小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
大変お世話になりました。
8周年を迎えたというのに、ミニ企画は全然更新出来ないわ、それどころか4周年から続く長編は1文字たりとも書いてないわ、酷い有様でございました・・・結局陰陽師の裏も書けなかった・・・。
そんな中、見捨てずに通って下さった皆様、本当にありがとうございました。時間というのは誰の上にも平等に配分されているので、『時間がない』というのは言い訳で、その気になれば時間はいくらでも作れるはずなんです。自分に甘くて嫌になっちゃうこともたくさんあるのですが、まぁ、年の後半は若干当人のスペックに対してオーバーワーク気味だったので、年末になって寝込むという体たらく・・・。頭の中はマルチタスク対応なのですが(笑)身体がついていかんのよね・・・。
『天使と悪魔のエトセトラ』残りはヴァンシェラですが、それはもう少しお待ち下さい。
代わりにもならないちょー短編ですが、ヴァンシェラで小ネタ書かせていただきます。
8周年を迎えたというのに、ミニ企画は全然更新出来ないわ、それどころか4周年から続く長編は1文字たりとも書いてないわ、酷い有様でございました・・・結局陰陽師の裏も書けなかった・・・。
そんな中、見捨てずに通って下さった皆様、本当にありがとうございました。時間というのは誰の上にも平等に配分されているので、『時間がない』というのは言い訳で、その気になれば時間はいくらでも作れるはずなんです。自分に甘くて嫌になっちゃうこともたくさんあるのですが、まぁ、年の後半は若干当人のスペックに対してオーバーワーク気味だったので、年末になって寝込むという体たらく・・・。頭の中はマルチタスク対応なのですが(笑)身体がついていかんのよね・・・。
『天使と悪魔のエトセトラ』残りはヴァンシェラですが、それはもう少しお待ち下さい。
代わりにもならないちょー短編ですが、ヴァンシェラで小ネタ書かせていただきます。
**********
今年も、残すところあと数分。
ヴァンツァーとシェラはリビングのソファに並んで座り、テーブルに置いた時計を見ながらそれぞれにカップを傾けていた。
中身はいつもと同じ。
ヴァンツァーは珈琲を、シェラは紅茶を。
好みの銘柄も、淹れ方も、訊ねることさえしなくなって久しい。
「お前と四半世紀以上一緒にいるとか、何かの悪夢としか思えないな」
シェラの悪態にも、ヴァンツァーは薄く笑うばかりであった。
「こんなに楽しい悪夢なら、毎日見てもいい」
そう告げるヴァンツァーの声音があまりに穏やかだったから、シェラは思わず渋面になった。
「・・・大晦日まで、何の罰ゲームだこれ」
恥ずかしげもなく恥ずかしいことを口にする男に、眩暈やら頭痛やらを感じるのもわりと日常で。
「・・・ま、悪くはないけど」
ポツリ、と呟かれた言葉に、ヴァンツァーが藍色の瞳を丸くする。
じっと見つめられたシェラは、「何だ、こっち見るな!」とまたもや悪態をつく。
頬がやや紅くなっているのはご愛嬌。
素直でないシェラとの付き合いも四半世紀以上ともなれば、『悪くない=結構幸せ』という等式を立てるのも簡単なこと。
飲みかけのカップをテーブルに置いたヴァンツァーは、ついでにチラリと時計に目を遣った。
日付が変わる、1分前。
「まぁ、そう言わず」
伸ばした手で、シェラの頬にそっと触れる。
紅茶を飲んで潤った唇を求め、そっと顔を寄せていく。
「来年もよろしく頼むよ、奥さ」
──むぎゅ。
想定していたよりもかなり硬質で、ずっと熱いものに触れた驚きに、ヴァンツァーはパチッ、と目を見開いた。
「・・・お前」
シェラと自分の顔の間には、まだ中身の残ったティーカップ。
道理で熱いはずだ、とヴァンツァーは頭を抱えそうになった。
「いい加減、その無意味な照れ屋からは卒業しろ」
「ふん」
呆れ顔のヴァンツァーに対し、シェラはツン、とそっぽを向いた。
──ピッ。
「「──あ」」
その瞬間、ふたりは新しい年を迎えた。
「・・・年越しのキスをし損ねた」
そんなことを言うヴァンツァーを尻目に、シェラは何でもない顔でカップに残った最後のひと口を飲んだ。
「ごちそうさまでした」
律儀にそう言ってカップを置くと、憮然とした表情のヴァンツァーに顔を向けた。
「じゃあ、まぁ、今年もよろしく──旦那さん」
──ちゅっ。
軽いリップ音とともに唇に触れたやわらかなものに、ヴァンツァーはまた目を丸くした。
「お前、やっぱりかっこつかない運命なんじゃないか?」
ニヤリ、と人の悪い笑みを浮かべたシェラに、ヴァンツァーは四半世紀経とうが、これからまた四半世紀をともに過ごそうが、どうしても勝てる気がしなかった。
──まぁ、それも悪くはない。
とりあえず、シェラが幸せそうならそれでいい。
望むのは、それだけなのだから。
**********
お粗末さまでした。
さて、今年も残りあと僅か。本当にありがとうございました。
来年も、皆様にとって更に良い年でありますように。お馬さんのように駆け抜ける1年、全力疾走ですぞ!!
