに、ケリーは紅茶にブランデーを垂らしながら言った。

「1作品100万だ」
「──ひゃく?!」

は?! 馬鹿じゃないの?! と思わず口に出しそうになってしまった。
『小遣い』のレヴェルじゃないだろうそれ、いくらお金持ちでも! と喉元まで出かかった言葉をどうにか飲み込む。
おいおい大丈夫かこの家族、と。
シェラは大きく目を見開いたまま、意識が遠退いていくのを感じていた。

「・・・ちょっと、いえ、だいぶ甘やかし過ぎじゃないですか?」
「いや、でもなお嬢さん」
「お嬢さんじゃないですけど、何でしょう」
「そいつが『面白い』って言った作品は、少なくとも30万本は売れるんだ」
「はぁ」
「概ね50万本以上。100万本売れたこともある」
「そうなんですか」

それがどれくらいすごいことなのか、イマイチよく分からないシェラだったので、生返事を返すしかない。

「単純計算、5000円のソフトが50万本売れるといくらになる?」
「えっと・・・・・・────はっ」

血の気が引きそうになったシェラであった。

「十億単位の売上になるんだ。100万くらい、安いもんだろ?」
「で、でも売れる保証は」
「売れるんだ、これが。ヴァンツァーが『つまらない』と言って手直しせずに出したソフトは鳴かず飛ばず」
「最初の評価が鳴かず飛ばずでも、坊ちゃまの仰るように手直しをした作品は面白いように売れるのでございます」
「・・・・・・」
「ゲームしかしない、頭の悪いニートに見えても、一応大学も出てるしな」
「・・・ちなみに、どこですか?」

何だかよく分からないが嫌な予感がしたシェラに、カーサはどこか誇らしげにこう言った。

「ハー○ード大学でございます」

卒倒しなかっただけ、シェラの神経はだいぶ太いと言えた。
ここで、ちょっと待てよ、とシェラは頭を抱えた。
顔が良くて、身長高くて、金持ちで、頭も良くて、偏りはあるが商品開発能力も高い──なのにオタク。
文字通り、美少女育成ゲームが三度の飯より好きな男だ。

──・・・・・・残念過ぎる。

残念過ぎて涙が零れそうだ。

「ヴァンツァー・・・何でまたその大学を選んだの?」
「俺のことはまも」
「それはもういいから」

皆まで言わせないシェラに唇を尖らせた男は、「早く出られるから」と言った。

「は?」
「あっちの大学なら、スキップ出来るから」
「・・・したの?」
「した」
「・・・いくつで出たの」
「16で入って、18で出た」
「・・・・・・・・・・・・」

まったくついていけない。
次元が違う。
何語を話しているのかも分からない。
そんなシェラに助け舟らしきものを出したのは、やはりよく出来た執事であった。

「坊ちゃまは、引っ込み思案な性格からか幼少期よりなかなかご学友に馴染めず・・・」
「登校拒否ですか。そんな頃から引き篭もりですか」

疑問形ですらなくはっきり言い切ったシェラの言葉をどう受け取ったのか、カーサは話を続けた。

「旦那様も、無理強いは良くないとお感じになって家庭教師はつけていたのですが、そちらもどうも合わないようで」
「もう、それ、ただの我が儘なんじゃないですか?」

だいぶ脳と精神が疲弊していたらしいシェラは、もう遠慮の『え』の字もない。
ケリーはくつくつ喉を鳴らして面白がっているようだ。

「とはいえ、坊ちゃまは勉強が苦手ということもなく、逆に良く出来過ぎていたのでつまらなかったのでしょう。昨今、かつてほどの学歴社会ではなくなってきたとはいえ、出来ることなら大学は卒業しておいた方がご本人のため。それならばもういっそ高校は行かなくてもいいから大学に入られては、ということに」
「色々飛躍してますが、で、選んだのがハー○ードですか」
「坊ちゃまは大変優秀な成績でご卒業なさいました」

ほくほく、と。
まるで我が身の誉れのような顔で話すカーサの様子は大変微笑ましいのだが、シェラは気づいてしまった。

「──ヴァンツァー」
「まもちゃ」
「だからそれはもういいの! ひとつ質問に答えてもらえる?」
「・・・何だ」

ちょっと嫌そうな顔をしたものの、シェラの見た目が初恋の人だからか、あまり強くは出られないようだ。

「2年で大学卒業したのって、もしかして──さっさとゲーム漬けの毎日に戻りたかったから?」
「卒業したら自由にしていいって言うから」
「・・・・・・」

当然のような顔で返された言葉に、もう突っ込む気力すらなくしたシェラだった。
毎日ゲームがしたくて、世界最高峰の大学を2年で卒業・・・。
天才と何とかは紙一重というが、己の婚約者がどちらなのかと考えると胃が痛くなる思いがする。

「ケリーさん」
「はいよ、お嬢さん」
「ヴァンツァーの異様な人間嫌いって」
「あー、そいつちっちゃい頃から可愛い顔してたからな」
「でしょうね」
「実家は金持ちだし、モテたというか」
「──狙われてたというか?」
「そうそう。ほんと、昔は天使みたいだったんだぜ? 『にーたま、にーたま』言って、笑顔で追いかけてくるんだ。もう、何度頭から食っちまおうと思ったか」
「あとで昔のアルバム見せて下さい」
「いいぜ」

す、とカーサが席を外したところを見ると、きっと『坊ちゃまのアルバム大全』を取りにでも行ったのだろう。
元から足腰は丈夫なのだろうが、心なしか足取りが軽やかだった。

「子どもは感受性も強いしなぁ。ギラギラした欲望の的になるのが、たまらなかったんだろうよ」
「モテ期が早過ぎるのも考えものですね」
「だから、お嬢さんは合格なんだと思うぜ?」
「──はい?」
「いくら、『付き合ってくれなきゃ死んでやる』って言われても、普段のそいつなら一瞥もくれずに無視したはずだからな」
「・・・何でその話知ってるんですか」

恥ずかしくて頬を染めたシェラに、ケリーはにやり、と笑みを浮かべた。

「あちこちに、優秀な『目』と『耳』がいるんでね」
「どこの諜報機関ですか!」

んもう、んもう! とテーブルを叩く勢いのシェラは、肩をトントン、と叩かれて横を向いた。

「──怒った顔のうさ子も可愛いけど、笑った顔の方が俺は好きだな」

にっこりと、脳天まで痺れるような笑顔でそう言ってきた男に。

「────・・・はい」

思わずぽーっとなって頷いてしまったシェラ。
だってだって、どれだけオタクだろうと、ゲームと2次元美少女にしか興味がなかろうとも、顔は、顔の造りは抜群に良いのだ。

「・・・初めて好きって言われた」

瞳を潤ませながらのシェラの呟きに、ケリーは苦笑を噛み殺したのだった。


**********

何がしたいのかはよく分からないけれど、とことん完璧な要素満載で、ヘタレてもいなくて、超絶かっこいい男になれる可能性特大なのに、『オタク』という。その拭い切れない汚点・・・だがそこがイイ!(コラ)

それでもやっぱり、俺はケリーがいいと思う。まだ出てきてないけど、いっそジャスミンでも・・・。
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