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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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本日「あ~そ~ぼ~」という妹からのメールで、ちびすけふたりも連れてカラオケに行ってきました。生後半年のちびちゃんは、大きい音も全然平気みたい。にっこにこしてました。
で、その後はいつもの通り妹の家に行って、夕飯食べて、テレビを見てました。なんせ私のテレビは未だにガラケーのワンセグなもんで(笑)大画面でドラマ見ましたよ。ムカイ君主演のアレ。最近の俳優さんなんて全然知らないので、妹が解説してくれました。えぇ、アヤノ某さん。妹によると今売り出し中だとか。ほー。そういや、実写版の剣心にも出てたっけ。

あの役の狙撃の腕に惚れ込んだわたくし。ちょっとヴァンシェラに変換して小ネタでも・・・。まぁ、シェラがグーパンで家の壁に穴開けられるかと言ったら「リィではないのですから・・・」と頭抱える気がしますが・・・。そこは何か違った方法ということで。シェラはどちらかといえば、科学捜査班か、ネゴシエータータイプだよなぁ。




**********

犯人を確保し、シェラたちNPSは現場から引き上げた。
怪我人は出たものの、どうにか誰も死なせることなく事件を解決出来たことで、シェラはほっと息を吐いた。
乗ってきた警察車両へと向かう途中、逆にそちらから歩いてくる男に目を遣った。
細身の長身だが、特殊部隊の人間らしくその身体は無駄なく鍛えられている。
警察官というよりも、俳優でもやった方が良いのではないかと思われるほど端麗な容貌の男だったが、切れ長の瞳は犯人を確実に仕留める冷徹さが垣間見える。

「・・・ヴァンツァー」

すれ違いざま呟いたシェラに、男は脚を止めた。
シェラは思わず身構えた。
だいぶ上から、藍色の視線が落ちてくる。
何か挨拶でもすべきだろうか、と逡巡したシェラの耳に、

「28回だ」

という、至極冷静な声が届いた。

「え?」
「お前たちが制圧するまでに、俺が確実に犯人を仕留められた回数」
「・・・・・・」

ヴァンツァーと呼ばれた男は、警察の特殊部隊『SAT』の中で狙撃班に属している。
SATの中でも最高の腕を持つ狙撃の名手であり、50m先の地面に転がった手榴弾を狙撃一発で弾き飛ばせるほどの神業の持ち主であった。
SATは犯人の確保を目的とするSITとは異なり、実力行使で現場の危機的状況を排除することにある。
むろん、シェラの属する新設の『S』部隊NPSとも、その根底の在り方からして違う。

「俺なら、もっと早くに現場を制圧出来た──あんな、心の傷を作る前に、だ」
「・・・・・・」

これには、シェラは思わず口を噤んだ。
ヴァンツァーが言っているのは、今回の事件の被害者である少年のことだ。
さきほど助けた少年の言葉が、今も耳に残っている。

──何で殺さなかったんだ! あんな悪いヤツ、ブッ殺せよ!!

保護されたあと、少年は泣き叫んでシェラたちを詰った。
銃やナイフを持った男たちに、母親とふたり捕らえられ、どれほど恐ろしい思いをしたか。
まだ幼い少年の心には、きっと一生消えることのない傷が残っただろう。
それを、目の前の冷静な目をした男は糾弾している。

「・・・私の前では、誰も死なせない」

苦い思いを抱えながらも、シェラは喉の奥から押し出すような低い声でそう告げた。
どんな悪人だろうと殺さずに確保する──それがシェラの考えだった。
現場で犯人が殺されれば、傷つけられたものや遺族は『なぜ』を問うことができなくなる。

なぜ自分たちでなければいけなかったのか、なぜあんなことをしたのか、なぜ・・・・・・。

死んだ相手に怒りをぶつけることは難しい。
それが、たとえどれほど許せないと思っている相手だったとしても。
理由を問いたくても、殺したいほど憎もうとしても、その対象がすでにこの世にないという事実は、心の傷を深めるだけだとシェラは知っていた。
理解されるとは思っていない。
けれど、自分の心に嘘を吐くことも出来ずそう告げたシェラに、ヴァンツァーは感情の見えない声で言った。

「忘れるな。この国の最後の砦は俺たち『SAT』だ」
「・・・・・・」
「俺はお前を、『S』とは認めない」

愛用の銃の入った大きなバッグを手に立ち去る男の姿を、シェラは拳を握って見送った。


**********

確かこんな話。ああいう、たくさん人が傷つく見てて痛い話は大嫌いだけれど、彼の狙撃の腕と、トラウマを抱えつつド真っ直ぐな主人公にはグッとキたので。

次回予告の『ライバルからバディへ』のフレーズにもグッとキた(笑)
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