小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
すぎて笑えた。
『高橋大輔 世界選手権で4回転フリップに挑戦』
ちょっと前の小ネタでヴァンツァーに4F-3T跳ばせた橘としては、ついつい楽しくなってしまいます。いや、デー輔はFSでの単独ですけどね。まぁ、普通4Fにセカンドつけないよね、ってか、つけられないよね(笑)
でも、デー輔ならいつかやってくれるんじゃねーかと。
「4Tでも4Fでも、回転不足で転倒したら点数はほぼ同じ、それなら挑戦する」
という彼と長光コーチが大好きです。アスリートはこうでなくちゃ! でも、怪我はしないでね・・・お願い。
**********
客席の歓声は止むことを知らず。
それをBGMに、彼はキス&クライから通路を通ってインタビュー用のスペースへと向かった。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
まずは形式通りの挨拶をしたわけだが、レポーターは訊きたくて、訊きたくてウズウズしている、といった感じで話を始めた。
「4回転、決めましたね~」
「そうですね。まぁ、練習のときから調子は良かったので」
心配はしていませんでした、と笑顔すら浮かべずに話す男。
レポーターは気にした様子もなく、むしろそれが『王者の風格』なのだと言わんばかりに話を続けた。
「迷いはありませんでしたか?」
「迷い?」
「えぇ。4回転を跳ぶことに。現役を退いて、間が開いたでしょう?」
「ありません。わたしが競技に出れば、4回転を跳ぶ。誰もがそう思っていますから」
「観客の期待に応えた、と?」
「いいえ」
ここで初めて、女にもないような美貌の男は、薄っすらと笑みを浮かべた。
「──4回転を跳ばないなら、競技には出ません」
「・・・それが、あなたのプライド?」
「跳べないならまだしも、跳べるのに跳ばないという選択をすることが、理解出来ないだけです」
「それでは、明後日のフリーも4回転を入れる、ということですね?」
「もちろん」
「選手やコーチの中には、4回転を回避して演技全体の完成度を上げようという考え方の陣営もあるようですが?」
「それは、それぞれの判断だと思います。──わたしには出来ない選択ですが」
「と、おっしゃいますと?」
「ようは、4回転を跳んで、尚且つ演技全体の完成度を上げればいいだけのことですから」
「・・・・・・」
呆気に取られた顔になったレポーターに、美貌のスケーターは嫣然と微笑むと礼を述べてインタビューを打ち切った。
次々とインタビューをこなしていくが、みな訊くことは同じ。
4回転に不安はなかったか、躊躇いはなかったのか、フリーでも4回転を入れるのか。
「・・・分かりきったことを」
悪態をついて控え室に入ると、仁王立ちした銀色の妖精がいた。
軽く藍色の目を瞠る。
「客席にいたんじゃないのか?」
「どうせ、インタビュー長いだろうと思ったから」
その間に来た、と告げた妖精は小首を傾げた。
「珍しく疲れてるのね」
「試合じゃない」
「分かってるわよ。4回転20本跳んでも、フリーを4回も5回も流しても、平気な顔してるの、知ってるもの」
「そうか」
口許にだけちいさく笑みを浮かべると、スケート靴を脱ぐ。
最早身体の一部と化しているものなので、開放感よりも違和感が大きい。
「──で、感想は?」
控え室のソファに座り、眼前の妖精を見上げる。
今日は長い髪を下ろしていて、それが銀色の洪水のように背に流れている。
「・・・エロ紳士」
「じゃあ合格だな」
「何よ、平然とした顔して4フリップ-3トゥループとか跳んじゃって。見たことないわよ、あんなコンボ!」
「ダブルにならなくて良かったよ」
「あんなジャンプ、変態よ! 変態紳士よ!」
「3アクセルも、3ルッツも入れた。スピンもステップもレヴェル4を揃えた──他に何か注文は?」
口端だけを持ち上げるようにして笑う男に、氷上の妖精と呼ばれる少女はむぅ、と唇を尖らせた。
「・・・まだフリーがあるもの」
「そうだな」
「4回転も3アクセルも、2回決めるのよ!」
「分かってる」
「ステップだって、レヴェル4取ってよね!」
「あぁ」
「スタンディングオベーションさせなきゃいけないんだからね!」
「分かってるよ」
くすくすと笑った男は、愛弟子でもある銀髪の妖精の指先に軽く触れた。
「──そうしたら、頷けよ?」
自信満々な顔で、失敗するなんて露ほども考えていない男の言葉に、シェラは赤くなりそうな頬と必死に戦っていたのだった。