それでは皆様、良いお年を~~~~~。
橘久遠 拝
今年も、残すところあと数分。
ヴァンツァーとシェラはリビングのソファに並んで座り、テーブルに置いた時計を見ながらそれぞれにカップを傾けていた。
中身はいつもと同じ。
ヴァンツァーは珈琲を、シェラは紅茶を。
好みの銘柄も、淹れ方も、訊ねることさえしなくなって久しい。
「お前と四半世紀以上一緒にいるとか、何かの悪夢としか思えないな」
シェラの悪態にも、ヴァンツァーは薄く笑うばかりであった。
「こんなに楽しい悪夢なら、毎日見てもいい」
そう告げるヴァンツァーの声音があまりに穏やかだったから、シェラは思わず渋面になった。
「・・・大晦日まで、何の罰ゲームだこれ」
恥ずかしげもなく恥ずかしいことを口にする男に、眩暈やら頭痛やらを感じるのもわりと日常で。
「・・・ま、悪くはないけど」
ポツリ、と呟かれた言葉に、ヴァンツァーが藍色の瞳を丸くする。
じっと見つめられたシェラは、「何だ、こっち見るな!」とまたもや悪態をつく。
頬がやや紅くなっているのはご愛嬌。
素直でないシェラとの付き合いも四半世紀以上ともなれば、『悪くない=結構幸せ』という等式を立てるのも簡単なこと。
飲みかけのカップをテーブルに置いたヴァンツァーは、ついでにチラリと時計に目を遣った。
日付が変わる、1分前。
「まぁ、そう言わず」
伸ばした手で、シェラの頬にそっと触れる。
紅茶を飲んで潤った唇を求め、そっと顔を寄せていく。
「来年もよろしく頼むよ、奥さ」
──むぎゅ。
想定していたよりもかなり硬質で、ずっと熱いものに触れた驚きに、ヴァンツァーはパチッ、と目を見開いた。
「・・・お前」
シェラと自分の顔の間には、まだ中身の残ったティーカップ。
道理で熱いはずだ、とヴァンツァーは頭を抱えそうになった。
「いい加減、その無意味な照れ屋からは卒業しろ」
「ふん」
呆れ顔のヴァンツァーに対し、シェラはツン、とそっぽを向いた。
──ピッ。
「「──あ」」
その瞬間、ふたりは新しい年を迎えた。
「・・・年越しのキスをし損ねた」
そんなことを言うヴァンツァーを尻目に、シェラは何でもない顔でカップに残った最後のひと口を飲んだ。
「ごちそうさまでした」
律儀にそう言ってカップを置くと、憮然とした表情のヴァンツァーに顔を向けた。
「じゃあ、まぁ、今年もよろしく──旦那さん」
──ちゅっ。
軽いリップ音とともに唇に触れたやわらかなものに、ヴァンツァーはまた目を丸くした。
「お前、やっぱりかっこつかない運命なんじゃないか?」
ニヤリ、と人の悪い笑みを浮かべたシェラに、ヴァンツァーは四半世紀経とうが、これからまた四半世紀をともに過ごそうが、どうしても勝てる気がしなかった。
──まぁ、それも悪くはない。
とりあえず、シェラが幸せそうならそれでいい。
望むのは、それだけなのだから。
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お粗末さまでした。
さて、今年も残りあと僅か。本当にありがとうございました。
来年も、皆様にとって更に良い年でありますように。お馬さんのように駆け抜ける1年、全力疾走ですぞ!!
それでは皆様、良いお年を~~~~~。
橘久遠 拝
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