**********
・・・むっつり変態紳士・・・やだー、こわーい・・・
えーっと、オリンピック、もしくは世界選手権で鬼のようなプログラムをこなして金メダルを取ったら、シェラが結婚してくれる、って話らしいです(笑)
客席の歓声は止むことを知らず。
それをBGMに、彼はキス&クライから通路を通ってインタビュー用のスペースへと向かった。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
まずは形式通りの挨拶をしたわけだが、レポーターは訊きたくて、訊きたくてウズウズしている、といった感じで話を始めた。
「4回転、決めましたね~」
「そうですね。まぁ、練習のときから調子は良かったので」
心配はしていませんでした、と笑顔すら浮かべずに話す男。
レポーターは気にした様子もなく、むしろそれが『王者の風格』なのだと言わんばかりに話を続けた。
「迷いはありませんでしたか?」
「迷い?」
「えぇ。4回転を跳ぶことに。現役を退いて、間が開いたでしょう?」
「ありません。わたしが競技に出れば、4回転を跳ぶ。誰もがそう思っていますから」
「観客の期待に応えた、と?」
「いいえ」
ここで初めて、女にもないような美貌の男は、薄っすらと笑みを浮かべた。
「──4回転を跳ばないなら、競技には出ません」
「・・・それが、あなたのプライド?」
「跳べないならまだしも、跳べるのに跳ばないという選択をすることが、理解出来ないだけです」
「それでは、明後日のフリーも4回転を入れる、ということですね?」
「もちろん」
「選手やコーチの中には、4回転を回避して演技全体の完成度を上げようという考え方の陣営もあるようですが?」
「それは、それぞれの判断だと思います。──わたしには出来ない選択ですが」
「と、おっしゃいますと?」
「ようは、4回転を跳んで、尚且つ演技全体の完成度を上げればいいだけのことですから」
「・・・・・・」
呆気に取られた顔になったレポーターに、美貌のスケーターは嫣然と微笑むと礼を述べてインタビューを打ち切った。
次々とインタビューをこなしていくが、みな訊くことは同じ。
4回転に不安はなかったか、躊躇いはなかったのか、フリーでも4回転を入れるのか。
「・・・分かりきったことを」
悪態をついて控え室に入ると、仁王立ちした銀色の妖精がいた。
軽く藍色の目を瞠る。
「客席にいたんじゃないのか?」
「どうせ、インタビュー長いだろうと思ったから」
その間に来た、と告げた妖精は小首を傾げた。
「珍しく疲れてるのね」
「試合じゃない」
「分かってるわよ。4回転20本跳んでも、フリーを4回も5回も流しても、平気な顔してるの、知ってるもの」
「そうか」
口許にだけちいさく笑みを浮かべると、スケート靴を脱ぐ。
最早身体の一部と化しているものなので、開放感よりも違和感が大きい。
「──で、感想は?」
控え室のソファに座り、眼前の妖精を見上げる。
今日は長い髪を下ろしていて、それが銀色の洪水のように背に流れている。
「・・・エロ紳士」
「じゃあ合格だな」
「何よ、平然とした顔して4フリップ-3トゥループとか跳んじゃって。見たことないわよ、あんなコンボ!」
「ダブルにならなくて良かったよ」
「あんなジャンプ、変態よ! 変態紳士よ!」
「3アクセルも、3ルッツも入れた。スピンもステップもレヴェル4を揃えた──他に何か注文は?」
口端だけを持ち上げるようにして笑う男に、氷上の妖精と呼ばれる少女はむぅ、と唇を尖らせた。
「・・・まだフリーがあるもの」
「そうだな」
「4回転も3アクセルも、2回決めるのよ!」
「分かってる」
「ステップだって、レヴェル4取ってよね!」
「あぁ」
「スタンディングオベーションさせなきゃいけないんだからね!」
「分かってるよ」
くすくすと笑った男は、愛弟子でもある銀髪の妖精の指先に軽く触れた。
「──そうしたら、頷けよ?」
自信満々な顔で、失敗するなんて露ほども考えていない男の言葉に、シェラは赤くなりそうな頬と必死に戦っていたのだった。
**********
・・・むっつり変態紳士・・・やだー、こわーい・・・
えーっと、オリンピック、もしくは世界選手権で鬼のようなプログラムをこなして金メダルを取ったら、シェラが結婚してくれる、って話らしいです(笑)
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